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408話~貴女が私を呼んだのですよ?~

主人公が駆けつけましたが、今話の主人公は引き続き桃花さんです。

「主人公交代だな」

その座はまだ、譲りませんよ。

「ようこそ、皆様。久我家へお越しくださり、大変光栄に存じます」


中央に立つ母親が、深々と頭を下げた後にそう言った。

今までは頭を下げるどころか、立ち上がって出迎えることもしなかった母親。その彼女が頭を下げる理由は、その頭の天辺で勢ぞろいする、一条君を始めとした錚々たるメンバーが勢揃いしているからだった。

一条君、九条さん、あと、高等部の文化祭で見かけた事のあるお2人。

僕でも、この人達が雲の上の人達だって知っている。

そんな人達の真ん中には、母親と同じ様に頭を下げる蔵人君の姿があった。


「突然の来訪にもかかわらず、お出迎え下さり誠にありがとうございます。この度は、久我鈴華さんの件でお話を伺いたく、こうして出向いた次第でございます」

「……」


母親は、頭を上げた蔵人君を無言で見詰めた。目を吊り上げて、とっても怒っている風だった。

それに、蔵人君の隣に立つ赤い髪の女性が眉を寄せた。


「あら?聞こえませんでしたの?黒騎士様は、貴女の話をお聞きになりたいと言われていましてよ?」


その女性が発言した途端に、母親は赤ら顔を引っ込めて、青い顔をブンブンと振った。


「い、いえ。滅相もございません、二条様。ただ、皆様が何故、巻島などと言う下級貴族にお手を貸しているのかと不思議に思いまして…」

「俺達は巻島家に手を貸しているんじゃない」


小さくなる母親に、一条君が一歩前に出てくる。


「蔵人先輩個人に力を貸しているんだ。そうするだけの恩が、この人にはあるからね」

「私もですわ」


一条君に続いて、黒髪を縦巻きにした女性が進み出る。赤髪の人が二条さんだから、この人が近衛さんかな?


「私達は皆、ここに居る巻島蔵人の為にと集まったのです。貴女の無謀な策略から、チームメイトを救い出したいと言う高名な志に感銘を受けて」

「勿論、私達がここに来ることは、家の者達には了承を得ております。私の母からは、是非とも協力をするようにとも言い含められていますわ」


九条さんも前に出てきて、金髪をかき上げながら誇らしげにそう言う。

みんなが前に出てくるから、母親は更に小さくなった。じりじりと足を後ろへ下げて、小さく呟く。


「何故なの?何故、こんな弱小貴族に、五摂家の方々が揃って味方をするの?個人的に力を貸すと言っても、こんなCランクのゴミ異能力に力を貸す意味が分からない。もしかして、この男に洗脳でもされているんじゃ…?」


母親は凄い事を呟いている。

もしかしなくても、この人はテレビを見ないのかも知れない。鈴華ちゃんの異能力についても知らなかったし、スポーツとかエンタメとか見ない人なのかも。黒騎士の存在を知らなかったら、確かにこの状況を理解できないかもしれないものね。


「久我様。今一度お聞かせ願えないでしょうか」


蔵人君が強い視線で、母親に語り掛ける。


「何故貴女は、娘をロシアに引き渡そうとしているのでしょうか?彼女はこれまで努力を重ね、とうとうオリンピック選手にも選ばれたのです。だと言うのに、母親である貴女が何故、その道を閉ざそうとするのですか?」

「そんなこと決まって!…決まっていますわ…」


一瞬、顔を赤くして叫ぼうとしたっぽい母親だったけど、二条さん達の存在を思い出して、言葉を選び直した。


「この子は久我家の者。久我の家が繁栄する為に犠牲となるのは当たり前のことなのです。それは、皆さまでしたらご理解いただけるのではございませんか?」

「ある程度は理解できる」


母親の言葉に、一条君が小さく頷く。

それを見て、母親は目を輝かせる。


「そうでしょう!そうでしょう!」

「ああ。俺もゆくゆくは、一条家の為に他家へと嫁ぐことになっている」

「ええ。ええ。その通りでございます。上級貴族に生まれたからには、ただ贅を凝らした生活に現を抜かしていていい訳ではございません。その立場なりの責務を負わねばならぬのでございます。それが、この子にとっては今回のお話であるだけで…」

