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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第36話 大きすぎる魔石と新たな目標

 研究小屋の中、俺は机の上に置いた二つの魔石に手をかざした。


「……よし、いくぞ」


 魔力を流し込むと、二つの魔石が互いに共鳴し、眩しい光を放つ。

 バチバチと火花のような魔力の波が弾け、やがて二つの魔石は溶け合うように一つになった。


「……成功だ」


 思わず声が漏れた。


 だが、次の瞬間、目を疑った。

 出来上がった魔石は、連結前よりも二回りも大きくなっていたのだ。


「なんで……? 二つ分が足されただけじゃなくて、肥大化してる……」


 試しに小型ゴーレムへ埋め込んでみたが、魔石が大きすぎて収まりきらず、胴体がひび割れて崩れてしまった。


「小型化しないと……実用にはならないな」


 俺は頭を抱える。

 巨兵のような大きなゴーレムなら問題ない。

 だが日常の作業や移動に使う小型ゴーレムには向かない。


「つまり、次の課題は“縮める”ことね」


 後ろで腕を組んでいたキキが呆れたように言った。


「そんな簡単に言うなよ」


「だって現実、そうでしょ?」


 キキは肩をすくめたが、その目は興味深そうに光っていた。


 数日後、再びダスパの商人ギルドを訪れた。


「おお、また来たか。カイル殿」


 応対したのは、前回と同じ支部長代理の男だ。

 彼は鎧姿の俺を見上げて、わざとらしく頭を下げた。

 俺の正体を知らないまま、ただの大人の魔術師だと思っているのだ。


「今日は魔石の追加売却か?」


「はい。ですが……」


 俺は布袋からいくつかの魔石を取り出した。

 中には、連結の実験で出来上がった“大きな魔石”も混じっている。


 支部長代理は目を見開いた。


「な……なんだこのサイズは! スライムの魔石にしては異常だ!」


「……ちょっと特殊な加工をしたんです」

俺は濁すように答えた。


 男はごくりと唾を飲み、手を震わせながらその巨大な魔石を持ち上げる。


「こ、これは高値で引き取らせてもらおう……! いや、王都に送れば貴族が飛びつくぞ!」


「高値はありがたいですが……」


 俺はあえて冷静に返す。


「もし他にも持ってきたら、研究目的で残してもいいですか?」


「もちろん! いやむしろ、ぜひとも継続して持ってきてほしい!」


 キキが横から口を挟む。


「条件をきちんと明文化してね。研究用を残す分は必ずカイルの手元に置くこと」


「……わ、わかった」


 こうして、連結で巨大化した魔石は高値で売れることがわかった。

 だが同時に、それは俺にとって課題を突きつける。


「小型化できれば、もっと実用的なゴーレムが作れる……」


 帰り道、袋に残した魔石を見下ろしてつぶやくと、キキはにやりと笑った。


「つまりまた徹夜ね」


「……かもな」


 新たな研究の目標『魔石の小型化』。

 それは俺の次の挑戦となった。

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