魔王、復活する。
「...さま、魔王様!」
大きな声で呼び起こされる。なんだ。
「なんだ。誰だ。騒々しい。」
?「ああ!成功だ!やった!」
なんだかボーっとする。
?「ああ、復活されたばかりで混乱しているのですね。私は100年ほど前の勇者決戦の生き残り、シュウメイでございます。」
「勇者の故郷付近に配置した奴の子か」
シュウメイ「私を覚えているのですか!?」
「配下の子だからな。当然だ。名簿にある者はすべて把握している」
シュウメイ「…」
「私が魔王にまで出世したのはこの記憶力もある。かなり鍛錬したがな」
ここまで会話をして頭がはっきりしてきた。そうだ。私は魔王だ。そして勇者に敗れたのだ。…ん?
「私は死んだよな?」
シュウメイ「はい。ですが私が向こうの世界から呼び戻しました。」
「それに成功した例はないはずだが」
シュウメイ「私は天才なので。」
…ああ、そういうタイプか。まぁいい。
「それで、私が負けた100年後の世界に呼び戻した理由はなんだ?」
シュウメイ「魔王様が倒されてから50年後、勇者は死にました。子供がいたようですが、その子供は勇者の力を持っていなかったので、私たち生き残りは心配もなくひっそりと暮らしていました。」
シュウメイ「ですが10年ほど前、勇者の力を持つものが再び現れ、本格的に私たちを根絶やしにしようとし始めたのです。」
「それで私を復活させ、勇者を今度こそ倒そう、ということか」
シュウメイ「その通りでございます。魔王様ならきっと私が言うより先にたどり着くと思っておりました。」
言わんでもいいことをいうやつだ。だが私に再戦の機会をくれた者だ、大目に見よう。
シュウメイ「早速ですが魔王様、ご自身がなぜ敗北なされたか覚えておいでですか?」
もちろん覚えている。
私はもてる力すべてで勇者対策をしたつもりだ。配下の配置を考えるのはもちろんのこと、私自身も魔力を増強したり、身体の弱点に強化を施したりした。その結果、いいところまで勇者一行を追い詰めたのだが、私の体力が半分ほどになったころ、何やら光り輝く玉を見せつけられたのである。その瞬間、私の体力はさらに1/4ほどにされてしまった。
皆さんは自分に”謎の光る玉という弱点がある”なんて考えたことがあるだろうか?私は自分の玉という弱点は克服していたが、まさか知らない玉が自分の弱点とは考えもしなかった。
「知らん自分の弱点で負けた」
シュウメイ「では、まずはご自身の弱点が他にもないか確認し、対策することから始めましょう」
かくして、私はもう一度この世界で魔王となったのである。




