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桜散る
サクラが散った15の春
冒険者への夢をあきらめた俺は、フリーランスとして生きていくことにした。
「スクレイピング?」
「なにそのスキル!!」
「適性、フリーランスって聞いたことねぇ」
同級生からは嘲笑された。
そして、先生は笑いをこらえた表情で
「レイフ!!君は普通科に行きなさい」
なぜここまでなったかというと、俺は学年一の魔力と運動神経の持ち主なのだ。
誰もが俺の適性は、”魔導士”、”戦士”だろうも思っていた。
もちろん、俺自身もそう思っていた。
【適性検査の結果】
適性 : フリーランス
スキル : スクレイピング
意味が分からんとはこのことだ。判定をした司教様も困惑した表情で、その横でサポートしているシスターは笑っていた。
両親にこのことを伝えると
「仕方ない。上の学校へ行って、官僚を目指すのが一番だな」
「魔法も使えるのにもったいないわね」
更に悲劇は続く、高校受験にも失敗したのだった。