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第2話



「テイマーズ&モンスターズの世界……?」


「ええ、正確にはテイマーズ&モンスターズで行われていることを随時フィードバックし、構成されている世界なんですけどね」


 見慣れない森の中、葉月の問いに目の前の執事服の女が答える。その女はスラッとしているモデル体型な上、中性的な顔をしており、身体の凹凸もどちらかというと平坦なため、長髪でなければ美青年で通るような印象を受けた。


「フィードバック?」


「はい。フィードバックです。……まぁそれについての説明は恐らくこの記録に残されているからそちらに任せましょう。………あ、すみません。まだ自己紹介をしていませんでしたね。初めまして。木津原葉月様。私の名はメフィ。貴方様のご両親である霜月様と弥生様から貴方様のサポートユニットとして仕える大命を仰せ仕ったモノで御座います。以後お見知り置きを」


 何もない空間から大きなタブレット端末のような物を取り出した後、女ーーメフィは深く頭を下げながら自己紹介をする。

 葉月はそれを見て一度唖然とした後、ふと我に帰りまくしたてる。


「あのバカ親達を知っているのか!? それにサポートユニットって何だ!?」


「まぁまぁ、落ち着いてください葉月様。とりあえず貴方のご両親からのメッセージ記録がありますので、先にそれを見てから尋ねてくださいませ。……それでは、再生しますよ」


 言葉と共にメフィと名乗る女はタブレット端末を操作する。

 そして、彼女は何やら操作を終えた後、葉月に向かってタブレット端末を掲げる。そこに映っていたのはーー、


『久しぶりだな。葉月』


「!?!? 親父、お袋!?」


 無精ひげを生やした男性と勝ち気そうな笑みを浮かべている女性ーー木津原霜月と木津原弥生だった。

 彼らがいなくなって5年、いや7年程経過している筈だが、葉月の目の前に映し出されている二人は消えた時から老けた感じが見受けられない。

 だが、今の葉月にはそんなことを疑問に思う余裕すらなかった。


「おい、親父! お袋! 人のこと放置してなにしてんだよ!?」


「葉月様。これは過去に記録された映像ですから、返事が帰って来ることはありませんよ?」


 端末を掴み、食いかかる葉月をメフィがたしなめる。

 それにより葉月が端末から手を話しうなだれると、端末から狙ったように言葉が響く。


『恐らく、今、お前はメフィにたしなめられているといった所だろう。…まぁ、お前が怒るのも無理はない。すまなかったな葉月よ。だが、きちんと育っていると聞いて安心したぞ』


 言葉と共に端末の中で二人が頭を下げ、謝罪の言葉を口にする。

 その光景を見て、葉月は固まってしまっていた。

 口をパクパクとさせながら、小さくボヤく。


「何だよ………悪いと思ってるなら…会いにこいよ……」


 空しく響く言葉に感情が乗る。そして、同時にこの感情を直接ぶつけたいという思いが葉月の中で膨らんでくる。

 しかし、そんな葉月の思いすら読んでいたかの如くタブレットに映る二人の内の女の方が言葉を紡ぐ。


『貴方は今会いたいと思っているでしょう? 私達だって会いたいわ。けれど今すぐ会うことは出来ないの。何故なら現在、私達は貴方の今いる世界、No.4026の創造神として存在しているから』


「ーーーー神だ…と!?」


 かみ、カミ、神。いきなり出てきた単語に葉月は驚愕する。

 そして、驚愕する葉月を気にすることなく、今度は男の方が話し出す。


『お前の前から俺達が消えたあの日、俺達はお前が暮らす世界の創造神と、数多の平行世界を束ねる最高神の手違いで運命の環から外された。ーーつまり、死んだんだ』


「ーーー!?」


『だが、最高神を脅し、いや、説得して俺達は神並の力を手に、問題が起こっているという異世界を救うことを条件に転生した』


「ようするにテンプレートな転生モノって奴ですね」


 メフィと名乗る女が補足するように話す。


『その問題ってのが、その世界の創造神が狂気に染まり、魔物を大量に生産して人類を滅ぼそうとしていた事が原因でな。俺達は仲間や、改心した魔物達とともに戦い、何とか神を打倒したわけよ』


『そして、その功績を持ってしても元の世界に戻せないとか言っている最高神から、私達は報酬としてこの世界と神格をもらい創造神として君臨し、ある計画を行うことにしたのよ。いつか貴方をこの世界に呼び、楽しませることが出来ると共に、山積みになっている問題を解決出来る計画を』


 葉月が楽しめること、始めにメフィと名乗る女が言ったこと、少しずつピースが揃っていく。


『その計画の名は楽園計画。人と魔物の共存する世界の創造。…旧創造神が作った魔物達はその特異性故に平和になった異世界の中で居場所を無くしていた。だが、作り出されたモノに罪は無い。だから、俺達はまだ出来て間もないこの世界に魔物達を移し、人と魔物の共存する理想郷を作ろうとした。』


