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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第103話 ヒカリの声

 夜が明けるころ、海は鏡のように静まり返っていた。

 船型の巨兵の上で、カイルは甲板に座り込み、光のコア。

 ヒカリを膝の上に置いていた。


 淡い光が朝焼けを受け、静かに揺らめく。

 まるで呼吸しているように、光は優しく鼓動を刻んでいた。


「……眠ってるみたいだな」

 

 カイルは独り言のように呟く。

 ヒカリの光は、まるで返事のように少しだけ明るくなった。


「おはよう、かな」


 その瞬間、カイルの胸の奥にふわりと温かい感覚が流れ込んできた。

 言葉ではない。

 けれど確かに、“ありがとう”と伝わってきた気がした。


「……今の、ヒカリか?」


 カイルは驚いて立ち上がり、コアを見つめる。

 ヒカリはかすかに脈を速め、まるで笑っているように光を放った。


 その光景を見て、後ろから母が静かに近づく。


「感じたのね……この子の“声”を」


「声……? でも、言葉じゃない。ただ、気持ちが……伝わった感じで」


「それでいいのよ」

 

 母は優しく微笑む。


「きっとこの子は、まだ“生まれたばかり”なの。言葉を知らないから、想いで話しているのね」


 カイルはゆっくりと頷き、再びヒカリに手を伸ばした。


「大丈夫。俺たちが教えるから。世界のことも、言葉も……家族のことも」


 その言葉に応えるように、ヒカリの光はふんわりと膨らみ、

 まるで“うれしい”という気持ちが、温かさとなって胸に広がった。


 リーナが寝ぼけまなこでヨチヨチ甲板に出てきて、光を見て目を丸くする。


「ピカー?」


「うん……まだ言葉じゃないけど、気持ちは伝わるんだ」

 

 カイルが笑うと、ヒカリがまたやさしく瞬いた。


「にー、にー、ピカ!!」

 

 リーナはヒカリに頬を寄せて、嬉しそうに言った。


 その瞬間、ヒカリの光が二人を包み、

 カイルの胸にふわりとした感情が流れ込む。

 

【あたたかい、うれしい、だいすき。】


 カイルは驚きながらも、優しく笑った。


「……あぁ、俺たちもだよ。ヒカリ」


 朝の光が海を照らし、船の上では新しい絆が、静かに芽生えようとしていた。




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