「だが、お前がしている事は違うぞ」


一条君が静かに言葉を続けると、飛び上がらんばかりに浮足立っていた母親は、一気に現実へと引き戻された。


「俺は産まれた頃から自分の行く末を示され、何度もパーティーなどで顔合わせを行っている。だが、鈴華先輩の場合は違う。いきなり話を持ってこられて、準備も無く他国へ引き渡されそうになっている。お前がしている事は、ただの人身売買だ」

「じん…何を、そんな、貴方様まで…」


冷たく言い放つ一条君に、母親は理解できないと首を振る。


「この子は私の娘でございます。産み育てたのはこの私。その私が、この子の道を決めることで、何故そんなことを言われなければならないのです…」


理解できないと、母親は強く首を振る。

そこに、蔵人君が視線を鋭くする。


「久我様。今や鈴華さんは、貴女だけの物ではありません。桜城では異能力トップの座まで登り詰め、アメリカ遠征では世界ランカーをも下した。彼女の損失は、もはや日本異能力業界全体の損失なのです」

「異能力トップ?世界ランカー?何を言っているんです。この子はただのマグネキネシスなのよ?魔力もBしかないこの子が、そんな大層な事を出来る訳がないじゃない。私を(たばか)るつもりね?」


母親は乾いた笑みを浮かべる。それを、周りの人達は冷めた目で見る。

二条さんが静かに溜息を吐く。


「随分と視野が狭いのですわね、久我のご当主」

「前時代的な考えだ。まだ、異能力種や魔力ランクでしか人を測れないなんてな」


一条君も、呆れた様子で母親を見る。

それを受けて、母親は口をキュッと結んだ。

みんなに言われて、漸く何かを察したみたいだ。


そんな彼女の元に、使用人が慌てて近付く。


「ご当主様、いらっしゃいました」

「今度は、誰が来た言うの!?」


ヒステリック気味に返す母親に、使用人は一言だけ返す。


「ロマノフ家の方々でございます」

「なに…このタイミングで?」


母親はギョッと目を見開いて、大きく首を振る。


「少しお待ち頂いて。一度離れにお通しして、準備が整ったら…」

「いえ、ご当主様。もう直接こちらに向かっておいででして…」


使用人が言い切る前に、正面玄関の扉が開いて、そこからゾロゾロと人が入ってきた。

鈴華ちゃんみたいな銀髪の人や、アメリカ人みたいな金髪の人もいる。

誰も彼もがヨーロッパ系の白人さんで、この人達がロマノフ家の人達なんだって、僕でも分かった。


【来てやったぞ、ミス・コガ。鈴華選手は何処だ?】


先頭に立つプラチナブロンドの女性が、両手を広げて堂々と入ってくる。

言葉が分かるのは、彼女の後ろから着いてくる人達の中に、通訳係のテレパシストが居るからかな?

その女性に、母親が慌てて駆け寄る。


「初めまして、ロマノフ様。当主の久我金子でございます。本日は遠路はるばる良くぞお越しくださり…」

【挨拶は不要だ、ミス・コガ。それより、婚儀の話を進めようじゃないか。鈴華選手は何処に居る?】


母親からの挨拶を、うるさそうに手で遮る白金女性。

さっきから鈴華選手、鈴華選手って、お姉さんとの婚儀じゃないの?なんだか、鈴華ちゃんをロシアに連れていくことを焦っているようにも見えるよ?どうしたんだろう?


