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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第27話 守護巨兵、大地に立つ

 翌朝、森の奥にある作業場に立つ。

 今日からいよいよ、守護巨兵の制作に取りかかる。


「本当にやるのね……」

 

 後ろからついてきたキキが、呆れ半分、期待半分の声を出す。


「いくらゴーレムを作ってきたって、今度のは桁が違うわよ?」


「分かってる。でも、これまでの研究は全部このためにあったんだ」

 

 俺は設計図を広げ、胸を高鳴らせながら答える。


 素材は森の奥で手に入る。山肌から突き出すように露出している赤黒い鉱石。

 叩けば鉄の匂いを放つ鉱石だ。

 父に教わったわけでも、誰かから習ったわけでもない。だがゴーレムを研究するうちに、魔力を使って鉱石から金属を取り出し、溶かし、形を整える術を自然と身につけていた。


「まさか……鉄を自分で加工できるようになってたなんて」

 

 キキは鉱石を手に取り、目を丸くした。


「必要だったからな。鍛冶屋なんて森にはいない。だから、ゴーレムの応用でどうにかした」


 木材で骨組みを作り、鉄を溶かして補強を加える。炉の代わりに魔石を利用したゴーレムを作り、強烈な熱を発生させて鉱石を溶かした。

 叩くのも削るのもゴーレムの腕を使う。俺とゴーレムが一体になって作業を進めると、巨大な骨組みが少しずつ立ち上がっていった。


「森の中に巨人が眠ってるみたい……」

 

 キキが息を呑む。


 胸部には炉心となる魔石を据えた。

 ゴブリンや狼の魔石を組み合わせ、俺の魔力で強引に融合させる。反発する力に指先が震える。

 それでも意志を込めて押し込むと、やがて魔石は一つに収束し、眩い光を放った。


「……できた。これが心臓だ」

 

 俺は深く息を吐いた。


 数日後、森の空き地に巨兵が姿を現した。

 高さは十メートル。木材と鉄の装甲をまとい、胸部の炉心が脈打つように光っている。


「ほんとに……作っちゃったのね」

 

 キキは口を開けたまま見上げている。


 俺は胸部に設けた操縦席に登り込み、魔力を流し込んだ。


 ゴゴゴッ……!

 大地が震え、巨兵がぎこちなくも確かに立ち上がる。


「動いた……!」

 

 胸が熱くなる。腕を振り、足を踏み出す。地面が揺れ、森の鳥が一斉に飛び立った。


「すごい……本当に歩いてる……」

 

 キキの声は、呆れと驚きが入り混じっていた。


 その夜、焚き火の前で俺は言った。


「これで森を抜けてダスパまで行ける。調味料を買って、魔石を売るんだ。母さんとリーナを守るために」


 キキは少し笑って耳を揺らす。


「分かったわ。ここまで来たら止められないものね。なら私も一緒に行くわ。……ほっといたら絶対危なっかしいんだから」


 俺はうなずき、火を見つめた。

 こうして守護巨兵と共に、俺たちの旅は動き出した。

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