249話~今回はあらしらの勝ちだ~
文化祭まで残り5日となった月曜日の放課後。
桃太郎戦記は、7組を組み入れての大幅なアップデートが行われた。
故に、練習が全然足りないのである。
だが、それは7組のセリフがある人達と、メインキャストの人達だけである。
蔵人のようなセリフが少ない人は、取り合えずお役御免ということで、部活に参加できるらしい。
吉留君の采配に感謝だ。
最近部活に行けていないので、なるべく顔を出したかった。
「うぇえ~。僕も部活行きたかったよぉ~」
桃花さんが涙目で訴えてくる。
彼女は今回、主役を務める。
桃太郎ならぬ桃花。その名前から抜擢された役回りだったが、技能的にも彼女が適任だと思う。
最近の桃花さんは、風の使い方が上手だからね。
このキャストの中で戦うとしたら、慶太の次に厄介な存在だ。
そんな主役の桃花さんは、これから5日間みっちり、放課後も練習である。
「桃花さんの活躍、期待しているよ」
「黒騎士も一緒に練習してよ!」
宥めようとした蔵人の裾に、引っ付いてくる彼女。
余程、役作りに参っているのだな。
だが、蔵人も部活に行きたいのだ。色々あってサボってしまった分を取り返さねば。
「慶太、頼むぞ」
「ホイホイ~!任せて~!」
同じく、練習組として残る慶太に任せることにする。
「モモちゃん、頑張ろう!」
「うっ…」
慶太の無邪気さには、桃花さんも勝てないだろう。
蔵人は悪いと思いながらも、訓練棟に足を向ける。
文化祭1週間前ともなると、部活よりも文化祭の準備を優先する人も多くなる。部活によっては、この1週間を休みにしているところも多いと聞く。
逆に、絶対に休めないのが異能力系部活。
特に、セクション部とシングル部は大会も真近ということで、休むことが出来ない。
蔵人もシングル部だが、ローズ先生の配慮もあり、参加は自由だ。
これが学校からの出場枠で参戦するとなっていたら、こうは行かなかっただろうけど。
蔵人が廊下を歩いていると、目の前に迫っていた5組の教室から、女子生徒が1人出てきて、扉の向こう側に居るクラスメイト達に謝っていた。
「ごめんなさい。部活に行ってくるわ」
「別に良いよ〜。全日本、頑張ってね〜」
気の抜けたクラスメイトの声に送り出された白髪の娘は、白井さんをイジメていた片倉さんだった。
彼女は振り向いた際に蔵人を見つけて、目を見開いてその場で固まった。
あの試合で、自分に強烈な苦手意識を持ったのだろう。取り繕うことも出来ずに感情を表に出している。
蔵人は軽く会釈をして、彼女の横をすり抜ける。
下手に声を掛けて、余計にビビらせてしまっては可哀そうだ。
そう思ったのに、
「く、くら…黒騎士!...くん」
彼女の方から声を掛けて来た。
しかし、黒騎士君って、初めて呼ばれた気がする。
「はい、何でしょうか?片倉さん」
幾分、返答が硬くなってるしまったのは仕方がなかろう。
あんな事があったので、どうしても彼女を非友好対象として見てしまうのだ。
そんな蔵人の心情を知らずに、彼女は視線を彷徨わせながら聞いてきた。
「な、なんで、頼人様にあの事…白井さんとの事を告げ口しなかったの?」
「何故って、言う必要がないと思ったからですよ。貴女は十分に、反省したのでしょう?」
あれから白井さんへのイジメは無くなった。
それは、蔵人の事が怖いからというのもあるだろうが、それでも、陰で報復しようと思えばいくらでも出来た筈だ。
でも、それをしないのは、彼女が少なからず思い直してくれたからだと蔵人は考えた。
