料理人のチャイナ娘を助けたら惚れられた! さんっ!
一週間後……のはずだったが、そんなに時間はいらなかったので、急遽翌日へと変更してくれた。
意外と向こう、優しいぞ。
そして、その時が来た。
「両チームの入場だあぁあ!」
まるで料理漫画のような会場をたった一日でおさえた向こうのオーナー。
そして、中央には三人の審査員が並んでいる。
「チーム"美味いdeath軒"!!」
歓声とともに、メイメイと俺たちは会場へと足を踏み入れた。何故か観客もいる。ノリノリで手を振る観客に俺たちは満更でもなく手を振りかえした。
「チーム"滅茶苦茶美味い亭"!!」
向こうのチームはおよそ料理には必要無さそうな筋肉を携えた男や、血みどろのエプロンを着る人物など、キャラの濃いメンツが集まっていた。
そして、どうやらルールは、五人で役割を分担しなければいけないらしい。
食材の下ごしらえ、仕上げ、応援、洗い物、配膳。
……うん、半分以上必要か?
「下ごしらえは私がやろう!」
名乗り出たのはノエルだった。
「EXカリバー!!」
剣を振り上げ食材を切り裂いてゆーー
どうやら、切れ味が悪いようだ。潰れているように見える。
「……」
それを見ながら必死に洗い物に専念する俺。
「みんな、がんばってください!」
応援担当のテンコが全力で声援を送る。とてもかわいい。
なんとかノエルが"切れた"と言い張る食材を、メイメイが引き取り、凄まじい手際で仕上げていく。
「はあぁあぁ!」
雄叫びをあげながら鍋を振るう、食材が踊る。スパイスの香りが周囲を漂う。食欲がそそる。
観客も呑まれていく。審査員も喉を鳴らす。
これなら……勝てる……。
「ワルコちゃん。あとは頼むヨ」
「任せな!」
ワルコが一歩一歩、審査員に近づいていく。
会場が静まり返る。
「あたしらの集大成。これが"美味いdeath軒"の肉料理だ!」
そしてゆっくりと蓋を開けるーー
「……ゼリーです」
「ゼリー……ですか」
審査員たちはそろって言葉を失っている。
だが、一口、恐る恐る口に運んだ瞬間ーー
「……これは、肉の旨みと野菜の旨みが見事に融合している!まさに……普通だ!」
「普通なんかい」
思わず声に出して、つっこんでしまう。
一方、向こうの肉料理ーー
"アルティメットもう二度と作れないであろうソースがかかったステーキ"は、血みどろエプロンが配膳したせいで食欲がそそらず、審査員たちはあまり食べなかった。
結果、審査は俺たち"美味いdeath軒"の勝利となった
メイメイはその場で泣きだした。
「みんなのおかげで勝てたヨ!ありがとネ!」
涙を拭ったあと、俺の頬に軽くキスをする。
「アタルの洗い物姿を見て、将来洗い物して欲しいって思ったヨ」
照れながら言われる。
洗い物をしてる姿かよ、と思ったが、かわいいし嬉しいので許した。
「私のシェフが負けるとは……見事でしたよ"美味いdeath軒"の皆さん」
向こうのオーナーが近づいてくる。
「何か叶えてほしいことはありますか?」
「もう叶ったからいいヨ!」
メイメイは腕にしがみつく。
「私は旦那が見つかったネ」
「おやおや。では式の際には、祝儀を2億ほど包んであげましょう!」
色々と勝手に進んでるが、ハッピーエンドならいいか。
俺はそう思った。
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