392話〜選手として呼ぶべきではなかった〜
オリエンテーションが終わると、蔵人達は運動着に着替えてから外の運動場に集合した。
陸上競技等で使う広大なフィールドの上で、選手一同は整列してコーチ陣を待つ。動いても良いのだろうけれど、誰も隊列を乱そうとはしない。
それは、この合宿が選考会を兼ねているからと言うのもあるが、観客席に取材陣が詰め掛けているから、と言うのもある。
今日は撮影OKな日みたいで、こちらに遠慮無しでバシャバシャ写真を撮りまくってる。
ついでに、うちの敏腕記者もバシャバシャ撮りまくってる。しかも、彼女はフィールドに降りて、我々の至近距離でだ。
君の後ろで、他の記者達が凄く羨ましそうに見ているぞ?わざとやっているのか?
「はーい!命選手。こっちに目線下さーい」
なに?ミコト選手?
取材陣を見上げていた蔵人は、若葉さんの声で反射的にそちらを向いた。すると、確かに彼女が列に並んでいた。
他にも、隊列の中に見知った顔が居ることに気が付く。
海麗先輩が来ているのは聞いていたが、彼女の隣には久遠さんも居るし、元如月中の米田さんの姿もある。その他にも、選手の名前は知らないが、彩雲や晴明、獅子王等の全国レベルの学校ジャージを来ている人達も多くいる。
こうして見ると、去年のビッグゲームで上位に入ったチームメンバーが呼ばれている事に気付く。
日本でのプロは、高校や大学を卒業してからの方が多いから、U18となるとそのままビッグゲームの選手が候補に挙がるのだろうか?
蔵人が後ろを振り返っていると、命さんと目が合った。
少し悩んだ末に軽く会釈をすると、驚き顔を浮かべたまま上下に首を振る命さん。
何となくだが、表情が豊かになっている気がする。以前は、表情なんて殆ど変えなかったから。
あの毒親から解放されたのかな?
「待たせたな」
コーチ陣がやってきた。スーツからスポーツウェアに着替えた進藤監督達と、彼女達に連れられたサポーターがゾロゾロとフィールド入りし、蔵人達の前に横一列で並ぶ。
驚いた事に、サポーターの中には剣聖選手や橙子さん達の姿まであった。
真緒さんはシングル選手として出場予定だから、関係者と言う事で分からなくもないが…橙子さん達は予備役とはいえ軍人だ。何故、選考会に携わっているのだろうか?
「開会式でも話があった様に、今日は諸君らの個別能力テストを行う」
コーチ陣の真ん中で、進藤監督が腕組みをしながら鋭い視線を選手達に振りまく。
オリエンテーションで受けた説明の中には、大まかな合宿の日程もあった。
確か、こんな感じだ。
1日目(本日)…基礎体力や異能力の基本能力テストを実施。
2日目…体力錬成等の基礎訓練。
3日目…チーム戦等の小規模連携訓練。
4日目…ミニゲーム等の大規模連携訓練。
5日目…総括、及び結果発表。
「では早速、基礎体力測定に入る。スタッフの指示に従い、各々の配置に着け」
進藤監督の号令の下、列順はそのままに、蔵人達は等間隔で広がった。
何となく、軍隊みたいだなぁと思っていると、本当にそれっぽい練習が始まった。
腕立て伏せだ。
「儂の笛がなったら体を沈める様に。異能力は一切禁じる。では、始めっ!」
そう言うが早いか、進藤監督の笛から、ピッ!と短い笛が鳴る。
蔵人達はその笛に合わせて腕立て伏せを行うが、腕立てで体を沈める度に、列の合間を歩くスタッフ達から指導が入る。
別に殴ったり、嫌がらせをされる訳じゃない。ただ、腕立て伏せの正しい姿勢を教えられるだけだ。
だが、
「顎を引いて!お尻を出すな!」
「腕は肩幅!肘が90度に曲がるまで、しっかりと体を落とし込むんだ!」
「地面と体が水平になる様に意識しなさい!ほら、そこ!またお尻が出ているぞ!」
かなり本格的な指導を受けて、選手達は顔を真っ赤にしながら体を沈ませる。
正しい姿勢での腕立て伏せなので、大胸筋だけでなく背筋やインナーマッスルにもビシバシ負荷が掛かっている。進藤監督の笛の音はゆっくりであるのに、たった十数回腕立てを行うだけで多くの選手が辛そうな顔をしていた。
皆さんは普段、こんなに本格的な筋トレをしていないのだろう。
「おや。随分と余裕そうじゃの」
蔵人が周囲を見ながら腕立て伏せをしていると、真緒さんがいい笑顔を浮かべながら近づいて来た。
「で、あるなら、声出しでもしてもらおうかの」
という事で、蔵人は腕立て伏せの度にカウントアップすることになった。
ピッ!
