表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/139

第108話 ヒカリ、爆誕!

 森の家の朝。

 

 光る魔石、“ヒカリ”はいつものように縁側でリーナの遊び相手をしていた。

 けれど、その日は少し違っていた。ヒカリの光がいつになく眩しく、まるで鼓動のようにゆっくりと脈打っていたのだ。


「カイルにーちゃーん! ヒカリがドクンドクンしてるー!」

 

 リーナの叫びに、カイルとキキ、母、そして骸骨の父が慌てて駆け寄る。


 ヒカリはふわりと浮かび、光を強めていく。

 まるで何かを“生み出す”ように。


「……う……ん……まぶしい……」


「え、声!?」

 

 キキが息を呑む。


 ヒカリの光が弾け、部屋中を真昼のように照らした。

 そして、光の中心に小さな女の子が立っていた。


 髪は透き通る金色、瞳は淡い水色。

 肌は光の粒のように輝き、まるで“人の形をした光”そのものだった。


「……おはよう、カイル」

 

 その幼女が微笑んだ瞬間、全員の時が止まった。


「え、喋った!? ていうか……人間になった!?」


「すごいぃぃ!」

 

 リーナが叫びながら、全力でその子に抱きついた。


「今日から、わたしがママよ!」


「……え?」

 

 家の中が一瞬、静寂に包まれる。


 次の瞬間、母が吹き出した。


「リーナ、それ逆でしょ! あなたが子どもでしょ!」


「だって! ヒカリ、わたしが持ってたから出てきたんだもん! だからわたしママ!」


「ふふっ……そうなの?」とヒカリが首をかしげる。


「そうだよ、ママだから!」

 

 リーナが胸を張ると、キキはテーブルに突っ伏して笑い転げ、カイルは顔を覆ってうずくまった。


 骸骨の父の胸部には、『我、笑止』の光文字。


「ふふ……おもしろい家族ね」

 

 ヒカリはリーナの頭を撫でながら微笑んだ。

 その手の温もりは確かで、光なのに“生きている”ように感じられた。


 カイルはその様子を見て、そっと息を吐く。

 冷たい海底の神殿で拾った、あのコア。

 今はこうして笑っている。


「……なんか、すごいな」


「なにが?」とキキが首を傾げる。


「ただの光だったものが、今は家族になってる」


「ほんと、カイルにーちゃんちって常識ないよね」


「褒め言葉として受け取っとく」


 笑い声の中、リーナがヒカリの手を握った。


「ねぇママ、これから一緒に寝ようね!」


「うん……でも、“お姉ちゃん”の方がいいかも?」


「じゃあ……ママ姉ちゃん!」


「……まぁ、いっか」


 森の家にまた一人、家族が増えた。

 光の少女、ヒカリの誕生は静かな森にもうひとつ、新しい灯をともした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