「少し、宜しくて?」


僕が不思議に思っていると、二条さんがロマノフさんに話し掛けた。


「その婚儀の話ですが、見直しをさせて頂きたいと思っているところです。話があまりにも急な事ですし、鈴華選手当人が困惑しております。何せ、ついこの間まで日本のオリンピック選手として活躍するつもりでしたから。我々も驚いているところです」

【なんだい?話を取りやめて欲しいって話か?オリンピック選手の事なら、安心してくれていいよ。既にロシアのファランクス選手として、鈴華選手をオリンピックに出す用意があるからね。我が国で存分に戦ってくれることを期待しているよ】

「オリンピックに出る事だけが問題ではございません、ロマノフ様」


勝手な事を言うロマノフさんに、蔵人君も彼女の前に進み出る。


「鈴華本人が、ロシアへの移住をを望んでいないのでございます。この話は当人抜きで勧められたお話。今一度話し合いの時間を設けて頂かないと、貴国との間に大きな(わだかま)りを残す結果となりましょう」


蔵人君がまた、難しいことを言っている。

国って、一条君達だけじゃなくて、もしかして政治家みたいな人達も味方に付けてここに来たのかな?

そうだとしたら、蔵人君が何もしていないって思った昔の僕を叩いてやりたいよ。


【うーん。そんな事を言われても困るよ。だって、もう婚約するつもりでSランクの彼まで連れて来ちゃったんだからさ】


ロマノフさんはそう言うと、使節団の中から1人の男性を引っ張ってきた。


「えっ…」


その人の姿を見て、僕はつい驚きを漏らしちゃった。

だって、余りにもみすぼらしく見えたから。

着ている服こそ白い綺麗なスーツだけど、髪の毛はボサボサでフケだらけ。肌はお爺ちゃんみたいにカサカサだし、半分開きっぱなしの口からは黄色く隙間だらけの歯が見える。

みすぼらしい…というよりも、酷く老けて見える。40代…ううん。もう少し剥げていたら60歳くらいに見えたかも。


「この方が、婚約者?」


二条さんも驚いている。

だって、鈴華ちゃんのお姉さんと婚約するにしても、あまりに歳が離れているんだもん。

それに、お貴族様って言うよりも、LA暴動で襲ってきた暴徒の人達みたいに見える。視線も何処を見ているか分からないし、なんか真っ直ぐ立てないみたいだし。

…ちょっとお酒の臭いがする?あっ、ミドリンが自然と後ろの方へ逃げていった。これは酔っ払いだ!


「鈴華ちゃんのお姉さん、この人と結婚しようとしているの!?」


僕は驚いて、母親の横に佇んでいたお姉さんに振り返った。

でも彼女は「はい。お母様が仰る通りに…」と無気力に答えた。

…ダメだこの人。自分の人生が掛かっているのに、まるで他人事。完全に母親の操り人形になっちゃってる。

金ぴかマリオネットめぇ。


【ほら。ミス・カホもこう言っている。当人同士が認め合っているのであれば、他に何の問題もないだろう?】

「何が問題無しや!操り人形同士で人形劇させよって、こんな婚約に何の意味も有らへんわ。自分ら、鈴華を奪おうとしとるだけやろが!」


早紀ちゃんが吠えたけど、きっとみんなも同じ気持ちだよ。

きっとSランクの男の人も、お酒をいっぱい飲んでるから訳分かんない状態なんだ。だから、酔いが覚める前に話を付けようとしているんじゃないのかな?


【あのさぁ。さっきからギャーギャーとうるさいけど、もう契約終えている状態なんだよ?その契約に従って、私達はちゃんとSランクを連れてきた。それがどれだけ大変な事だったか、君達は分かって言ってるのかな?】


ロマノフさんが声を荒らげる。ユラユラと、彼女の周囲からは陽炎が立ち上る。

これは、パイロキネシス?それとも、デトキネシス?


