作戦会議?
それからはウィリアム達の騎士の訓練を見学したり、街へ買い物に行ったりと久しぶりに大好きなウィリアムとの時間が過ごせてアンは大満足だった
「暗くなってきたしもうそろそろ帰る時間になってきたね」
「いやよ!まだまだお兄様と一緒にいたいわ」
「だめだよ、遅くなるとお父様が心配するだろ?」
アンはいっつもこの時間が嫌いだ
ウィリアムと別れる時間
「もうすこししたら毎日一緒にいられるようになるから、それまでの我慢だよ」
「・・・・そうね。それじゃあね、お兄様」
もう少し一緒にいたい気持ちを我慢してウィリアムに抱きつくと大人しく馬車に乗り込み、屋敷へと帰っていく
ウィリアムは馬車が見えなくなるまでその場で見送っていると、すぐそばの木陰からレオナルドが出てきた
「はぁ〜、レオナルド王子そんな所でなにやってるんですか」
盛大なため息をつくウィリアムにレオナルドは眉根を寄せる
「今は2人きりだ。普段道りでいい」
呆れた顔で頭をかくと素早く周りを見渡した
「そうだな、それよりも俺のアンはどうだった?」
「お前のではない。だが・・・どうやら俺は嫌われているようだ」
苦笑いするレオナルドの肩を叩く
「アンは"あの約束"を覚えてないのか?」
「・・・・・・あぁ」
「それどころかレオの事覚えてなかったんじゃないか?」
意地悪そうに笑うウィリアムを睨み付けると頭を抱えてしゃがみこむ
「俺はどうしたら・・・」
「う〜ん、アピールが足りないんじゃないか?」
「そんなはずはない。屋敷へは毎日かよっている」
流石にここまで悩んでいるレオナルドを不憫に思ったウィリアムは軽くアドバイスを試みた
「押して駄目なら引いてみろって言うよな」
「・・・」
「アンは大事な妹だから、いくらレオでも傷つけたら許さないからな」
「・・・お前達は兄妹のくせに仲が良すぎなんじゃないか?」
「当たり前だろ、兄じゃなかったら俺がアンと結婚してた」
肩をすくめるウィリアムに本気で白けた目線を送ると顎に手を当てて考え込む
「・・・引くのも悪くないかもな」