第48話 深淵の遺跡
光るゴーレムたちが、闇の底を淡く照らしていく。
ついに、地面が見えた。
「……やっぱり遺跡だ」
降下を終えた俺たちの前には、巨大な石造りの建造物が広がっていた。
苔と鉱石に覆われた壁、奇妙な紋様が刻まれた石柱。
それは森の中で見たどんな遺跡よりも、明らかに古いものだった。
「すごい……これ、全部地下に隠されてたの?」
キキが思わず声を失う。
彼女ですら初めて見るものらしく、眉間に皺を寄せていた。
父の文字盤が光る。
『人工構造物。年代不明』
「そうだな。人間の手か……それとも別の何かか」
俺の胸はドキドキと高鳴る。
巨兵が翼をたたみ、地面に着地する。
その衝撃で土煙が舞い、静寂の中に音が響いた。
まるで、長い眠りから遺跡を目覚めさせてしまったかのように。
俺は光るゴーレムを飛ばして奥を照らす。
廊下のような通路、そして不気味に閉ざされた巨大な門。
「なあ……絶対に何かあるよな、これ!」
俺の目は輝き、口元が自然と笑みに変わっていた。
「ちょっと、落ち着きなさいよ!」
キキが腕を引っ張るが、俺の足は前に出てしまう。
「前世じゃ探検なんてできなかったんだ。今は違う、俺たちは冒険者だ!」
父の文字盤が赤く点滅した。
『危険接近中』
直後、奥の闇から『カサリ』と不気味な音が響いた。
俺たちは息をのんだ。
未知の遺跡に、何かがまだ生きている。




