料理人のチャイナ娘を助けたら惚れられた! にっ!
美味いdeath軒にて、一週間後の勝負に手を貸すことになった俺、月杉アタル。学校はたぶん休みになる、そんな確信があった。
「にしても、さっきの輩……騎士として許せんな。このEXカリバーで叩っ斬る!」
ノエルがやたら物騒な剣を構える。
いや、騎士として、一般人を斬るのはどうなんだ。しかもそのなんか凄そうな剣持って、この前世紀末ヤンキーに負けてたよね……?
「あの胡散臭い男を泣かすんだな!あたしも手伝うぜ!」
ワルコは乗り気だ。
「でも、私は料理なんてしたことありませんよ?」
テンコが不安そうに言う。
「この中に料理が得意な奴はいるか?」
メイメイを除いて誰も手を挙げなかった。知ってた。
「ホントに大丈夫アルカ……?」
不安そうにメイメイが口にした。
「まず、料理勝負って言っても、なんの料理で勝負するんだろうか?ちょっと聞いてくる」
二十分後ーー
「えっと、向こうも決めてなかったみたいで、肉料理対決になりました。あと五人でのチーム戦になりました」
肉料理ーーオーソドックスだが、だからこそ奥が深い。いかに肉の旨みを引き出すか。それが勝敗を分ける。
……たぶん。
「肉料理なら自信あるヨ!!でも、私の肉料理に耐えれる肉があるカどうカ……」
料理で耐えるってなんだよ。と思ったが重い空気に誰も口を出さなかった。
「肉はあたしたちが調達すればいいんじゃないか?」
「いいですね!メイメイさんはレシピを考えててください!食材は私たちが集めてきます!」
「ホントカ!?じゃあコレを頼むヨ!」
メイメイが紙を差し出す。
・凄まじい肉
・世にも珍しいしい野菜
……抽象的すぎる。
だが、誰も文句は言わなかった。
「そういえば向こうの洞窟に"ヌシ"と呼ばれるものがいたな。あれなら凄まじい肉だろう。騎士として私が調達してこよう」
心配だから着いていこうと俺は思った。
「テンコとワルコは野菜を頼む!」
「任せてください!」
「任せな!」
そのまま二人は元気よくどこかへと飛んで行った。
ーー洞窟ーー
いつからこんなところに洞窟が。さすが南出藻蟻市だな。
洞窟にはゴブリンや巨大コウモリ、スライム、引きこもりなど、多種多様の魔物がうろついている。
「今、しれっと引きこもりいなかった!?」
「なんのことだ、アタル」
道中、スライムにまとわりつかれてノエルが無駄にセクシーになったり、ゴブリンにノエルが普通に負けたり、巨大コウモリを俺が追い払ったりして、なんとか最奥まで辿り着いた。
「ようやく着いたな。アタル、油断するなよ」
いや、ほとんど俺が頑張ってたような……。
グオオオッ!
咆哮と共に現れたのはーー
「出たな!引きこもりドラゴン!」
ドラゴンまでも引きこもりだった。
ノエルは攻撃しようとしてつまづき、涙目になってたので、なんとか俺が倒した。
「よくやったな。アタル」
そう言ってノエルはなぜか俺の唇にキスをした。
「ん……」
その後、ヒッキードラゴンを俺が引きずりながら運ぶことになった。
店に戻ると、テンコとワルコも到着していた。
口がついた気持ちの悪い野菜を抱えている。
「わぁ……すごいです!ドラゴンだなんて!」
「うむ、苦労した」
はいはい。そうだね。
メイメイは目を見開き驚く。
「野菜きもいヨ!でも、これなラ……」
反応はよくはないが、たぶんいけるんだろう。
こうして、料理勝負の準備は着々と整うのだった。
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