地獄の無限ループ
カフェで店員とお話しをする。その店員とは俺の親友。
親友と過ごすのが楽しくて、楽しくて、時間もあっという間に過ぎてしまう。
「あともう少しでバイト終わるんだろ?待っとくよ」
「いいって、大丈夫だよ〜」
「そう?」
どうせまた明日学校でも会うんだし、いっか。
家に帰るまでの三分なんて。
俺はカフェの扉を開ける。
外では大粒の雨が降っていて、俺は傘を持っていない。
「なー傘貸し…」
親友に傘を借りようと振り向くと、そこには彼の姿どころか、先ほど出てきたはずのカフェもなかった。
代わりに出てきたお婆さんを見て思い出す。彼女は都市伝説。俺は親友___死者との時間を作ってもらっていただけだったのだと。
満足しましたか?お婆さんが気味の悪い笑みを浮かべる。
親友のいない世界で生きる意味なんてあるのか。
その考えを読むかのように、お婆さんがまた俺を唆す。
「対価と引き換えに、また親友に会わせてあげますよ」
またとない良い提案だった。少なくとも俺にとっては。
そういえば、さっき親友と会った時に失った対価は何だったのだろうか。
生きる意味?希望? もう何も感じなくなっていた。
この頃には既に、取り返しのつかないものになっていたのかもしれない。
……というか俺は何回、この提案を受けているんだ?
何も思い出せない
失った対価というのは、記憶なのかもしれない。
俺はいつの間にか、カフェの店員と会話をしていた。この店員は俺の親友だ。
なぜ俺がこのカフェにいるのか、思い出すことができなかった。
でもそんなことはどうだっていい。俺は今、こんなにも幸せなのだから。
俺は思わず笑顔になる。
それは都市伝説のお婆さんと瓜二つで、気味の悪い笑みだった。