「………」


『けれど、魔物達も住める世界に世界全体を構成し、共に暮らす人類を創ろうとした時、私達は一度挫折することになる。………何故なら私達、ううん、どの世界の人類達も、魔物と共存する概念を持っていなかったから』


 魔物と共存する。それはどのようなことなのか、確かに葉月にもイメージを湧かせることは出来なかった。

 例えば、犬や猫や兎と生きるというのはイメージは出来る。だが、仮に魔物がライオンや熊なら、共に生きるより、まず命の心配をしてしまうだろう。


『さらに魔物達にも同じように問題があった。旧創造神が創りだした魔物達にはただ暴れるという概念しかなく、自我を確立できたのは少数だった。そのため、旧創造神の狂気、怨念が空っぽの魔物達に移り、結果的に凶暴化してしまったのだ。……そして、その取り付いた怨念は手間がかかることに俺達の手で直接手を下そうとすると活性化し、より強く蠢き拡散するという性質を持っており、俺達は第三者に浄化を頼むしかなかった』


「………」


『そんな人間と魔物の二つの問題に手詰まりに陥った状態の私達は試行錯誤の末、発想を変えることを見いだした。……すなわち、始めから魔物と生活するのを当然と思い、浄化の道具を持たせた魔物達と人間が協力して凶暴化した魔物達を倒し、強くなっていく。そんなゲームのような世界、いや、むしろ、元の世界のゲームで溢れかえっている設定を参考にすればよいと』


「まさかそれが…」


 葉月の声に驚きの感情が含まれる。


『…ならば人間が動かすゲームのキャラクターをそのままこの世界に反映、フィードバックをするシステムを作り、世界を構成して行けばよい。そういった考えが生まれ、貴方達の世界でこの世界と全く同じ世界を画面に映すゲームが作られる。それがーー』


 母親、弥生の言葉を聞きながら、葉月も自然と口が動き始める。まるで、パズルのピースがはまっていくように。


『『「テイマーズ&モンスターズ」』』


 父、母、子の三人の口から同時に同じ言葉が紡がれる。

 そこに葉月はいなくなってから感じたことの無かった家族の繋がりのようなモノを感じ、胸が熱くなる。


『あのゲームは、転生した異世界で会った界を渡ることの出来る俺達の仲間、それにスポンサーになってくれた義姉さんや様々な協力の元で作られ、現在、予想以上の成果をあげている。おかげでこちらは世界を司る創造神の神格を持つモノ二人がかりでも手一杯といった有様だ』


 苦笑いをする父、霜月。そこには苦笑と共に自慢げな感情が見え隠れしていた。


『だが、お陰で俺達は楽園計画を無事進めることが出来、こうしてお前をこの世界に連れてくることが出来た』


 霜月の言葉に同調して、母、弥生も自慢げに笑みを浮かべる。


『葉月、貴方は覚えてるかしら? 貴方に何が欲しいかと昔聞いた時、“ゲームの世界に入ってみたい”と言ったのを』


「………ああ、覚えてる。今だってずっと入ってみたいと思ってたさ」


 返事が来ないのはわかっている。だが、葉月は言葉を返さずにはいられなかった。

 なんとなく彼らの意図が読めたからだ。

 すると画面上の二人は満面のドヤ顔で声を揃えーー、


『『どうだ? 葉月。お前の親はお前の願いを叶えたぞ!!』』


 嬉しそうに言葉を放った。 そこにある笑顔はまるで、いたずらを自慢する子供のようであり、葉月は自分の親がどういう人間かを思い出す。


「………そうだったな。……そういや、あんたらは大人のくせに昔から中身は子供だったな」


 溜め息と共に葉月は頭を掻く。


「………ありがとよ。俺の願いを叶えてくれてさ。感謝するよ。……けどやっぱ人に何も言わずに放置してた件は許せねぇ。絶対一発ぶん殴ってやる!!」


 画面に向かって睨みつけ、吠える葉月。

 すると、画面上の霜月が話し出す。


『恐らく俺と弥生の子なら放置していた事にキレている頃だろう。……神は下界のモノと関われない。その規則があるため会うことは出来なかった。それに関しては繰り返し謝ろう。すまないな』


 過去の記録なのにまるで見ているかのように話す親達。


『………で、だ。実はこの世界なら会う方法があると言ったらどうする?』


「…………はぁ!?」


 驚愕する葉月。その様子など知らぬ存ぜぬな態度で弥生が話す。


『この世界を創るにあたって、細かい調整をしてくれる仲間、例えばそこにいるであろうメフィといったモノとの連絡は必要不可欠だったの。それにあたって、私達は特例で神と謁見する場の作成権を最高神から手にいれたの』