「じゅうろーく!」
ピッ!
「じゅうななー!」
フルレンジの腕立て伏せをしながら声を上げると、少しずつ体力を削られていく。なんだか、懐かしい。
漸く訓練らしくなってきたと思っていた矢先に、周囲から「くっそぉ…」とか「もう、むりぃ」という声が上がり始める。
どうやら、脱落者が出始めたらしい。
それでも、訓練は継続する。
徐々にこちらへと視線が集まってきているので、いよいよ人が減っているのだと分かる。
ピッ!
「ごじゅいちー!」
ピッ!
「ごじゅにぃー!」
おっ。今、アニキの断末魔が聞こえた気がするぞ。
ピッ!
「はちじゅうさんっ!」
ピッ!
「はちじゅうしっ!」
今度は、海麗先輩の残念そうな声が聞こえた。
より一層視線を感じるが、周囲を見回す余裕がなくなってきた。息が上がり、ふくらはぎと上腕二頭筋がぷるぷるし出す。
ピッ!
「きゅうじゅうごっ!」
ピッ!
「きゅうじゅうろくっ!」
そういえば、何回までやるのか聞いてなかった。終わりが見えないプレッシャーが、ここに来て背中に重くのしかかっている。
大胸筋まで張りつめて来たぞ。
ピッ!
「ひゃくっ!」
ピッ!ピッ!
なにっ!?素早く2回やれってか!?
驚いた蔵人は、つい進藤監督を向いてしまう。でも、彼女は小さく手を振って笛を離していた。
「十分だ。君の実力は十分に分かった」
どうやら、終わりみたいだ。
蔵人は上半身を起こして、そのまま起き上がる。
すると、周囲から小さな拍手を送られた。ついでに、先程よりも強い視線も。
見ると、みんながこちらに向かってキラキラした目を向けていた。
「やばっ。黒騎士選手、マジでヤバいフィジカルしてる」
「私なんて、37回しか出来なかったのに」
「あたしなんて29回よ。普段の練習でも筋トレしているのに」
「進藤監督に褒められるなんて、流石は黒騎士様ね」
「見て!黒騎士選手の大胸筋が、ピクピクしているわ!」
「ちょっと、あんたのそれ、セクハラだからね?」
ああ、なるほど。自分達の倍以上をやってのけたと、彼女達はこちらを賞賛してくれるみたいだ。この世界は女尊男卑。男子はひ弱とされている。
だがね。元々男子の方が筋肉量は多いんだよ?異能力がなければ、男子の方が出来て当たり前。だから、何も驚く場面ではないと思うのだが…。
そう思う蔵人だったが、基礎体力測定が進めば進む程、周囲から受ける視線は強くなっていった。
スクワットや反復横跳び、シャトルラン、重量挙げ等の項目全てで、蔵人は圧倒的な差を見せつけてしまった。
参加者が100人近くおり、途中の種目からは別れての測定になったので、視線の数は減りはした。それでも、注目されている事には変わらない。
「次は異能力での基本性能測定だ」
進藤監督はそれぞれのポジションで選手を分けて、異能力のテストを行った。
蔵人達は近距離役だ。盾役というポジションでは分けず、前線での総合的な動きを見ると言う。
「諸君らの相手は、今回サポーターとして参加してくれた元U15、18の選手達だ」
そう言って紹介された中には、真緒さんや橙子さん、レオさんの姿もあった。
…橙子さんやレオさんって、元異能力選手だったのか?