それに、多感な時期の中学生だ。感情に任せた間違いは幾らでもあるだろう。その中で言えば、まだ可愛い方だと思いたい。
…人間1人を押し潰しそうになった事は、この世界でなければ考え物だったがな。
「態々、貴女の思い人に告げるなんてことはしませんし、何かあれば、直接貴女の元へ出向き、抗議させて頂きますので」
そう言って笑うと、彼女は自然と一歩退がり、教室の扉に背中をぶつけた。
議論は終わりかと、蔵人が体の方向を戻した。すると、
「ま、負けてないから!」
後ろから叫び声が掛かる。
勿論、片倉さんだ。
「あ、あれは、貴方の事を知らなくて、油断してたからで。本気で最初からやれば、負けてない!だから…」
蔵人は振り向かず、背で言葉を受ける。
「次は、負けないから!」
言い訳ばかりの戯言である。
だが、それでもいい。
一度は恐怖し、屈した相手に対しても、抗う意思を持つと言うのは中々に出来ないことである。
それがAランクであるプライド故なのか、由緒正しき名家の看板故なのかは分からない。
しかし、彼女の心の気骨が砕けていない。それだけで十分に評価できる物だ。
「いいでしょう。貴女の挑戦、何時でもお受けいたします」
蔵人は振り返らずに、ただ笑う。
笑いながら、歩みを進める。
追いつこうとする意思があるのなら、着いて来いと言わんばかりに。
訓練棟について、扉を開けようとしたら、後ろから鈴華が走って来た。
「ひゅ~。間に合ったぁ」
珍しい。
最近は一番に来ていて、誰かと模擬戦をしているのに。
文化祭で忙しいのかな?
そう思って聞いてみると、ビンゴであった。
「いやぁ~。主役だからセリフとか滅茶苦茶多くてさ、一日中台本と睨み合いしてんだよ」
頑張る事は良い事だが、授業中は止めなさい。それで赤点取ったら、元も子もないだろう。
しかし、主役か。
蔵人は鈴華の姿を改めてみる。
黒騎士物語の主役と言えば、つまりは蔵人の事であって、鈴華の様な美人がそれをやる。
まるで、再現ドラマだな。実際の人物よりも格段にイケメンの俳優を当てられているみたいで、むず痒いぞ。
「うん?なんだよボス?」
「ああ、いや。配役はすんなり決まったのかなと思ってね」
「まぁ、ボスの配役は比較的早く決まったな。異能力的に出来るのがあたしか早紀しかいなかったから、後は実力であたしになったんだ」
あれ?そうなの?
意外だった蔵人は、目を瞬かせる。
すると、後ろから不機嫌な声が聞こえた。
「何が実力や。タッパで決まっただけやろが」
伏見さんが、腕組みをして鈴華を睨み上げる。
蔵人はそれに、うんうんと頷く。
やっぱり、背丈が決め手だったんだな。思えば、鈴華との身長差もだいぶなくなってきている。
蔵人が納得している横で、鈴華達が言い合いを始めた。
「何言ってんだ。あたしの方が、ボスの動きを再現できるからって選ばれたんだろうが」
「ウチのサイコキネシス舐めんなや。自分と違うて、上下左右自由自在に動かせるさかいな」
「あたしの方が、大量の盾を体に引っ付けられんだ。ボスが得意な散弾銃も撃てるしな」
「ウチだってやろう思たら出来るわ。見せてやるさかい、今度ウチに黒騎士衣装着させい!」
「無理ですぅ~。オーダーメイドだから、身長160もない早紀じゃダボダボですぅ~」
「ほぉ。なら、奪い取ってやるわ!」
久しぶりの寸劇に、蔵人は2人に割って入る。
「どうどう。2人の異能力が優れているのは知っているからさ。こんな時期に喧嘩していたら、良い舞台に出来ないよ?」
