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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ポンニチ怪談 その98 大神の歳末大掃除

作者: 天城冴
掲載日:2025/12/31

大みそかに騒がしいニホン国。別の意味で騒がしい場所があった…

 恒例の歌番組やらバラエティ番組があふれるニホン国の年末の夜。夜更けになってもあちこちで明かりがつき、新しい年に早速お参りにいこう、どこにいこうと騒がしく、人々の声が響いていた。

そして首都の与党会館では、

「きゃああ、助けてえええ」

「ひいいい、やめろおお」

阿鼻叫喚の叫び声が響いていた。

新年に向けての盛大な集まりのはずが、閣僚はじめ、議員、重鎮、主要党委員たちが、血まみれで悶えている。おめでたい宴の場のはずがすでに凄惨な事件現場になっていた。

 与党の大物の一人ハギュウダン議員も体中が切り傷だらけになりながらうめいていた。

「く、くそおおサヨクどもの手先かあ」

“あら、失礼な。真面目が取り柄の理屈屋と一緒にしないでくださる。隣国カルト宗教にどっぷりつかったせいで、錯乱したのかしら。私たちのことがわからないなんて”

“ほんとよね。アナタ方のだーい好きな萌えとかいう恰好をして差し上げたのに。血がついちゃうから赤い袴にしたのだけど、短いと寒いわ。ほんとイマドキの輩は趣味が悪いこと”

愛らしい少女たちが袴姿、それもアニメのヒロインのようなミニの袴をはいて素足をさらした姿だが、その手には大鎌と、薙刀。いづれも赤く染まって血がしたたり落ちている。

「こ、このテロリストが…つ、捕まえて」

「そ、そうよ。わ、わたしにニホンのトップに、こ、こんな…」

瀕死の重傷を負いながら声をしぼりだすダカイチ総理に、少女は静かに

“あら?売国の操り人形が何か言っているけれど、なんのことかしら。人形にしてはできそこないねえ、みっともないし、いまだ状況もわからないなんて。やっぱり頭が空っぽだからかしら、周りに媚びて見かけだおしのせいで”

“そうよね。だいたい、こんなに叫んでも誰一人こないわよねえ。スマホとかいうもので、助けも呼んだんでしょう?それなのに…ねえ”

凍り付くような声。

 ダカイチ総理らの顔から完全に血の気が引いた。

そうだ、これだけの人数が少女たちの大鎌で傷つけられ、さらに見えない刃でズタズタにされ、泣き叫び喚き助けをよんでいるというのに。

スマートフォンで、内線電話で、SNSで助けをよんでいるのに。

警備どころか、誰もこの会館に来るものがないのはなぜだ?

この前の道路には、ひっきりなしに車がとおっていて、今も音楽番組を流しっぱなしの車が走り去ろうとしているのに?

誰も気が付かないのは、なぜなんだ?

“本当に察しが悪いこと。昔は雷一つで何が起きているのか、わかったらしいけど”

“ああ、今の連中は教養も知識も言葉すらしらないどうしようもないクズが上についてしまったのよ。本当に嘆かわしいわ。だから親神様たちもあきれてお帰りになったんでしょう”

“そうねえ。勝手につくったヤズクニとかいうとこを親神様たちより重んじただけでなく、自分らの強欲のために隣国のカルト宗教と手を結ぶなんてねえ。よくそれでこのヒのモトを導くなどと言えたものだわ”

“そこのつい最近トップになったとかいう女なんて、カルトからの金で我が民らをだましたてその座についたそうよ。そのうえ、わたくしたちを騙った似非宗教モドキから金品を受け取ったんですって、汚らわしい”

少女たちの会話を聞いてハッとした古老の議員が

「ま、まさか、あ、あんたたちは、あ、あの、か、神の…ひいいいいいい!!!」

目を見開いて、叫んだかとおもうと

「も、もうおしまいだ!!父から聞いた、あの話は本当だったんだ!穢れがたまると大いなる神の怒りが!神の裁きが下ると…てっきり自然災害のことだと…」

喚き散らした。

「ゴウノさんが錯乱しているぞ、あ、泡を吹いて」

「それより、神ってなんだよ、裁きって、…まさか、そ、そんな」

「こ、このテロが裁き?そんなわけが!」

ざわつく議員らに

“なんだ、知っている者もいたのね。書物にもよらず、口伝だけだとおもったのだけど”

“神話ですらほとんどとりあげられていませんものね、わが親神様は。でもねえ、ちゃんと裁きと祓いの神はいるのよ、この国にも。民たちには知らされずとも穢れた者たちを裁くものが”