【Sランクを外に出すだけでも、大変な手続きと莫大な費用が必要になる。それが婚姻ともなるともっとだ。もしもこの話を無しにしようとしているのなら、君達にその損失が払えるのかい?】

「二条家が負担致しますわ」


ロマノフさんの脅しに、二条さんがすかさず前に出た。

その横に、九条さんも続く。


「我が家も勿論、ご助力致しますわ。大切な学友の為ですもの」

「俺も出そう。叔父上からも、鈴華先輩は日本に必要な選手だと言われているからな」

「勿論、近衛家もですわ」


4人が前に出ると、流石のロマノフさんも口を閉じた。

莫大な費用としか言っていないのに、簡単に払うと言う4人に対して、こいつら只者じゃないって分かったみたいだ。

でも、口を閉じていたのは一時だけだった。


【問題はお金だけじゃないんだよ!良いか?我々は態々、こんなアジアの辺境までSランクを送り届けているんだぞ?異能力弱小国家の木っ端貴族の為に、中国アメリカに次ぐ超大国のロシア連邦が動いてやっているんだ。さっきそこの子が外交がどうのと喚いていたが、この話を断る方が余程重大な外交問題になるんだよ!】


うっ…。確かに、もう来ちゃってるからね、Sランク。

どうしたら良いんだろうって、僕は自然と蔵人君を見ちゃった。そしたら、彼は力強く頷いて、ロマノフさんを見る。


「ロマノフ様。1つ、お教え願いたい。貴女様は先程、Sランクを渡航させるのには膨大な手間が掛かると仰いました。では、どうやって今日、ここまでいらしたのでしょうか?」


えっ?えっと…どういう事だろう?

僕は分からなかったけど、ロマノフさんはギクッて体を硬直させた。彼女の周囲から僅かに熱を感じたから、きっと焦って異能力をお漏らししちゃったんだ。

そんな彼女の状況が分かっているからか、蔵人君が更に踏み込む。


「久我家と婚姻の交渉をして、Sランクの日本永住権を取得し、ロシアからの出国手続きを取る。これだけをするのに、少なくとも数ヶ月以上の月日が必要でしょう。それだけ前から、ロマノフ家は久我家と交渉されていたのでしょうか?違いますよね。貴女達が鈴華選手に目を付けたのは、LAの暴動が起きてからだ。であるならば、その膨大な手続きはどうされたのでしょうか?」


あっ!そう言うことか。

漸く、僕でも理解できた。

つまり、余りにも早すぎるんだ。だって、ロサンゼルスの暴動からまだ1ヶ月も経っていない。それなのに、もうSランクが日本にまで乗り込んできている。1か月じゃ、まだ出国の手続きすら終えていない筈なのに。

だから蔵人君は、ロマノフさん達が何かズルをしているんじゃないか。そう言っているんだ。


その蔵人君の問いかけに、


【うるさい!】


ロマノフさんは大声を上げてキレた。


【お前らSランクでもない奴らが、ギャーギャーうるさいんだよ!Sランクは世界の中心。お前ら低ランクがゴチャゴチャ口出しして良い世界じゃない!】

「ロマノフ様。落ち着いて下さい。それでは婚姻も何も」

【うるさい!】


蔵人君の制止も振り切って、ロマノフさんは叫ぶ。その口から、小さな黒い炎がチロリと覗く。


【低ランクの男の分際で、私に口答えするな!Sランクの交渉をしたければ、同じSランクの者を連れて来い。そうでなければ、我々は交渉のテーブルには着かない。取り交わしていた約束通り、鈴華選手を頂いて行く!】


一方的にそう喚いて、ロマノフさんが鈴華ちゃんへと近付こうとする。

だから、僕は鈴華ちゃんの前に立って、それを阻止しようとした。両手を名一杯広げて、彼女を連れていかせるかって足を踏ん張った。

そこに、ロマノフさんがズンズンと近付いて来る。彼女の右手には、黒く燃える炎の塊が。

あれ?これは不味いよ!