蔵人の説得に、2人も「それはそうだな(そうやな)」と取りあえず納得してくれる。
「あたしらの黒騎士物語は、かなり完成度が高いからな。ボスには悪いが、今回はあたしらの勝ちだ」
「その点はウチも同意や。カシラの英雄譚が、他の舞台に負ける訳ない。舞台で一番を、いや、学校の出し物で一番取って見せますさかい!」
伏見さんが息巻く中、蔵人は首を傾げる。
一番を取る意気込みは良いが、それはどうやって判断するのだろうと。
蔵人が首を傾げていると、鈴華が説明してくれた。
何でも、桜城の文化祭では、当日にアンケート用紙を配布するのだとか。
その用紙に、一番心に残ったクラスの出し物を書き記し、帰りに提出する。
そして、文化祭委員がそれを集計し、学年毎と全体の最優秀クラスを発表するのだそうだ。
なるほど。そういう評価項目もあるので、みんな頑張っているのか。
蔵人は納得すると同時に、鈴華に向けて挑戦的に笑う。
「君が、君達の黒騎士物語に誇りと自信を持っているのは分かったよ。だがね、我がクラスの桃太郎戦記も負けてはいない」
吉留監督の元、クラス一丸となって頑張っているからね。
多少暗い話にはなっているが、それでも完成度で言えば負けていないと思う。
そう、蔵人が胸を張ると、鈴華も楽しそうに笑う。
「さっすが、ボスのクラスだ。相手にとって不足無しってな!」
そう言いながら、鈴華はウキウキで訓練棟に入っていった。
勝手に勝負を受けたみたいな形になってしまったが、これはこれで良い刺激になるだろう。
後で、クラスのみんなにも伝えなくては。
蔵人が鈴華の背中を見つめていると、伏見さんが蔵人に近づいて来た。
あれ?何か用事があったのかな?
「うっす。カシラ、ちょっとええですか?」
「うん。良いよ」
生え際が黒くなってきた伏見さんの頭部を向けられながら、蔵人は肯定する。
すると、彼女は頭を上げて嬉しそうに顔を綻ばせるも、すぐに表情を硬くする。
「カシラに、聞きたいことがあるんですが」
「聞きたいこと…?」
改まってなんだろうか?
彼女の表情が深刻そうで、蔵人は嫌な予感がした。
何か、またトラブルが起きているのか?
蔵人が戸惑っていると、彼女が伏せ気味だった顔を上げる。
「カシラ。昨日、特区の外に居りましたか?」
「えっ、あぁ~」
なるほどねぇ。
蔵人は合点がいって、独りで相槌を打っていた。
「君のお姉さんか」
多分だが、姉御さんから伏見さんに話が行ったのだろう。
今日、伏見さんの友達がこっちに来たぞ?的な話でもあったのだろうか?
姉妹なのだから、そういう情報のやり取りがあっても可笑しくはない。
「やっぱカシラでしたか!」
そう言って、伏見さんは厳しい顔のまま、蔵人の腕に掴みかかって来た。
「何でまた、姉貴に嘘吹き込んだんです?カシラ!」
「う、嘘?」
「そうですわ!カシラがウチの子分なんて、嘘以外の何だって言うんですか!?」
ああ、そうか。訂正しないと、今度はこっちが火が吹くのか。
難しいものだと、蔵人は視線を一瞬空に逃がし、直ぐに伏見さんの方へと視線を戻す。
「済まないね。あの場はそう言わないと、帰してもらえ無さそうだったんだ」
きっと、姉御は何時までも舎弟にすると聞かなかっただろう。
桜城の生徒である事をバラしたかったけれど、他の人の耳もあったからね。姉御だけだったら、妹さんが桜城生徒だという事もあり、状況を理解してくれただろう。
寧ろ、伏見さんの方から、部活仲間だというのを伝えてくれないだろうか?
