436話~そうだろう?~
人が取得できる外部情報の8割は、視覚からきていると言われている。
つまり、目を閉じてしまうと大半の情報はストップしてしまう。
それは、誰にとって大きく不利になる行動。真剣勝負の場面であれば猶更だ。だが、あえてその状況を選んだ蔵人は、それが正しかったと確信した。
目を瞑ることで多くの情報を得られなくなった代わりに、多くの情報に惑わされていた心が落ち着き始めた。
目の前でフワフワと浮かぶシンリー選手の姿が見えなくなったことで、見えていた幾つもの可能性が見えなくなり、考える時間が出来たのだ。
大量の情報は、時として人を盲目にする。だから、あえて目を瞑って考える。この薄暗い小部屋の中で、視覚以外の情報を探る。
カサリッ、ハラリッ…。
シンッと静まり返った部屋の中で、小さな音が聞こえる。
衣擦れの音。シンリーさんが纏う、漢服が擦れる音。
その音だけで、相手が何処に居るのかが何となく分かる。少しずつ、こちらを警戒しながら近づいて来ているのを感じる。
蘭の上品な香りが鼻孔をくすぐると同時、彼女の魔力に包まれる感覚を覚えた。次に、体が僅かに浮いたのを感じる。
こちらが動かないと見て、カウンター狙いから攻撃に転じたか。
試しに、やってみるか。
蔵人は、想像で作った彼女の虚像に向って、素早く右腕を突き出した。
すると、手の甲に滑らかな絹の感触を感じた。
本当に弱弱しい、僅かな感覚。だが、今まで空を切るしか出来なかった蔵人の顔には、自然と笑みが浮かんだ。
漸く、当たったかと。
【くっ…】
虚像のシンリー選手が、僅かに顔を歪めた。
やはり、彼女も攻撃が当たったことに驚いている様子。目を瞑っているから、キレもへったくれもないヘナヘナパンチだったけど、それでも彼女に当たったことは大きい。
何故当てることが出来たのか。それが分かれば、突破口が見える。
もう少しだ。
そう、確信した時、周囲を囲んでいた魔力が引っ込んだ。同時に、空を歩いていた蔵人の足が地面に着く。
予期しない不時着だったので、少しバランスを崩してしまった。
蔵人は数歩下がりながら態勢を整えて、衣擦れのする方を向く。
さて、何故目を瞑っただけで攻撃が当たるようになったのだろうか。考えられるとしたら、例えばテレパス。相手の思考を読むことが出来るのなら、こちらの攻撃パターンを予測して動くことは可能だ。ショットガンのランダム軌道まで読んだカラクリは分からないが、それ以外の攻撃には説明が付く。
もしもそれが正解なら、思考を読まれないようにすればいい。こうして目を瞑るだけでも読める思考が減るのなら、もっと意識を薄めて攻撃をするまで。
蔵人は心をなるべく空っぽにして、何も考えないようにする。
今はただ、この衣擦れと蘭の花の匂いに近付くことだけを考える。
ただ、その中心部に拳を置いて来るだけ。たったそれだけの動作であれば、勝手に体が動いてくれる。繰り返しなぞったその動作であれば、脳ではなく体が覚えている。
【ぐぅ…!】
シンリー選手の虚像が、苦しそうに息を吐いた。彼女の腹部には、蔵人の左拳が深々と刺さっていた。
それと同時に、左手の甲から暖かい感触が広がる。女性特有の柔らかさと、その内に秘めた屈強な肉体の感触が深々と伝わってきた。
クリーンヒットだ。
『捉えたぁ!黒騎士選手がとうとう、清麗選手に攻撃を当てたぁあ!』
「「「わぁああああ!」」」
【【うぇええ!?】】
感触と同時に、周囲の音も入って来た。
目を開けると、諸手を振って喜ぶ観客と、驚きで固まる中国応援団の両方が見えた。そして、目の前には腹部を押さえて後ずさりをする清麗選手の姿も。
『目を閉じたままで、見事な攻撃を見せた黒騎士選手。諦めたのではなく、どうやら集中力を増すためにやっていたみたいです!』
『あとは、心を落ち着かせるために目を瞑ったのでしょう。先ほどの彼と比べ、今は落ち着いたように見えます』
ああ、十分に落ち着いたよ。
蔵人は今にも駆け出したい衝動に駆られる。だが、それは出来ない。シンリー選手が心を読めるなら、感情的になるのが1番危険な行為。
冷静に、無心で、ただ流れのままに戦うのだ。
『悶絶する清麗選手。そこに、黒騎士選手がゆっくりと近付きます。ユラリユラリと、先程までの清麗選手を思われる歩き方です。あまりにゆっくり近付くので、清麗選手が立ち直ってしまいました』
『ですが、警戒していますね、清麗選手。先程までの余裕が無くなった様に見えます。それとは反対に、黒騎士選手の歩みには迷いがない。先程までの2人とは、まるで逆の状況だ』
『黒騎士選手の右ストレート!これは清麗選手辛うじて避ける!続けて黒騎士選手の左!回し蹴りからの足払い!まるで踊るように滑らかな動き!』
『これは演武ですね。空手と太極拳を合わせた動きに見えます』
そう。これは演武だ。
何度も練習した武術の型は、無心でも行える程に洗練されている。加えて、四肢に盾を張り付けて動きをサポートすることで、高速かつ強力な連続技を繰り出すことが出来ていた。
その動きに、シンリー選手は苦戦している様子だった。リビテーションで受け流す頻度は減り、距離を取って攻撃を避ける方向に切り替えてきた。
だが、フィールドは有限。次第にフィールドの端へと追いやられたシンリー選手は、逃げ場が無くなってきた。
そして、
『黒騎士選手の後ろ蹴り!清麗選手が被弾!続けてワンツーに連打も辛うじて手で受け止めた!』
『苦しいですね、清麗選手。元々華奢な体つきの彼女では、屈強な黒騎士選手の攻撃を受け止めるのは得策ではない。だから…』
『ああっと!清麗選手が吹き飛ばされた!そのまま、背中を壁に強打!これは痛い!勝負あったか!?』
もろに前蹴りを喰らったシンリー選手は、壁に背を着いてぐったりとした。
今がチャンスか?