【邪魔だ!退け!】


ロマノフさんの拳が振り下ろされる。

その途端、僕の目が背中で一杯になる。


「手を出すのは話が違いますよ?ロマノフ様」


蔵人君だ。蔵人君が、僕とロマノフさんの間に割り込んで、彼女の拳を受け止めていた。黒炎の拳が、蔵人君の盾の阻まれていた。

それを見て、ロマノフさんが目を丸くする。


【私の拳を受け止めた?まさか、お前…いえ、貴方が、黒騎士選手?】


ロマノフさんの顔に笑みが広がる。

邪悪な笑みを携えながら、蔵人君の両肩を掴んだ。


【良いでしょう。鈴華選手のことは諦めても。では代わりに、貴方が来て下さい。黒騎士選手!】


不味いよ!今度は蔵人君を奪おうとしている。

僕は蔵人君の背中から飛び出して、ロマノフさんに向けて異能力を発動しようとした。

外交問題とか、後で色々と怒られちゃうかもしれないけど、けど、そんなのは今関係ない!蔵人君を守らないと!


僕は最大級の風を込めて、ロマノフさんに拳を繰り出した。

でも、その攻撃は当たらなかった。


【ぐはぁっ!】


僕が攻撃する前から、既にロマノフさんが吹き飛ばされていたから。

それを行ったのは、長い髪を靡かせた、長身の女性。


「失礼いたします、お客様」


久我家の執事さんが、ロマノフさんを蹴り飛ばしていた。


なっ!?えっ?なんで?何が、起こってるの?

僕が目を白黒させている間にも、ロマノフさんが立ち上がって執事さんを睨み付ける。


【なに…を、している。使用人の分際で、私に何を!】

「秋守っ!?貴女、お客様になんてことをっ!」


母親も驚いている。

その様子を見る限り、これは母親の指示でもないみたいだ。

じゃあ、なんで僕達を助けてくれたの?執事さんは、母親側の筈でしょ?


「おかしな事を言われますね?お2人共」


雇い主に怒られている本人は、平然としている。

お腹を押さえて床に座り込むロマノフさんを、怖い目で見降ろす。


「何をしているのかと、貴女は問われましたが、貴女が私を呼んだのですよ?交渉の場に出るようにと」

【…はぁ?何を言って…?】

「そうよ、秋守。お前はただのBランク。そんなお前が、何を血迷って…久我家に泥を塗るつもりなの?!」


また、ヒステリックに叫ぶ母親。

そんな彼女を、執事さんは振り返る。

雇い主である母親に向けて、とても冷たい目と嘲笑を向けた。


「泥を塗るだぁ?はっ!笑わせてくれるねぇ。娘一人守れねぇバカ親が、家の心配なんて出来る立場じゃねぇだろうによぉ」

「なっ!?バ、バカァ?」


乱暴な言葉でなじられて、絶句する母親。

それを見て、執事さんは更に笑う。

何も言い返せない母親を前に、高らかに笑い飛ばす。

執事さんのその豹変に、誰もが言葉を失った。


そして、更に執事さんは変貌する。

高かった笑い声が、段々と低くなっていき、長かった髪の毛がどんどん短くなって、逆に背丈はどんどんと大きくなり、その顔に髭が生え始める。

執事さんは、いや、執事さんだった者は、両手を広げて高らかに笑う。


「交渉の場にSランクが必要というのであれば、この俺自らが出てやろう。Sランクであり、最高位種のオールクリエイトである、このギデオン久我がなぁ!」


イギリスで僕たちを苦しめたおじさん、ギデオン議員が高らかに笑った。

ぎ、ギデオン議員が、執事さんに?


「何でもありだな、オールクリエイト」


確かに、イギリスでも変身していましたけど…。

けど、何のために日本へ?

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― 新着の感想 ―
ゲラゲラゲラ!!マジで何だこの展開!?まっったく予想してなかったなぁ…素晴らしい…予想外は大歓迎ですよぉ…
どう……いう…… 俺が先に目を付けたんだから露助はすっこんでろ的な……?
なるほど、こりゃ蔵人君主人公には出来ないわ。犯人の名前を知った上で、後ろの頁から推理小説読む感じw 五摂家の方々(首脳クラス)は魔力至上主義・技巧主要論のどちらが重きを成すに至っても、家中の者が関与…
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