「うわぁ…剣聖様まで私達の相手なの?」
「現役のU18世界選手じゃん。なんで元?」
「元U15って事でしょ?どっちにしても、ワンオンワンのスペシャリスト。私達みたいな汎用型とは訳が違うよ…」
真緒さんの姿を見て、他の近距離役選手は尻込みしている。勝てる筈ないと、強張らせた顔を突き合わせていた。
だが、それとは逆に、目を輝かせる人も居た。
鈴華達だ。
「オリンピックつったら、世界ランカーも普通に出てくるだろうからな。今のあたしらが何処まで出来るか、自分を図る良いチャンスじゃねえか」
「せやな。ここでうちらの実力、見せたろやないか」
そう言って肩を回す2人の後ろには、海麗先輩と米田選手も続く。2人とも「次は良いところ見せないとね!」とやる気満々だ。
体力錬成では良いところを見せられなかったと言う事だろうか?4人とも、結構最後まで残っていたし、海麗先輩は自分に次ぐ実力だったと思うが?
しり込みする人達を掻き分けて、4人は最前列に並んだ。立ちはだかる真緒さん達と対峙した。
それを見て、進藤監督が鼻を鳴らす。
「ふんっ。今の時点で尻込みしているようでは、とても世界の舞台に立つことは出来ん。もしも自分には荷が重いと感じるなら、いつでもここを去って貰って構わんぞ。その方が、やる気のある奴らにとっても悪い影響が出なくて助かる」
進藤監督の痛烈な言葉に、尻込みしていた選手達も思いとどまり、徐々に前へと出てきた。
ここで脱落する者はいなかった。
「ふんっ。では始めに、黒騎士選手と美原選手。前に出ろ」
呼ばれた蔵人達は、フィールドの端と端で分かれてポジションに着く。ファランクスで言うと、右翼と左翼くらいに離れた位置。そして、海麗先輩の前には見慣れない金髪の女性が立つ。
恐らく、Aランクのゴルドキネシスだろう。かなり大人びた雰囲気の人で、とても中高生には見えない。
…もしかしたら、マスタークラスの選手かも。
そして、蔵人の前には真緒さんとレオさんの2人が立ち並んだ。
…うん?2人?
「なんじゃ?この者の相手は儂が務めるぞ?主は下がっておれ」
「それはこっちのセリフだ!こいつは俺の獲物だから、てめぇは引っ込んでろ!」
真緒さんが「あっちいけ」と手を振ると、それにレオさんが嚙みついた。
今にもその場で一戦交えそうな2人に、進藤監督も青筋を立てる。
「鍋島!なにを勝手なことをしている!お前の相手はこっちと言っておろうがっ!」
「…ちっ」
進藤監督を相手では、流石のレオさんも舌打ちするだけで引き下がった。そのまま、彼女は向こうの方で伏見さんを相手にする。
今更ながら、レオさんの苗字は鍋島らしい。確か、サマーパーティーで似たような名前が出ていた気がするけど…。
「さて、漸く邪魔者も居らんくなった。のぉ、黒騎士殿」
真緒さんが構える。
爛々と輝く彼女の瞳は、何時ぞやの廃工場で交えた時よりも鋭さを増していた。
「あの時の続きと行こうかの」
「ええ、剣聖選手。お手柔らかに…」
「はて?」
手加減してくれよと言ったら、真緒さんの周囲で風が逆巻いた。
これは、ダメそうだな。
蔵人は早くに見切りをつけて、盾を集める。
そして、
「(低音)まぁ、そうだな。今ならサポートも豊富。存分にやり合うとしようか。なぁ、風の勇者よ!」
彼女の元へと飛び込んだ。
「おい!止まれ!いつまでやるつもりだ!」
蔵人達が対戦を始めて数分。
顔を真っ赤にした進藤監督が突っ込んできて、拳と刀を交える2人の間に割り込んだ。その途端、蔵人も真緒さんも地面に張り付けとなって足が前に出なくなった。