蔵人は慎重に近づき、そして両拳を突き出した。
その直前、シンリー選手が顔を上げた。その瞳は、鋭く輝いていた。
あっ、不味い。
そう感じるより早く、蔵人の攻撃はあらぬ方向へと誘導されていた。
リビテーションの受け流し。
しまった!チャンスだと意識してしまい、頭の中でトドメの刺し方を想像してしまった。それを、逆手に取られたんだ。
歯噛みする間にも、蔵人の体は宙へと投げ飛ばされ、頭の方から地面へと急降下する。
不味い!これは、首がへし折れてベイルアウトだ!
何とかしないと!
「そらぁっ!」
蔵人は盾で上半身を起こし、背中に盾を敷いて地面に激突した。
「がぁっ!」
衝撃。
目の前が一瞬、真っ暗になる。その暗闇の中に、キレイなお星さまが見えた気がした。
だが直ぐに暗闇は晴れて、青い空が見えた。
盾の内側をEランクのクッションにしたので、何とかベイルアウトせずに済んだのだ。
蔵人は転がりながら立ち上がり、シンリー選手との距離を空ける。構えて、彼女の追撃に備える。
シンリー選手は追撃してこなかった。彼女もそれなりにダメージを負っているのか、荒い息を整えながらゆっくりとこちらへ歩いて来ている。
そうして一息つける時間が出来ると、先ほどの一撃に疑問を感じた。
何故彼女は、俺の盾をリビテーションで奪わなかったのだ?背中に設置したあの盾を引き抜いてしまえば、それで俺は終了だった。なのに、彼女はそれをしなかった。俺は完全に意識して、盾を作ってしまったのに。ショットガンの弾すら避ける彼女が、何故そうしなかった?
…出来なかった?
ショットガンは避けられても、クッション盾は予測できなかった?
何故?彼女は思考を読める訳ではないのか?
もしもそうなら、もっと別の何かで、こちらの攻撃を察知している…?
