クノイチを助けたら惚れられた! にっ!
作戦会議の結果、夜に決行するのがいいだろうという結論に至った。
だいたいアニメとか見ると、夜に行なっている気がするから、という非常に信頼性の高い理由である。
「く、夜の道は中々危ない、私から離れるな!」
ノエルが脚を震わせながら、頼もしい言葉を言った。
いざ侵入。
まずは手本として、おなつが先に行く。忍び足でゆっくりと塀に近づき、鎖分銅を投げ、それを使い器用に塀をよじ登った。
「きゃー!! 私、忍者してるー!」
その瞬間、警備員に見つかった。みんなが慌てて塀をよじ登る。
「侵入者、侵入者! 見つけ次第排除せよ!」
警報とともにアナウンスが鳴り響く。
一体なぜこうなったんだ。
全員に焦りがはしる。
追われる俺たち、次々と集まる警備員。
ノエルが追いつかれそうな位置にいた。
「みんな先へいけ! ここは私が食い止める!」
だが、見捨てられるわけがない。
「私に任せろ!」
おなつが叫ぶ。
「忍法、魔獣操演舞の術!」
めちゃくちゃすごそうな名前とは裏腹に。
大量のハムスターが警備員の足元へと押し寄せた。
「うわぁ……かわいぃ……」
警備員たちは、次々とハムスターを愛で始める。
「うわあ、かわいいです!」
テンコ、ワルコ、ノエル、おなつ。全員がハムスターと戯れ出した。
俺はみんなを無理矢理引きずり、奥へと進んだ。
奥へとたどり着くと、EXカリバーが鎮座してあた。
ノエルがそれを装着し、後は脱出するだけだ。
だが、さらにノエルが何かを指差す。
「あれも、なんか、あれも無くした気がする。ホントなんだ!」
と、目が$の形になって、金塊を指差している。
ワルコも当然乗り気だ。
「1個くらいいいじゃん!」
と言っている。
それをテンコと俺が必死に止めていると、背後に足音が近づいてきた。
「く、卑劣な技を使いよって」
警備員がハムスターを手のひらに乗せながらそう言う。
「よく、ここまで侵入できたものです!」
拍手の音とともに、屋敷の主が姿を現す。
そして、警備員たちが一斉に俺たちに銃を向けた。
「くく、諦めてEXカリバーを置いて帰るなら、見逃してあげますよ? あなたたちもこの数の銃から放たれるBB弾を受けて、痛い思いはしたくないでしょう」
男はニヤリと笑う。
全員の額に汗が浮かぶ。
「みんな、もういい。EXカリバーは置いて帰る」
ノエルが一歩前に出て言う。
「諦めてどうするんですか!諦めたら試合がどうのこうのですよ!」
テンコも熱くなり、声を荒げる。
「そうだぜ、あたしらならやれる!」
ワルコも手を握る。
「でも、EXカリバーならガチャガチャでまた手に入る……」
ノエルが苦しそうな顔で言う。
それなら帰ってもいいんじゃないか、と思ったが俺は何も言わなかった。
「私の忍法なら切り抜けられるかもしれない……」
おなつが静かに言う。
「友情ごっこは終わりましたか? 五秒以内に決断しなければ、集中砲火します! 撃て!」
まて、五秒はどこ言った。
ダダダダダッ!
BB弾が乱射される。……痛い。
BB弾はほぼ全て俺に当たった。
アタルだけに。……うるさい。
「かわいい俺の彼女たちに当たらなかったのは、やはり俺の運のおかげ。かなりついてるぜ!」
そう言いながら、口から流れ出る血を拭う。
あばらも多分、百二十本くらい折れた。
その時、おなつが叫んだ。
「忍法!偽人変化の術!」
そう言うと、おなつはどこかに連絡をとりはじめた。
しばらくしてーー
「宅配でーす」
宅配業者によって人数分の石像が運びこまれてくる。
「な、奴らが石像に変わりました!」
「そんなバカな!?」
何故か成功したので、その隙に俺たちは脱出する。
「みんな、ありがとう。騎士の誇りであるEXカリバーも戻ってきた。礼を言う。」
「けっ、いいってことよ」
ワルコが少し照れながら言う。
「私たち仲間じゃないですか!」
テンコも笑った。
「良かった……ここで私たちはお別れだな!」
おなつが少し寂しそうに言う。
「君!BB弾から庇ってくれてありがと!俺の彼女って言ってくれたの、ちょっと嬉しかったよ!」
「名前はアタルです。じゃあホントに彼女になりませんか?」
そう言うとおなつは顔を真っ赤にする。
そして俺は、彼女をそっと抱き寄せた。
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