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アルバイト始めさせられました

よろしくお願いします。

「騙されたぁぁぁぁ!!!」

 私は周囲の視線をものともせず、ただ叫んだ。

 だって、叫ばずにはいられかった。

 この気持ちを叫ばずにはいられなかった。

 でなければ、この心が荒ぶり、何をしてしまうか自分でも想像できなかったから。

 

 今思えば、人生最悪の日というのは今日のような日を言うのだろう。

 今日の朝にママから連絡がきた時から、最悪な日は始まっていたのかもしれない。

 田舎の村から必死に勉強し、この国で2番目に栄えている都市の魔法高校に合格。

 気持ちを高揚させ、新しい場所で、新しい友達を作り、都会の女子高生魔法使いとして華やかな生活を送る予定だった。

 そう過去形だ。


つい先ほど、あの店で起こったことのせいで華の高校生活の第一歩を踏み外してしまった。

 つい1時間前まではこの道を口笛吹きながらスキップしていたというのに・・・

 

 時間を戻せるなら、そんな陽気な気分であの店に行こうとしている私をぶん殴ってやりたい。

 いや絶対ぶん殴る。できないけど。

 

 私って、ほんとにバカやろうだよ。

「はぁー。」

 私は今日何度目かわからない溜息を吐いた。

 

 顔をあげ、今私が歩いている夕焼けに照らされた街を見渡した。

 多種多様な種族が歩き、空を飛んでいる。

 多くの種族が生活している都会にあこがれ、心がわくわくした。

 猫は地面の中を移動し、花や魚は空を飛び、ゾンビも街中を歩いている。

 こんなごちゃごちゃな世界の都会にあこがれ、田舎から上京した。

 すべては夢現ゆめうつつの幻。

 

 先ほどの出来事で、夕焼けのように華やかに見えるはずの街並みが全て、うっとうしく思えてしまう。

 

 「なんで都会ってこんなに混雑しているの。

  あ~、もぉ~、混んでて家に帰れないし。

  こら、猫、突然地面から出てくるな。

  ふんじゃったらどうすんの。

  痛い、誰かの角あったんだけど!」


 雑踏の中を歩きながらそんな悪態をついていると自然とまた、ため息が出た。

 なんでこんなことになったのかな。

 つい先ほど起こった出来事を振り返りる。

 

 私、L・L・ロレッタは頭の中で笑うくそ女のことを思い出した。

 私の楽しかった一日を壊した女。

 その顔を思い浮かべただけで、怒りが込み上げてきた。

 

(明日絶対に

 絶対に

 顔面に

 私の渾身の魔法ぶちまけてやる。)



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