表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

恋のライバルⅣ


「あ、あった―!!」



あれだけ必死に探していた本が見つかった嬉しさに思わず大声をだしてしまった



その声を聞き、飛んできたジャックに向かって見せびらかすように本を突きつける



「これでしょうっ!?やっと見つけた!」


「そう、それだ!やったなアン!!本探しはもう終了だ!」




「やったぁ!見つかってよかったわ、もう何時間も探したもの!」



大きなため息をつき、固まっていた体をぐーっと大きく伸ばす



「本当だな、あ〜首が痛い」



首の関節を鳴らすジャックにアンは苦笑いを浮かべた



「・・・首、揉んであげようか?」



少し驚いた顔で弾かれたように振り向くジャックにアンは少し慌ててしまう



「な、なによ?」


「・・・いや、そんな事できるのか?」


「昔からお兄様のマッサージとかしてたから得意なの。ほら、うしろ向いて」



首筋に少し冷えたアンの手が触れるとその冷たさに一瞬体がびくついたが、揉み始めるとどんどんリラックスしていった



「・・・すっげー、きもちいい・・」


「でしょ?お兄様も私のマッサージが一番って誉めてくれるのよ」


「お前本当にウィリアムの事好きだなぁ」


「当たり前よ、そういえばジャックはお兄様と仲がいいのね」


「あぁ、俺とレオナルドとウィリアムは幼馴染みみたいなもんだからなー」


「えっ?」



マッサージしている手を止めるとジャックが不思議そうにこっちを振り向いた



「あれ、知らなかったのか?まぁ俺がウィリアムと仲が良くなったのはあいつがレオナルドの友人って知ってからだしな。レオナルドとウィリアムはそれ以前からの仲らしいけどさ」




レオナルド様とお兄様が?



「ふ、ふたりはそんなに仲がいいの?」


「まぁな〜、ウィリアムはレオナルドの専属護衛だしな」



初めて知った事実に困惑していると聞きなれた声が聞こえてきた



「・・・何やってるんだ?」



声の方へ視線を向けるとまさに今噂をしていた人物が



「・・・レオナルド様」








――――――――――――




アンの様子がおかしかった


俺に会いに来てくれたのが嬉しくて頬が自然と緩んだけど、アンの顔が少し強張ったのを見て一気に不安になる


アンかと思って私室に通した客はミランダだった


ミランダと俺が会う約束をしてたと勘違いしたアンの誤解を解こうとしたが、アンが最後に見せた笑みで何も言えなくなる


感情の読めない上辺な笑顔


その笑顔が気になってアンを追いかけたらジャックと楽しそうに笑ってた


無償に腹がたつ


ジャックに向けられた自然な笑顔が無償に羨ましい















「お、おぉ!レオナルド」


「・・・・」



無言のレオナルドに居心地の悪さを感じたアンはジャックの首から手を離す


ジャックもまるで見られてはいけない場面を見られてしまったように、若干挙動不審だ



「今アンに本を探すのを手伝ってもらったんだ!そ、それでな、首が固まって痛かったからマッサージを・・・」


「・・・そうか」



レオナルドはアンを黙ったまま見つめる



「・・・具合が悪いと聞いたが」


「・・・えぇ」


「――心配していたが、ジャックの本探しに付き合っていたのなら、あまり体調が悪い訳ではないのだな」



何と返事をしていいか分からず口をつぐんだままのアンに、小さく微笑むとレオナルドは大きなため息をついた



「2人の邪魔をして悪かったな、俺は仕事が残ってるから部屋へ戻る」


「レオナルド!全然邪魔なんかじゃ・・・」



ジャックの言葉を無視してバタンッと大きな音を立てて閉めた扉にアンの肩がビクッと震えた



「・・・あ〜ぁ、ありゃ完璧拗ねたな」


「・・・拗ねるって?」


「俺とアンの仲にだよ、2人きりで本探してマッサージしてもらってるのが羨ましかったんだろ」


「さぁ?どうかしらね」


「・・・」


「レオナルド様はそんな事じゃ拗ねないわよ」


「・・・アンも素直になれよ、本当は具合なんか悪くないんだろ?」



「それは・・・」


「レオナルドとミランダが会っていたのを見て少し気まずかったとか?でもな、あれは会う約束をしていたわけじゃなくて、ミランダが一方的に会いに来たんだ」


「・・・別に会ってるのが気に入らなかった訳じゃないわ」



―――少し寂しさを感じただけ




「まぁ何にせよ、レオナルドの機嫌を直さなきゃな〜」



少しめんどくさそうに頭をかくと椅子から立ち上がる



「俺はこの本を親父に届けにいかないと行けないからアンは庭に出て待っててくれ」


「庭?」


「あぁ、ここの中庭は最高だろ?そこでお茶でも飲もうぜ」




図書館から出てしっかりと鍵を施錠すると、廊下にいたメイドにお茶の準備をするように頼む



「じゃあすぐに行ってくる、また後でな〜」



手を振り去っていくジャックを見送ってアンは中庭へと向かった



最近、放射能の事が心配で心配で・・・

でも今日テレビを見れば自衛隊や救助隊の方々のおかげで、なんとか原発の機械に電気も復旧する事ができ、ひとまず危険な状態を回避できたとか。


本当に自衛隊と救助隊の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。


自分が被爆するかもしれない。という恐怖の中、日本のみんなの為に頑張ってくれてありがとうございます。


涙を流しながら記者会見をする自衛隊の方を見て涙がこぼれた


自分に出来ることは節電とか募金とかしかないけど頑張りたい!って思った


みんなで頑張っていきましょう!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