『そこに行けば、この世界に来ているお前は今すぐにでも私達に会う事が出来るだろう。だがーー』


 霜月も弥生もニヤリと笑みを浮かべ、


『『せっかくゲームの世界に来たのだからそれでは面白く無かろう?』』


「ーーーッ!?」


 葉月の心が揺さぶられる。あまりにも多くの事があって忘却の彼方に飛びかけていたが、葉月はそもそもテイマーズ&モンスターズをやるつもりだったのだ。そして確かにここはゲームの世界。両親の言うことももっともだった。


『だから、私達は貴方がこの世界に来たらすぐに、ゲームにアップデートの告知を出させます。新たに未開地域の深奥に住まう七人の魔王に会い、全ての試練を乗り越えた人だけが神に会うことが出来るというメインストーリーを盛り込むという内容で』


 心底楽しそうな笑み弥生が言う。そして、その肩に手を乗せ、霜月も笑みを浮かべ、話し出す。


『葉月。お前はこの世界を楽しみ、困難を乗り越え、俺達に会いに来い。この世界にいる限り、俺達はお前を見守っている。俺達は試練を乗り越えたお前が殴りにでも来るのを楽しみに待っていてやるよ』


 画面上から響く言葉はリアルタイムのものでは無いけれど、葉月のことを見守る親としての思いを葉月は感じた。

 そしてーー、


「へっ!!面白いじゃねーか。………いいぜ。あんたらの作った世界を最高に楽しんで、最高の気分で殴りに行ってやらあ!!」


 両親譲りの笑みを浮かべながら、右腕を突きだし葉月は吠える。

 その様子をタブレットを掲げるメフィと名乗った女は嬉しそうに見ていた。


『これで、俺達からのメッセージは終わりだ。なお、相変わらず説明書を読まないのかどうかは知らんが、ログアウト中の魔物の世話をするサポートユニットの役割を本人の希望によりメフィが行うことになった。その為、詳しいことは彼女に聞くといい。………ただし、サポートだからってエロエロなことばかり要求しては駄目だぞ。俺だって我慢………スミマセン弥生サン、ナンデモアリマセンゴメンナサイ………ギャー!?』


 衝撃音がSEとして響きながら、タブレットに映し出された映像が終わりをむかえる。

 何も映し出さなくなったタブレットを再びどこかにしまった後、メフィと呼ばれる女が口を開く。


「以上で記録は終わりです。………それで葉月様。私はどんなエロエロなことをすればよろしいのでしょうか?」


「しなくていいにきまっとろうが!!」


 葉月は全力でツッコミを入れる。手首のスナップがいい感じに効き、綺麗に決まった。

 そして、不満げにえ~、とか言いながら口を尖らせる女に葉月は尋ねる。


「それで、メフィ…さんと言ったか。これから俺ははゲームの世界で皆と同じ様に過ごしたいんだが、どうすればいいんだ?」


「気軽にメフィと呼んでくださいませ葉月様。…そうですね。では、キャラクターメイキングから始めましょうか。容姿、名前はどのようにいたしますか?」


「容姿は変えようがないだろ。名前は実名じゃマズいんじゃないか?」


「いえ、あくまでもゲームとしての画面上に映し出される貴方を作るところなので、ある程度好きにいじれますよ? 後名前も確かにゲーム情報としては変えた方がいいかもしれませんね」


 先程とは違うタブレット端末をどこかから取り出し、いろいろ調べるメフィ。

 おそらく、アレを使って、テイマーズ&モンスターズにおける俺のアバターデータを登録するのだろう。


「じゃあ、髪の色だけ変えておくか。赤髪かなんかにしておいてくれ。あと名前はそうだな……アウグストで頼む」


「了解です。それにしても葉月だから八月と来てアウグストですか。捻りがないですね。もっと厨二病全開で行ったらどうです?どうせそこ使うならシーザーとか??」


「名前負けしそうでなんか嫌なんだよその名前。それに俺はゲームで名前付ける時はいつもそれにしているからそれで頼む」


 メフィはアウグストだって名前負けしてる気がしているんですけどねぇとぼやきながらも、タブレット端末に色々打ち込んでいる。


「……はい、無事に出来ました。それで、次は初期の所属国選択なんですけどもう決めてありますか?」


「いや、そもそも3つの国のどれかに所属するということしか知らねえ。どんな違いがあるんだ??」


 葉月の言葉に溜め息をつくメフィ。そして、タブレット端末をいじり始める。


「ふう、霜月様が“あいつたぶん説明書とか読まねえから、基本事項はわかりやすくまとめた方がいいぞ”と言われましたが、まさかほんとにそうなるとは…。…まぁいいです。葉月様。こちらをご覧くださいませ」


