気持ちの変化、胸がドキドキ!?
さっきからリノアがちらちらこっちみてるわ、そりゃそーよね。いつも優しく可愛らしく美しい仮面を被ってる私がこんなにもイライラしてるなんて、珍しいものね!!
アンは気持ちを落ち着かせようと庭でお茶を飲んでいるが、昨日のイライラは全然収まらない
「お、お嬢様?どこか気分でも・・・」
「いいえ!全然悪くないわ!」
「し、失礼いたしました」
リノアに八つ当たりしてしまったぁあ!違うのよ、リノア。あなたが悪いんじゃないわ、悪いのはレオナルド王子なのよ!あのくそったれがぁぁぁあああ!!
顔を真っ青にして側に控えるリノアに謝ろうと振り向くと、なんだか向こうの方が騒がしい
ん?もしやあれって・・・
ここにいるはずのない人の姿にアンは固まる
「アン!!」
行く手を阻むメイドを押しきってレオナルドはアンの前に片膝をつくと右手を左胸にあてる
「俺が悪かった、許してくれ」
突然の出来事に頭がついてこない
え?まって。なんでここにいるの?てか、悪かったって?許してくれですってぇぇええ!?
目の前にいるレオナルドを睨み付ける
「王子様ではありませんか、今日はどのようなご用件で?」
「昨日の事だが・・・」
「あぁ!ミランダ様との婚約おめでとうございます。王子様は誰にでも簡単に好きだと言ってしまわれる方だったんですね」
「違う!それは誤解なんだ!」
「誤解?昨日はとても仲がよかったではありませんか」
「それはっ・・・」
モゴモゴと小声で何を言ってるか聞きとれない
レオナルドの顔が一気に赤くなり大きくゴホンッと咳払いをする
「とにかく、昨日ジャックが何を言ったか知らないが俺はアンにしか婚約を申し込んでないし、アン以外と結婚したいと思っていない」
・・・・・・。で、で、でも最近屋敷に来なくなったし、ジャックがミランダ嬢の所に通ってたって・・
改めてプロポーズをされると恥ずかしい。今度はアンが赤くなる番だ。聞きたいことはいっぱいあるが、口に出すのを戸惑う
「確かに、伯爵邸には通っていたがミランダに会いに行った訳じゃない。ロートナー伯爵に用があったんだ」
・・・レオナルド様って人の心読めるのか?
「アンは俺に怒ってるか?」
レオナルドは少し口を尖らせ、心配そうな顔でアンを覗き込む
その瞬間迂闊にも胸がきゅんっと来てしまった
「え、えっと・・・もう怒こっていませんわ」
レオナルドは心から嬉しそうに笑うと、立ち上がってアンの両手をつつむ
「よかった!アンと仲直りができた。許してもらえなかったらどうしようかと思ったんだ」
ちよっと!ち、近いわ!そんな笑顔で見つめられるとっ・・・!!
レオナルドの体をどんっと突き放す
「ア、アン?」
「失礼しましたっ!!あまりにも、その・・・」
真っ赤になってうつむきゴニョゴニョ言っているアンを不思議に思っていると、側に控えていたリノアがレオナルドにお茶を入れる
「レオナルド王子様、せっかくですからお茶をどうぞ。お嬢様もおかわりをいかがですか?」
ナイスフォロー、リノア!
リノアに心から感謝してお茶のおかわりをもらう
「まともに喋るのは1週間ぶりだな」
「え、えぇ。王子様は忙しい方ですものね」
「せっかく仲直りしたんだ、レオナルドって呼んでくれ」
「・・・レオナルド様」
恥ずかしい!!なんでだろ?今日はすごい胸がドキドキするわっ
心底ほっとした表情になったレオナルドはアンの髪を一束手繰り寄せる
「・・・ずっと会いたかった、やはり1週間というのは長いな」
ぼんっっ!!とアンの頭から湯気がでる
も、もうむりっす。
そのままアンは勢いよく立ち上がる
「申し訳ありません、レオナルド様。今日は少し気分が悪いので失礼しますわ!!」
言うが否やぽかん・・・とした表情のレオナルドをその場に残してすばやく走り去っていった
どうしたねかしら!?あたしは。胸がドキドキするわ〜〜〜!!
やっと進展アリ!!
少しだけだけどね(笑)