蔵人はそう、伏見さんに相談する。
だが、伏見さんの顔はより固く、目は怒りを含んでいた。
「何を言うとるんですか、カシラ!ウチはカシラの舎弟です!カシラはウチの、この部活の頭張ってるお人なんですから。仲間や言うてくれるんは嬉しいですけど、ウチはまだまだ、カシラと肩を並べられる程、強うなってないですわ!」
「いやいや。俺達は対等だよ。君が舎弟とか…お姉さんにはそんな事言わないでね?」
もしもあの姉御にそんなことが伝わった日には、二度と姉御の前に出られなくなる。
「ウチの妹を、可愛がってくれているらしいじゃねぇか?」とか言われかねない。
そんな蔵人の懸念は、伏見さんの返答で吹っ飛ぶ。
「安心してください。姉貴にはしっかりと2時間言い含めましたわ。カシラがどんだけ凄いんかを」
「俺もう、砦中行けないじゃねぇか!」
蔵人は悶絶した。
久々の練習はキツく感じる。
基礎練の走り込みで、肺が膨れるのを感じつつ、蔵人は先頭を切り、後ろを付いてくる鈴華と伏見さんがデットヒートをかます。その後ろを2年の先輩方、慶太、最後尾を1年生の女子が続く。
部活に入りたての時は、何周も周回遅れにされていた慶太だったが、今では先輩達と同等まで走れるようになっている。他の1年生も、ちゃんと列について来れる様になっていた。
確実に、この桜城ファランクス部の底力が着いてきているのだ。
では、先頭をもっと伸ばさねばな。
「ペースを上げる。しっかり着いて来てな!」
「あいよっ!」
「うっす!」
蔵人が速度を上げると、負けじとそれに従う鈴華達。
3人とも、顔を真っ赤にしながらも、必死に着いてきてくれる。
うん?3人?
「くぞぉ!負けるがぁ!」
凄い顔で叫ぶのは、鈴華のすぐ後ろに着いてきている祭月さん。
そのガッツは良し。しかし…。
蔵人は、視線を前に戻す。
あまり、異性が見て良い顔ではないからね。
「そう言えば、祭月さんのお陰で助かったよ」
練習終わり、蔵人は訓練棟のモップ掛けを行いながら、隣を掛ける祭月さんにお礼を述べる。
声を掛けられた祭月さんは、片方の眉毛を下げて、口をへの字にする。
「うん?なんの事だ?」
「この前の練習で、魔銀の可能性に気付かせてくれただろ?お陰で強敵の戦法を1つ、潰す事が出来たんだ」
剣聖さんとの試合、相手の風感知を妨害するフレアの存在があったから、あそこまでの接戦に持ち込ませる事が出来た。もしも、フレアが無い状態で彼女とやり合っていたら、果たして、試合になっただろうか。
「ふ〜ん。よく分かんないけど、蔵人が私に感謝してるって事だよな?」
「ああ。感謝しているよ。期待もしている」
彼女は、いい意味でも悪い意味でも考え足らずだ。大抵の場合は裏目に出るが、今回の様に、忌憚ない意見をくれる事もある。
褒められていることを理解した祭月さんは、得意顔で小さな胸を反らせる。
「ふっふ〜ん!そうかそうか。さっすが、私だな!」
こういうポジティブ過ぎるところも、彼女の利点になるだろう。
時として戦場とは、頭のマトモな人間だけでは戦っていられない場所だからね。
「ところで祭月さん。文化祭の準備は順調なのかな?」
「ああ!めっちゃ順調だぞ!もうどの曲にするかも決めてるからな!」
おや、祭月さんのクラスは合唱をするみたいだ。
何を歌うのか、蔵人が何気なく聞くと、
「ふっふっふ。それは当日までのお楽しみ。だが、ガールズバンドである事だけは教えてやろう!」
との事。
「えっ?ロックバンドの歌を合唱でやるの?」
蔵人は首を傾げた。合唱、特に桜城の生徒達が歌うには少々異質だと思ったから。
普通こういうのって、昔ながらの合唱曲とかJ-POPなのでは?