 メフィの言葉と共に空間に液晶のディスプレイのようなモノが現れる。

 それを葉月が感心しながら見ると、何やら色々文字が書かれていた。



○●○●○●○●○●○


・バルタザール王国


 マギ大陸東方に位置する王国。


 初期に受け取れる魔物は昆虫系、狼系、死人系


 国のスタイルは半自然、半機械のオーソドックススタイル




・カスパール帝国


 マギ大陸北方に位置する帝国


 初期に受け取れる魔物は蛇系、子鬼ゴブリン系、人形パペティアー


 国のスタイルは完全機械一辺倒のメカニックスタイル




・メルキオール教国


 マギ大陸西方に位置する宗教国家


 初期に受け取れる魔物は猫系、スライム系、妖精系


 国のスタイルは反機械、自然と融和のナチュラルスタイル





○●○●○●○●○●○



 メフィがまとめたとおぼしき表は大変見やすく、葉月も納得したかのように頷き、メフィに尋ねる。


「すごくわかりやすくて助かったぜ。ただ幾つかわからんのだが、この世界はどんな形状になっているんだ? あと国のスタイルってのは何だ?」


 葉月の言葉を聞いて、メフィはタブレット端末に再び何かを打ち込む。すると先程出た表が消え、代わりに中心に巨大な山を持ち、周りを黒く塗りつぶされた大陸が書かれた地図のようなモノが宙に表示された。


「誉めていただけると作ったかいがありますね。……さて、では一つ目の質問の答えなんですが、こちらの地図をごらんください。この世界はマギ大陸という巨大な大陸により構成されており、中心に霊峰を持ち、霊峰の周りを先程の三国と、海が囲んでいます。また、それらを取り囲むように黒く塗りつぶされていますよね? そこは未開地域と呼ばれ、今のところ地図に表示出来なくなっています。そして、そこのどこかに霜月様と弥生様に会うために会う必要のある魔王達の居住区や、ゲーム性を高めるために魔物達が管理するダンジョンなどがあります。……ここまではよろしいでしょうか?」


「………ああ、大丈夫だ」


 葉月の返事に満足そうにうなずいた後、メフィは再びタブレットを操作し、違う映像を出す。

 今度は何枚か違う建物のようなものが映しだされる映像が宙に表示される。


「次に国のスタイルについての説明をさせていただきます。今映し出されているのは、これから貴方に与えられる、魔物を飼育し、行動の拠点になるホームポイントであるファームの映像です。見てお分かりの通り、多くの種類が有りますよね? これは国には機械に頼る所や、自然と融和を目指す所といったようにそれぞれ指針のようなものを持ち、プレイヤー達が与えられるファームにはその指針に沿った設備等を追加することが出来、映像に出されているような様々なファームを作ることが出来るといったものです。…っと説明としてはこんな感じでしょうか?」


「ああ。大体理解出来た。けど、機械とか自然って具体的にどういう特色があるんだ?」


「そうですね、例えば進化についても差違が生じます。機械に特化した帝国の場合、自然に進化するだけでなく、条件を満たしたならば魔物と機械を融合した進化、いわゆる融機獣サイボーグとなることが出来ます。一方、自然に特化した教国の場合、条件を満たしたならば、魔物と魔物の融合した進化、いわゆる混血獣ミックスブラッドとなることが出来ます。その点では王国には2つの進化を可能とする設備を置くことが出来ますが、最終的な設備の良さは特化した両国に負けるといったところですかね」


 それを聞き、葉月は考える。男心としては融機獣は色々と燃える何かがある。だが、混血獣も捨てがたい。

 そうやって一頻り悩んだ後、葉月はどこの国にするか決めた。


「じゃあ俺の初期所属国はバルタザール王国で登録を頼む。色々手広く楽しみたいしな」


「了解です。 …………はい! 登録完了です!! これでキャラクターメイキングは以上です」


 タブレット端末を操作し終え、再びどこかにしまうメフィ。


「それでは、いよいよゲームの世界、バルタザール王国、王都に向かい、テイマー登録と、魔物やファームの受け取りに向かいたいと思います。心の準備はよろしいですか?」


「ああ、頼んだ!!」


 爛々と目を輝かせ叫ぶ葉月。それを見てメフィはにこりと微笑んだ後、指を鳴らす。するとーー、


「!?!?」


 葉月の部屋着のジャージがシャツの上にベストを羽織り、細身のズボンを履いた服装に変わる。


「それでは、葉月様の服装をバルタザール王国用一般服Aに変更し、王都に転移します。多少気持ち悪いと思いますが、我慢してくださいませーー」


 メフィの言葉を聞きながら、葉月の視界が歪んでいく。

 そしてーー、


「いらっしゃいませ~。バルタザール王国テイマーズギルド本部へようこそ~」


 視界が戻ってきた葉月の目に映ったのは、石造りの建物の内装と目の前のカウンターらしきものの奥にいる女性の姿だったーー。

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