表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/142

第119話 海辺のほのぼの回

 古代遺跡の巨大な魔石の前で、キキとカイルは完全に研究モードに入っていた。

 表面に走る紋様を写し取り、魔力の循環を読み取り、時おりヒカリに質問を投げては顔を寄せ合って興奮する。


「この反応……やっぱり常識外れだよ!」

「ヒカリを生んだ存在……ダンジョンの核そのものかもしれない……!」


 そんなふたりの背中をじっと見つめていたリーナは、床にぺたりと座るとほっぺをぷくっと膨らませた。


「ねぇ〜、カイルにーちゃん、キキ〜。もう飽きた〜〜!」


 クレアが苦笑しつつ、娘の髪をそっと撫でる。


「まあ、ずっと石を見てるだけじゃ楽しくないわよね」


 その声に、ヒカリがぱっと顔を上げた。


「……第五層、行く? 砂のあと、海。きれいで、涼しいよ」


 リーナの目が、一瞬で星みたいに輝いた。


「いく!! いくいくいくっっ!!」


 背中を引っ張られ、カイルとキキもようやく研究を中断するしかなくなった。


 砂の古代都市、宝物庫の先にあったのは、まるで別世界のような景色だった。

 

 青い海が静かに波を寄せ、白い砂が一面に広がっている。

 ダンジョンとは思えない穏やかな光景に、リーナは歓声を上げて走っていく。


「わぁぁぁ! 本物の海みたい!!」


 クレアとキキはその後をゆっくり追い、ヒカリは潮風を受けて気持ちよさそうに浮かんでいた。


 そのとき、海面がぼこんっと盛り上がる。

 巨大なハサミを持つカニの魔物。

 うねる触腕を持つタコ型の魔物。

 つぶらな目をした魚の魔物。


 どれもこちらを見ると、どことなく“期待している”感のある目でにじり寄ってきた。


 カイルが反射的に身構えるが、ヒカリがにっこりして言う。


「だいじょうぶ。海の幸、やさしいよ。……食べてほしいんだって」


「えっ、食べられるの……?」


 キキが目を丸くする。その横で、カイルは真剣な表情で説明した。


「第五層の魔物は“食材”になる。調理方法知ってるから多分……全部うまい」


 魔物たちも‘’任せて!‘’と言わんばかりに、勝手に茹で上がったり、絶妙な焼き加減を披露したりし始めた。

 

 タコに至っては、自分で炭火を出して勝手に焼かれていくという謎の姿勢を見せる。

 カイルは腕まくりを止め、ドン引きした。

 

 やがて、砂浜には豪華な海鮮料理がずらりと並んだ。


 リーナは焼き立てのカニ脚を抱えて目をきらきら輝かせ、「いただきまーすっ!!」と嬉しそうにかぶりつく。


 クレアは潮風に髪を揺らしながら微笑み、キキはタコ料理の魔力構造まで研究し始め、カイルは「これ毎日あったら漁師いらないだろ……」と呆れ顔で言いつつも、しっかり味わっていた。


 ヒカリは波打ち際で水に足をつけて、静かに海を見つめている。

 その横顔は、どこか安らぎに満ちていた。


「……みんな、よろこんでる。よかった」


 その小さなつぶやきに、家族みんながふわりと笑った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