第47話 闇の底へ
俺たちは森の奥、大穴の縁に立っていた。
下は真っ暗で、どこまで深いのかまるで見えない。
「さて……まずは偵察だ」
俺は光るゴーレムを呼び出し、次々と穴の中へ飛ばす。
ふわりと浮かぶ小さな灯火は、青白く輝きながら下へと吸い込まれていく。
光が点々と闇を照らし、深淵の形を少しずつ浮かび上がらせていった。
「……底に、何かあるな」
俺は思わず息を呑んだ。暗闇の奥に黒い石造りのような構造物が、かすかに光を反射していたのだ。
自然の穴じゃない。
人の手……いや、何かの意思を感じさせる造り。
「未知の遺跡かもしれないわね」
横でキキが目を細める。
父の文字盤がカタカタと光った。
『危険度高、要注意』
「大丈夫さ。だからこそ行くんだろ!」
胸が高鳴る。
未知を探検できる。
博士号を持っていた前世でも、味わえなかった興奮だった。
俺は巨兵のコクピットに飛び乗る。
父は鎧型ゴーレムをまとい、その横に並んだ。
「さあ、父さん。降りるぞ!」
『了解』
巨兵が翼を大きく広げ、羽ばたくと、風を切る轟音が穴の中に反響した。
ゆっくりと重力に従い、暗闇の底へ滑り込んでいく。
光るゴーレムたちの灯りが星の群れのように散り、俺と父を導いていた。
「未知の地下世界……どんな発見が待ってるんだろうな!」
胸がワクワクでいっぱいになり、俺は声を上げた。
父の文字盤がカタカタと光る。
『探検心、抑制不能』
その文字に、キキが苦笑いする。
そして、俺たちは巨兵と共に深淵の奥へ降下していった。




