無口な賢者を助けたら惚れられた! さんっ!
魔王城に、足を踏み入れる。
空気が、ピリついた。
最奥にいる魔王のもとへ、俺たちは歩みを進める。現れる敵も今までの敵とは一線を画していた。だが、そのほとんどを主にシェリアマールの水魔法が薙ぎ倒していく。
「ぐはっ……魔王様の元には行けん……なんたって、四天王たちがいるからな……」
シェリアマールが倒した敵が言葉を残した。
四天王だって!?
ちらりとシェリアマールに目を向けると、さすがに疲弊している。
「四天王は、俺たちに任せてください!」
思わず声が出た。
「シェリアマールさんは、出来る限り力を温存してください!」
みんなの目の色が変わる。
「四天王の一人、爆炎のロードフレイム。ここは通さん」
そう名乗った瞬間、ワルコがここは任せろと言わんばかりに前へ出る。何も言わず、背中で語る。
二人の戦いは激戦だった。
ワルコとロードフレイムが、当たり前のように空中で見えない攻防を繰り広げる。
「終わりだ!死ねい!フレイムエクスキューション!」
ロードフレイムの爆炎がワルコを包みこんだ。
だが、ワルコは耐えーーそのまま一撃を叩き込み、勝利した。
「ワルコ!大丈夫か!?」
「なんとかね……でも、ちょっと休憩させてくれないか」
そう言って、ワルコは俺にキスをし、静かに目を閉じた。
「ワルコ!」
「ワルコさん!」
「……」
「ワルコ、君の死は無駄にしない」
皆が涙し、拳を握りしめ、再び歩みを進める。
二人目の四天王が立ちはだかった。
「俺は、絶望のタナトス!俺の闇魔法に、貴様らが勝てると思うな!」
「くっ……中々厄介そうなのが出てきたね!あたしでもキツそうだ」
ワルコがそう言う。
……あれ?死んでなかったっけ。いや、生きてて嬉しいけども。
「ここは、聖なる力をもつわたしが相手します!」
テンコが名乗りをあげ、前へ出る。
「エンシェントホーリー!!」
そうテンコが叫んだ瞬間、懐中電灯を取り出し、タナトスの目の前でチカチカさせる。
「ぐわぁ!!目がぁ!目がーー」
バシンッ。
言い切る前にテンコのビンタが炸裂する。
「危なかったです!」
「だな」
続いて、三人目の四天王。
「俺は、深淵のブッシュドノエル」
「美味しそうな名前ですね……」
ごくりと喉を鳴らしながら、テンコが呟く。
(わたしもケーキ好き)
シェリアマールも指でそうなぞった。今度、買ってあげよう。そう決意する。
「俺は、折り紙を寸分の狂いなく折ることができる。貴様らに勝てるかな」
「なっ!?折り紙を寸分の狂いなくだと!?」
ノエルが大きく息をのむ。
「……ここは、騎士である私が行こう……」
なんか楽そうなところ選んでないか?そう思った。
「EXカリバー!!」
物騒な剣を、ノエルは一心不乱に振り回す。
ーー三十分後
勝敗は、ギリギリでノエルの勝ちだった。本人は半泣きである。
まあ……かわいいから、いっか。
と、みんなそう思ったのだった。
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