攻撃を、察知する。
…もしかして。
蔵人は、一つの仮説を立てる。それを確かめに、ゆっくりとシンリー選手に近づく。
再び、演武での攻撃を開始した。
『黒騎士選手、再び攻めます。先ほどはかなり危険な場面でしたが、もう大丈夫なのでしょうか?何か打開策を思いついた様には見えませんが?』
『投げられないようにと、攻撃の速度を上げているのだとは思いますが…どれほど素早い攻撃も、清麗選手の前では危険な行為です。カウンターの餌食になるだけだ』
それは、どうだろうね。
蔵人は構わず、鋭い突きを放つ。何も考えない時よりも、格段に速い攻撃。しっかりと体の動きを意識している事で、速さも威力も大きく向上していた。
そうして意識していても、シンリー選手はカウンターを打ってこない。リビテーションで己の体を引っ張って避けようとはするが、それでも被弾するようになってきた。
そして、
『ここで清麗選手も攻めに転じる!黒騎士選手の演武を手で捌きながら、鋭く一撃を突き刺しました!』
『これは中国拳法の一つ、八極拳ですね。流れるような動きで、黒騎士選手の重い攻撃を上手く受け流しながら、隙をついて攻撃を繰り出しています』
シンリー選手の反撃が始まった。
流れるような動きは、確かに八極拳の動きに見える。相当練習を積んだのだろう。高速で打ち出すこちらの攻撃も、易々と受け流されてしまっている。
そして、その流れのままに、こちらの腹部を掌で強打した。
だが、その一撃は届かない。
蔵人の盾に防がれていた。
『清麗選手の攻撃は、黒騎士選手の盾に防がれています!』
『黒騎士選手の盾は、テレポートしたのかというくらいに生成が早いですからね。幾ら清麗選手でも、クリーンヒットさせるのは厳しいようです』
いいや、違う。
もしも思考が読めるのなら、そんな盾は取っ払ってしまえばいいだけだ。こちらの攻撃をリビテーションで誘導したみたいに、盾を引き剥がすことは訳ない筈。
詰まり彼女は、素早い攻撃には対応できても、素早い防御には対応出来ないと言う事。
詰まり彼女は…。
「俺の殺気を読んでいる。そうだろう?」
蔵人は兜の中で笑みを浮かべ、両手に盾を貼り付ける。
相手がこちらの殺気を読んでいるのなら、攻撃する意思を抑えて攻撃すればいいだけの事。
攻めの守り。
それを、実践するのみ。
「行くぞ、チャンピオン」
蔵人は駆け出す。
〈◆〉
くそっ…。やり難い。
幾度か黒騎士と拳を交えた私は、一旦後退してから息を整えた。
黒騎士の拳は重く、それでいて速くて読み辛い。恐らく太極拳と空手が混じっていると思うのだが、急に拳や蹴りの軌道が変わるので対応しきれなくなっている。
そして何より、黒騎士から伝わっていた攻撃の意志が極端に薄くなっている。
これでは、得意のカウンターを合わせようにもタイミングが掴めない。こんなに意志が薄いと、本当に攻撃してくるのかどうかも怪しいものだ。
実際、フェイントを入れられて右肩をやられた。彼との距離が空いてる今のうちに、治しておかないと。
私は黒騎士を睨みつけながら、肩の脱臼を治す。その間にも、黒騎士は私との距離を詰めて来る。
本当にやり辛い。どうして、人を殴ろうと思わずに殴れるのだろう?どんなに心優しい人間でも、攻撃しようと思った時点で敵意を抱いてしまう。赤ん坊だって、酔っ払いだって、攻撃の意思さえあれば必ず漏れる物だ。なのに、彼から感じる敵意は微々たるもの。
まるで、負ける寸前の選手の様だ。私から逃げ惑って、勝負を諦めた者達と同じ熱量。
それなのに、彼の動きは速く、攻撃は鋭い。
矛盾。
どうなっているんだ?
私は訳が分からず、彼を突き放す為にリビテーションを使う。
すると、彼の目が笑ったように見えた。
そして、
「訳が分からないと、そう言いたそうですね?」
話しかけてきた。
随分と余裕そう。
でも、それは悪手。言葉以上に、意志を伝える手段はないのだから。
【別に、お兄さんが私の戦法を見抜いたってことは、とっくに気付いてますよ】
「でも、私の戦い方には疑問を持っていると」
【ぐっ…】
私は歯を食いしばる。
図星を指されて悔しいと、そう見せるために。
案の定、黒騎士の目は更に笑った。
そして、
「私は盾役ですからね。こういうのは得意なんですよ」
掛かった!
得意げに、自身の功績を披露してくれた。
なるほど…そういう事か。シールダーだから、シールドバッシュをするだけなら敵意を持たずとも出来るということ。相手を自分の領域からはじき出すシールドバッシュであれば、相手を攻撃する意識ではなく、自分や仲間を守る友愛の意識で攻撃を繰り出せると。
流石は黒騎士だ。そんな手法、普通の選手じゃ真似できない。
でも、この人ならやれるだろう。私でも手を焼く王華を、あんな手段で倒して見せたこの人なら。
そして、その攻撃方法では私を倒せない。
確かに、かなり強力な技だ。手足に着けたシールドは、一瞬息が出来なくなるほど強力。
でも、ベイルアウトさせるには足りない。私の装備は最高級品で、私自身もそれなりに武術も習っている。師匠の一撃に比べれば、貴方の攻撃は耐えきれる自信がある。
だから、お兄さんでは私を倒せない。少なくとも、あと2分足らずでは。
ならば、
『清麗選手が前に出た!黒騎士選手を宙に投げ、積極的に攻撃を繰り出している!受ける黒騎士選手は、何とか盾で防いるが…これは苦しい!』
『試合時間も、残すところ1分を切ろうとしています。両者最後の意地をかけてスパートをかけるでしょう』
そう。もう時間もない。
カウンターが狙えない以上、私も黒騎士君をベイルアウトする手段はない。でも、こうして攻撃していれば判定勝ちを狙える。
あまり綺麗な勝ち方じゃないけど、仕方がない。昔はよく、こんな泥仕合ばかりだったじゃないか。
最近がちょっと、自惚れていただけ。世界一位とか、無敗の王者とか持ち上げられて、衣装や勝ち方まで気取ってしまっていた。
良いんだ、この勝ち方で。この勝ち方でないと、黒騎士選手には勝てない。
認めるよ、お兄さん。貴方は確かに私と同じ。
同じ、化け物だ。
『黒騎士選手が宙に投げ飛ばされる!加えて、清麗選手の体当たり!黒騎士選手が吹き飛んだぁあ!』
『貼山靠ですね。八極拳の強力な技です。もろに当たった黒騎士選手、かなりの痛手です』
『二転三転…黒騎士選手が地面を転がり続ける!立てるか?立ち上がれるか黒騎士選手!』
『立ち上がりましたね。ですが、かなりダメージを負ってしまったみたいだ。足が完全に止まってしまっている』
『これは厳しい!』
流石は黒騎士。当たる直前でガードしていた。
でも、足は死んだ。これで暫くは、攻めては来られない。
試合時間も、もう終わる。
もう、何もできやしない。
そう、私は思った。
でも、黒騎士は動いた。その場に仁王立ちになって、深く腰を落とした。両手を前に出して、その手のひらを上に向け、胸の高さで揃えた。
そして、再び両眼を閉じた。
『おおっと?黒騎士選手、大きく構えたと思ったら、目を閉じてしまいました。今度こそ、諦めたのか?』
『分かりません。瞑想とも思えますが…彼の真意は…』
瞑想?諦め?