グラビキネシス。300㎏を持ち上げるロゴの体が動けなくなる程の重力は、正にAランクのなせる業だった。
「全く貴様ら、儂の制止を無視しおって…」
どうも、進藤監督は再三に渡って我々を止めていたらしい。
見れば、選手もサポーターも全員、こちらに注目していた。中には、呆れた視線や苦笑いを向けてくる人も居たが、殆どの人は驚きで目を丸くするか青い顔の人ばかりだった。
呆れ顔の一人、進藤監督が傷だらけの人差し指をこちらに向ける。
「良いか?最初に散々、これは異能力の基礎性能測定だと説明したはずだ。それだと言うのに、お前らは殺し合いでもする勢いで殴り合いおって」
そう言えばそうだった。
蔵人は思い出し、重力制御が無くなると同時に姿勢を正し、小さくなって進藤監督に頭を下げる。
「済みません。忘れてました」
つい、本気で殴り合ってしまった。ス豚ピングで芝生はボコボコだし、被弾したスタジアムの壁は半壊している。
こいつは不味いなぁと見回していると、進藤監督の深い溜息が聞こえた。
「ふぅ~…。儂も随分と耄碌したな。やはり黒騎士選手は、選手として呼ぶべきではなかった」
えっ!?それって、不合格ってことです?
目を点にする蔵人の前で、進藤監督は伏せていた顔を上げて「こちらに来い」と手招きをする。蔵人はそれに従い、彼女の元へ。
ええっと、荷物を纏めて帰れって?
「君の力は規格外過ぎるのだ、黒騎士君。君を選考に入れてしまうと、どうしてもレベルが上がり過ぎる。済まんが、君をサポーターに回させてもらう。彼女達と共に、他の選手を計ってはくれんか?」
それは…不合格と言う意味ではないんだよな?サポーターとしての動きを見るという意味か、もしくは既に合格という意味なのか。
どちらにせよ、こちらに拒否権は無い。
蔵人が二つ返事で了承すると、進藤監督は早速、選考する選手を割り当てる。
「良いか?黒騎士君。あくまでテストだ。あのバカの様に快楽を求め始めたら、幾ら実力があっても考えさせてもらうぞ?」
進藤監督が真緒さんを睨みながら、そう言った。
それは恐ろしい。
蔵人は気を引き締めて、対戦相手に向けて水晶盾を構えた。
蔵人の心配とは裏腹に、試験は順調に進んだ。
進藤監督に釘を何本も打ち込まれた真緒さんも、ちゃんと実力を抑えて戦い、選手達も必死になって喰らいついていた。
「はぁ、はぁ、ありがとうございました!」
蔵人の方も順調に終わった。最初は不安そうな顔をしていた晴明の選手だったが、彼女の攻撃を盾で受け止めながら適度に反撃し、時にアドバイスを交えてあげると喜んでいる様子だった。
そして、最後はとてもいい笑顔で頭を下げて、他の選手達の列に戻っていった。
ありがとうは、こちらのセリフなんだがなぁ。
蔵人は思う。
今回対戦した相手はCランクのアクアキネシスだったのだが、今まで対戦したアクアキネシスよりも格段に異能力の使い方が上手かった。
彼女の特性は水の粘性を変化させる事らしく、体中に纏ったアクアキネシスの粘性を上げて、防御力を格段に上げていた。また、粘性の低い水を操り、流動性の高い水でアクアカッターの威力を上げていた。
覚醒者と言う訳ではなかったので、そこまで強力な武器ではなかった。でも、Cランクのアクアキネシスにしては、なかなかに上手い攻め方が出来ていたと思う。
