第46話 冒険者の父と共に
「さあ、いよいよ出発だ!」
翼を広げた巨兵を前に、俺の胸は高鳴っていた。
だが、背後から文字盤がカタカタと点滅する。
『同行する』
骸骨の父が無言でこちらを見つめていた。
「えっ……父さんも来るのか?」
俺が目を丸くすると、キキが肩をすくめる。
「当然でしょ。あんた、ひとりで突っ走ったら絶対に無茶するもの」
父の文字盤が再び光る。
『カイルは子ども。危険、監視必要』
「子どもって……俺、もう六歳だぞ!」
「はいはい、大人ぶるのはやめなさい」
キキに突っ込まれて俺はむくれる。
それでも父が隣にいると思うと、不思議と心が落ち着いた。
前世では味わえなかった感覚だ。
守られること、見守られること。
俺は深呼吸し、光るゴーレムたちを先行させる。
ふわふわと漂う灯りが、大穴の闇の中へと吸い込まれていった。
底知れぬ暗闇に光が点々と散り、そこから不思議な模様のように輝きが浮かび上がる。
「……よし、行こう!」
俺は巨兵のコクピットに飛び乗る。
父は鎧型ゴーレムをまとい、その横に立った。
二人並んで翼を広げ、ゆっくりと大穴の中へ降下していく。
胸の奥がワクワクでいっぱいだ。
未知の探検……でも、今回は父と一緒だ。
「行こうぜ、父さん!」
『了解』
カタカタと光った文字盤が、どこか頼もしく見えた。