何を言っているんだ、こいつらは。今まで何を見てきた。
彼は黒騎士。私の戦い方を見抜いて、あり得ない方法で反撃してきた相手。
私に並ぶ、化け物。
そんな彼が行う事だ。絶対に、何かある。この状況を覆すための、その前準備に決まっている。
なんだ?何をする気だ?どうして動かない?時間は残されていないぞ?
私は細心の注意を彼に向ける。彼の僅かな動きも逃すまいと、瞬きもせずに凝視する。
僅かな敵意でも拾う為、全ての感覚を最大限まで研ぎ澄ませる。
と、その時、
彼の目が、カッと見開かれた。
同時に、
『さぁ!黒騎士選手の…あっ…かっ!?』
【頑張ってぇ!黒きっ!きゃっ…】
「ボスゥウ!何やって…ぐっ!」
「なっ、んや…これっ…!」
時が、止まった。
実況の声も、観客席からの声も止まり、静寂が会場を包んだ。
だが、それは一瞬の事。
一瞬の後、周囲の時は動き出す。
『…はっ!なっ、何だったのでしょう?黒騎士選手の目を見ていたら、急に胸が苦しくなりました』
『分かりませんが、黒騎士選手が何かしたのは確かです。何かは分かりませんが…』
分からない?そうか、みんなには分からないのか。
羨ましい。
私には、分かってしまった。
今のは殺気。
感覚が鋭くない一般人でも苦しくなるほどの、強烈な殺気。
感覚が鋭い私は、嫌という程感じ取ってしまった。
だから私だけは、今でも時が止まったままだった。
【……っ!】
だめだ。
このままじゃだめだ。窒息する。
落ち着け、私。
大丈夫。心を落ち着かせろ。相手は人間。大丈夫…大丈夫…。
【………ぐっ!がはぁ、はぁ、はぁ!】
心が落ち着き、やっと息が出来た。
もう少しで、窒息するところだった。
でも、それだけだ。辛うじて出来たのは、それだけ。
私の時間は、未だに動かない。
私の体は、指一本動かせない。
【ぐっ…なんで、動か、ない…!】
『おおっとぉ!これはどうしたことでしょう!?清麗選手が立ち止まったまま、動こうとしません。まるで、時間が止まってしまったかのようだ!』
『黒騎士選手の近くにいたから、我々よりも技が効いているのでしょうか?ですが、その技の原理も何も分かりません…』
ああ、本当にそうだ。何も分からない。これが黒騎士の異能力なのか?シールドで、相手を金縛りにする技なんてあるのか?
分からない。分からなくて恐ろしい。
その恐ろしい元凶から、凶悪な敵意と轟音が近づく。
『ここで黒騎士選手、動き出した!清麗選手にゆっくりと近付いていく。その右手には、高速回転するドリルが生成されている!』
動けない私の前に、素早く滑り込んだ黒騎士。彼の手で回るのは、先ほどまで彼を守っていたシールドであった。
ああ、そうか。
私は理解した。目の前で構える、歴戦の騎士を見て。
この人は、私と同じ化け物ではない。
私以上の、化け物だったんだ。
そう、理解したと同時に、
私の視界は、真っ白に包まれた。
殺気で、時を止めた?
「そして時は動き出す」
動いてないですよ。少なくとも、清麗選手は。
そんな事出来るんですか?
「出来るのではないか?史実でも、やっていた者がいるからな」