アルバイト始めさせられました 2
のんびり書いています。
9時間前
ジリリリリリリリ
慣れない目覚まし音で目が覚める。
買ったばかりの目覚ましは私を起こすには十分な性能のようだ。
私は頭付近に置いていた目覚ましを止めようとして、ふと今の状況を考えた。
昨日は引っ越しの準備で体動かしたから、まだ寝ていたんいだよなー。
でも二度寝したら、ママがうるさいしなー、ってそういえば一人暮らし始めたんだった。
てことは、二度寝しても怒られない。
小言も言われれない
一人暮らし最高。ぐーたら最高。
私は、この一人暮らし最初の楽しみを満喫するため、枕元にあった目覚ましを止め、再び眠りに落ち
ることはできなかった
頭に着信のメロディーが流れてきた。
だれよ~。私の楽しみを邪魔するのわ。
着信に出ると、寝ぼけた頭を殴るように、眠気も吹き飛ぶ、声が聞こえてきた。
「ばんばんちゃーす
ロっちゃん、起きてる。もう寝ちゃった。」
・・・ まじかー、
この距離感ゼロでハイテンションな馴染みのある声は、
「ママー。朝からどうしたの。ていうか、もう朝だよ。
また、工房に籠って徹夜してたでしょ。」
そう、私のママである。
ママは、魔道具を開発している商売人でもあるらしい。
らしいというのは、私はママが、どんな魔道具を作っているかほとんど知らないからだ。
ママは、家では基本的に家事以外、自分の工房に籠り、日々、何かをしている。
工房には、絶対に入れてくれないため、本当に魔道具を作っているのか確認したことがないのだ。
「ええ~~、そっちは朝なんだ。
すごい時差があるんだね。」
「そっちとこっちに時差なんてあるほど、離れていないでしょ。」
だめだ、完全に徹夜でボケてる。
「てへてへ、そうだった。そうだった。
いや~、久々に集中しちゃったよ。でも、すごいものができたちゃっから結果オーライだよ。」
「いい加減徹夜してしごとするのやめなよ。体に悪いのに。」
「もちろん、分かってるんだけど、こういう時に限って、良い考えがひらめいちゃうんだよ。」
「はぁー、まぁいいや。
それで、何かあったの。」
「実はね、ロっちゃん、明後日から~じゃなかった。
明日から学校でしょ。それなのに家に忘れ物しているから、知らせしなきゃと思っていたのよ。」
「忘れ物?、何かあったっけ?」
「こんな大事なもの忘れるなんて、私はロっちゃんがこれから独り暮らしできるか心配だよ。」
「そんな大事なものって何かあったかな?」
「それはね・・・
パパとママとロっちゃんが映ったロっちゃん初めて立てたね。おめでとう!記念写真だよ。数ある家族写真から厳選に厳選を重ね、これから独り立ちしていくロっちゃんが成長していけるように、ロっちゃんが初めて独り立ちした時の写真を、加工、拡大して額縁に飾った写真だよ。
これがないと寂しくて死んじゃうと思って、引っ越しの荷物に忍ばせていたのに、今見たら、家の隅っこに置き忘れてたよ。本当にうっかりさんだね。」
「はあー、やっぱり、ママが元凶か。
勝手に変なもの入れないでよ。後、子供じゃないんだからそんな写真はいりません。てか私の写真何枚あるのよ。」
「何言ってんの、私からみたら、いつまでもロっちゃんは私の子供よ。いい、こういう家族写真は今撮っとこないと、年取ったとき、後悔するものなのよ。」
「そんなこと知らないよ。
そんなどうでもいいことで電話してきたならもう切るよ。今日、町を探検しに行くんだから。」
「ごめんちゃい。さっきのは。冗談だから。(まぁ本当は冗談じゃないけど・・・)
えーと、制服だよ、制服。
仕立て直し終わって、もうそっちに届けちゃっているからその報告のために連絡したんだよ。」
「やっとできたかー。待ちくたびれたよ。
それでどこに届いたの。お店とか?」
「町の南の裏通りにある雑貨屋さんだよ。」
「なんで、そんな店に届くの。」
「大事なものだったから、安全面を考えてそこにしたんだよ。
あと、その店の店長さんとお友達なんだ。
詳しい場所は今メッセージ送ったから確認しといてね。」
このママと友達ってなかなか変わった人だな。
なんか寒気がしてきた。
大丈夫かな。
「了解。買い物帰りにでも取りに行くから。
じゃあ、出かける準備するから切るね。」
「あーちょっ、」 ぷつん
あ、何か言いかけてたけどまぁいっか。
さーて、ママのせいで二度寝する気もなくなったし、出かける準備でもするか。
切れちゃった。
最後に言わなきゃいけないことあったんだけどな~。
まぁ
ロっちゃんならなんとかなるでしょ。
よし、とりあえず、ダーリンの朝ごはん作らないと。
私は、
愛しのダーリンをのために、工房に籠ってた、疲れをとるため、伸びをした後、
キッチンへと向かいながら、心の中で、娘へエールを送るのであった。
ロっちゃん。
そのお友達、いたずら癖があるけど、頑張ってね。