蔵人が首を傾げると、何故か祭月さんも同じように首を傾げる。
「うん?合唱?私が言ってるのは、後夜祭でやるバンドの話なのだが?」
聞いてみると、彼女は仲のいい友達同士でバンドを組んでおり、後夜祭のステージで演奏するのだとか。
桜城の文化祭にも後夜祭なるものがあることを初めて知り、同時に、祭月さんが音楽に強いことに内心で驚く。
彼女は頭で考えるよりも、感覚で感じる方が得意なのだろうな。多分。
「桜城の後夜祭は凄く盛り上がるらしいぞ!そこで活躍できたバンドチームは、プロからオファーが来るなんて迷信もあるくらいだ。よくある学校の迷信だな。ほら、0時になると人体模型が動き出すとか、何処かの教室で告白すると、恋愛が成就するとか。そういう言い伝えの1つだ!」
「おや?どなたか思い人がいるのかい?」
得意顔で話し続ける祭月さんに、蔵人はいたずら心が生まれて聞いてみた。すると、
「私が好きなのはバルファ〇クだ!」
「…誰?」
「モンスターバスターのモンスターだよ!めっちゃ強い龍で、装備もシュッとしててカッコイイんだよ!」
ゲームの話か。
まだまだ花より団子なお年頃なのだなと、蔵人は祭月さんの評価を元に戻す。
「それで?祭月さんのクラスは何をやるの?」
「知らん」
ええっ!?それで大丈夫なの?
蔵人が驚いていると、祭月さんは鬱陶しそうに、蔵人の視線を手で振り払う。
「いいんだよ。いざとなったら、ピアノでもギターでも適当に演奏してやれば、学芸会なんて何とかなるんだから」
そんな適当な感じでも、楽器を演奏できるんだな、この娘は。
思えば、彼女の家には大きなグランドピアノが鎮座していた。
あの時は、追試を受からせることに注力してしまったが、普段からあのピアノを使っているのだろう。
人は見かけによらない。
蔵人はまた、祭月さんの評価を変えるのだった。
部活が終わり、夜遅くに帰宅した蔵人。
だが、そこには暗い顔の柳さんが待っていた。
な、なんだろう?また、元母親が来たとか?
「蔵人様。その、パスポートの件なのですが…」
そう、言い辛そうに切り出した柳さん。
曰く、パスポートの申請は通ったのだが、蔵人が海外に行くためには、パスポート以外にも〈出国許可証〉というものが必要らしい。
その申請に、何と1か月もかかるのだとか。
何でそんなにかかるのか。そもそも、出国許可証とは何なのか。
蔵人が首を捻ると、柳さんが教えてくれた。
「出国許可証は、Cランク以上の方が日本を出る際に必要なものです。普通でしたら、パスポートと共に取れる筈なのですが、男性の場合は1か月もかかるらしく、私も、それは知らなくて…」
何でも、男子のCランク以上はとても貴重な存在なので、その分厳しい審査が必要となるらしい。
これは、過去に起きた集団渡航事件の影響も受けているのだろう。
有力な人材が外に行って、帰って来なくなったら大きな痛手となる。それを防ぐために、念入りな調査をしていると。
「本当なら、Aランク以上の男性や蔵人様の様にご活躍されている男性となると、審査が下りるのに3か月近くもかかるらしいのです。ですがそこは、流子様の口添えで、1か月まで短縮出来ました」
なるほど。
少なくとも、国からしたら、黒騎士の扱いはAランク並みになってしまったという事か。
嬉しいんだか、悲しいんだか…悲しみの方が大きい気がする。
流子さんの助力には感謝だが、それでも1か月はかかるとは。
これは、多方面から攻める必要があるな。
「分かりました、柳さん。ちょっと、心当たりがあるので相談してみます」
蔵人はそう言いながら、携帯電話の画面を見る。
何かあったら頼って欲しい。
そう言っていた、彼の甘いマスクを思い浮かべながら。
文化祭でも順位付けがあるのですね。
「ランクで分けられている世界だからな。何でも評価し、それを公表する。そうすることで、競争させるのだろう」
競争社会という奴ですね。
過熱しなければいいのですが…。