“わたしたちの裁きは残酷すぎて語れないのよね、だからほんの一部しか知らされない、ほとんどは気が付かない。お仲間のマスコミだの、金で雇ったインフルエンサーも今はわからないでしょう。警察とかいう組織も来るはずもないわ。なぞの集団失踪とやらで片付けられるだけよ、年明け以降に。騒がられることもないわ、マスコミ連中も取り上げもしないから”

「そ、そんな、だ、誰か気が付くはず」

とわなわなとガース元総理が震える声で呟いたが

“あら、不都合な真実を隠蔽し続けた輩が何か言ってるわ。わたしたちはお前たちなぞよりはるかに隠すことが上手なのよ”

少女たちはあざ笑う。

“何万人の人々が散り散りになっても、故郷を離れる羽目になっても、あっという間に忘れるのだもの。お前たちが消えようが、マスコミが単なる一ニュースとして流すだけなら、騒ぎもしないわ。こういうときのために他の議員がいるのでしょう、何とかするわよ、彼らのほうがよほど、まともなのだし。どうせ、民たちはすぐお前たちのことなぞ忘れるわよ。ほんとこの国の民たちは、ヘタレっていうのかしら、それとも幼稚な妄想好きなお子様というか、都合の悪いことはすぐに忘れてしまうのよねえ。ほんとうにお子様だから、なかなか真実はあかせないけど”

“だからこそ、ときどきお仕置きをしてあげなければでしょ。オイタをしたらどうなるか、わからせてあげないと。こういう無知無恥で強欲な痴れ者があふれるだけでなく、この国を支配しようとするんですもの”

大鎌を、薙刀をかまえて笑顔を向ける少女たちに命乞いする議員、党員、関係者たち。

「ひいい、お許しください!トン一協会とは手をきりますからあ!」

「違法すれすれで集めたパーティ収入は返金します!!」

「SNSやらでデマを流したのは謝ります、公にします!」

「歳費を使い込んだのは返金します。い、いえ逮捕されてもかまいません!」

「そ、そうだお二方をまつります、そ、そうニホンの国の第一の神として…」

いいかけたアトウダ議員に

“うるさい老害”

バサッ

大鎌が振り下ろされ、

アトウダ議員の首がころころと転がった。

”本当に醜い“

グサッ

ダカイチ総理の胸に薙刀が突き刺さり、その体が空中に持ち上げられたかと思うと

ドサッ

ヨジムラ府知事の遺体の上に放り投げられた。

「うわああああ」

「助けてええ」

「か、いえ、仏様あ」

叫び喚く人々に少女たちはさらに冷たく

“もう、そんな謝っている段階ではないのよ。何回も何十回も兆候を示してあげても、人の言葉で伝えても理解していなかったのだし。何とかにつける薬はない、反省もないと断じられたのよ、手遅れというやつなのよ”

“そう、裁きはすでに下されたの。私たちは大掃除に来ただけなの、第一段階の。汚らわしい性根の、言葉もろくにしらない愚か者たちを祓い、この国を清めに来ただけなのだから”

「清めって、この殺戮が」

と、いった議員の首が即座にとぶ。

“だって、バカは死ななきゃなおらない、アホは死んでもなおらないなら。もうヤルしかないでしょ”

“あら、ヤルなんてはしたない。息の根をとめてさしあげるとか、黄泉に送って差し上げるのほうがよくなくて。意味は同じでしょうけど”

”そんな言葉をこのものたちが理解できると思って。わかりやすいようにサブカルチャーとかの俗語をわざわざ使ってあげたのよ“

“そうねえ、理解できるのならこんな目にはあってはいないわねえ”

“そうよ、ろくに言葉もしらないくせに人様に失礼な態度をとる、毛〇まじりの婢にわからないでしょうし”

といいながらオンノダ大臣の手足を素早く切り離す。

「ぎゃああああ」

“こやつは本当にひどすぎるから、なるべく罪を実感させろというお言葉でしたわね。そのまま、しばらく転がしておきましょう。どうせ、誰も助けにこないでしょうけど、うるさいから”

スパッ

舌を切り落とされ口を血だらけにしてあえぐ大臣。

「わあああああ」

“うふふ、まだまだこれからよ”

“そうね、年が明けるまでにすべて処理して”

“それからきっちり燃やして”

“水に流して綺麗にして、ここはおしまいだけど”

“まだまだ、穢れはおおいわねえ。年明けからまた、掃除だわ”

“ええ、マスコミだの、財界だの芸能界だのいろいろ、あとユー何とかの連中もねえ”

“この国をちゃーんと綺麗にしないとねえ、親神様たちがまた住まわれるようにねえ”

楽し気にうれし気に殺戮は続く。


熱波に地震が続きますと、そろそろヤバいんじゃないですかねえ。ま、何がおころうと周囲が無事なら気にしないですけどね、どこぞの国の民の大半は。

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