前兆
修行が始まった。オルは自分の所持金でこれでもかと言うほどエナジードリンクを買い溜め、ニシニシ笑っていた。そんな時にオルは言った。「そーいやーよー、あんたの名前ってなんなの?聞いてなかったけどさー!?」男は躊躇いもなく言った。「ビスド。ビスド・リーブスだ。」オルはにやけながら言った。「ふーん、ビスドって言うんだ!これからよろしくな!というか、この間暇なんだけどさあ、何しときゃいいの?」オルが聞くと、ビスドは言った。「何をしてもいいさ。別に漫画を買ってきてもいいし、ゲームだってしていい。だが、その間に寝ないように、私が見張っておくがな...。」「ふーん!じゃあ漫画でも買ってこようかな!ビスド!アリードキラーで本屋まで連れてってよ!」そう甘えると、ビスドは表情を変えずに淡々と言った。「自分の足で行け。そうしないと疲れないだろう。眠気が出ないとこの修行は意味が無いのだ。」オルは口を尖らせて怒る。そして、オルは出かけた。本屋は目と鼻の先なので、館からも監視できる位置にある。ビスドが見ていると、ビスドは急に目を見開いた。「組織の奴らだ...!」そうは言うものの、ビスドは助けにはいかない。1度、どのくらい出来るかを見てみたかったのだ。オルは追っ手に気付いた。もちろん冷静になどいられなかった。オドオドとして、ついには白目を剥いてしまった。ビスドは白目を剥いたオルを見ると驚いた。「...前兆だ...!」