…生活面においては有能なアクアキネシスだが、戦闘面ではどうしても他の4大元素に劣るからね。パイロキネシスやエアロキネシス程の攻撃力は無いし、防御面ではソイルキネシスに劣る。どうしてもサポート系に回りやすい異能力であった。
それを、彼女は克服しようと工夫していた。その姿は、昔の伏見さんや鈴華を彷彿とさせるものだった。
彼女が覚醒者となれば、攻撃も防御も出来る第一線の選手となるだろう。選手として、かなり有望だ。
そう思っていた蔵人だったが、どうも違うみたいだ。
「そりゃ!」
「これでどう?」
周囲を見渡すと、先ほどの娘と同じように、異能力を工夫して使う選手が何人も目に留まる。
ソイルキネシスで地面を砂漠化して、相手のバランスを崩したり、デトキネシスの爆発に指向性を持たせたり。
エアロキネシスで空気に温度差を付けて、自身の姿を歪ませて見せる娘もいた。
どの娘も、覚醒者と呼べるまでの技術力では無かったものの、その可能性は十分に見せてくれていた。
少なくとも、今までの主流だった最高火力をぶっ放すだけの人は殆ど見られない。
技巧主要論が、着実に根付き始めているのを感じた。
「そらよ、マグナバレット!」
その中でも、鈴華達の技術は抜きん出ていた。
手前味噌だが、覚醒している彼女達の異能力を前にすると、OGのサポーター達もタジタジだ。何とか手玉に取られない様にするので精一杯と、彼女達の顔に書いてあった。
海麗先輩の相手は一撃で吹っ飛ばされていたし、鈴華を相手する橙子さんも、逃げながら鉛弾をばら撒くので凌いでいるといった様子だ。
「やるじゃねえか、てめぇ」
「それは姉さんもですわ」
「はっ!よく言うぜ!」
フィールドの端では、伏見さんとレオさんが肩を組んでいた。
かなり白熱した試合をしたみたいで、2人とも泥だらけの傷だらけだ。それでも、2人は楽しそうに互いの健闘を称え合っていた。
…あんなにボロボロなのに、進藤監督に止められないのは何故だろう?我々の戦闘が、あれよりも激しかったというのか?
「よぉーし。そこまでだ」
進藤監督の合図で、最後に戦っていた組も矛を収める。
選手達はサポーターに促されて、進藤監督の前に並んだ。別の場所で試験を行っていた遠距離役の人達も加わり、スタート時と同じ隊列を組む。
それを見て、進藤監督が満足そうに頷いた。
「テストはこれまでとする。各位、宿舎へ移動して体を休めろ。明日も早い、学生気分で夜遅くまで遊ぶことがないように」
「「はいっ!!」」
選手達から元気な返事が返ってくる。
練習が終わって嬉しいと、表情が物語っていた。
そんなみんなに、進藤監督も少し表情を緩ませてスタジアムの出口を指さす。
「うむ。良い返事だ。ではクールダウンも兼ねて、宿までランニングをしてもらう」
「「「えぇええ!?」」」
完全に練習が終わったと思った選手達は、ついそんな声を上げてしまう。
それを、監督は厳しい目で受け止める。
「ほぉ。随分と元気が有り余っている様だな。では各々、今着ているフル装備のままで、大回りして宿舎まで戻ってもらう事にしよう」
選手達はみんな、声にならない叫びを上げていた。
まるでムンクだ。声を上げなければ良かったと、表情に書かれている。
「どうした?休んでいたら日が暮れるぞ?駆け足!」
進藤監督に促され、選手達は慌てて駆け出すのだった。
まさにコーチという風格ですね、進藤監督。
「名門、獅子王の監督を長く務めているだけはあるな」
鬼軍曹と聞いていましたが、軍の指導員みたいな感じでしたね。
「学生からしたら、十分に怖い存在なのだろう」