魔王、対策する。
自分の知らない自分の弱点でやられてしまった魔王。復活した魔王は今度こそ勇者を倒すため、自分の弱点を探すことになる。
シュウメイ「まずは思いつく限りの弱点をあげてみましょう」
そうはいっても、だ。基本的なものしか思いつかない。眉間やみぞおち、股間や脛といったところだろうか。
「基本的なところしか知らないな。謎の玉に類するものは聞いたことが...」
ここまで話して思い出す。
「ああ、大昔におじいさまから聞いた話にいくつかそんなようなものがあったような...」
シュウメイ「記憶力が優れているのでは?」
うるさいな。
「訓練前に聞いた話だ。」
シュウメイ「ソウデスカ。光玉のほかになにか思い出せるものは?」
「たしか、なにかの剣と生き物がどうとか...だめだ、ほとんど記憶にない」
シュウメイ「何かその話を記したものなどはありませんか?」
「少なくとも城にはない。おじいさまの家にならあるいは」
シュウメイ「ではそこへ。」
「そうだな。転移の陣ならすぐだ」
シュウメイ「城にあった陣はすべて勇者たちに壊されてしまっているようです。徒歩以外にありません。」
なんて周到なやつらなんだ。私を倒したんだからそこまでしなくてもいいだろう。
「準備しろ。すぐに向かうぞ。城からはすこし遠いのだ」
シュウメイ「承知いたしました。といっても、私に必要なのはこの杖のみです。今すぐ出発できます。」
私が死んだ後の世界は芳しくないようだな。だから住む世界を分けるのをやめて統合しようと考えたのに。さっさと勇者を倒す体制を整えよう。
「ではいくぞ」
こうして、弱点を把握するための旅が始まったのである。