226話~少しよろしくて?~
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本章は、今話を入れて2話を残すところとなりました。
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地面に降り立った蔵人は、すぐさまランパートを生成して前面に設置する。
何故か、相手の砲撃が止んだので、追加の2枚を加え、トリオまで生成することに成功した。
次に、シルバー・ホーネットを1匹だけ作り出し、それを地面の中へと突入させた。
目指すは、戦艦三笠の艦底。
丁度、九鬼会長が仁王立ちになる真下である。
土に潜ってしまっては、相手の位置が見えなくなる。なので、先ずはホーネットを先行させて、誘導ルートを作成する作戦だ。
丁度、ホーネットが艦底まで到達したところで、会長の砲撃が始まった。
うむ。何とも丁度良いタイミングだ。
蔵人は両手を前に突き出し、出せる盾を総動員させる。
そして、それを一挙に集め、巨大ドリルを形成する。
「盾の掘削機!」
普段、ミラブレイク等で使うドリルよりも、平たくしたドリルだ。
シールド工法で使う掘削機に近いと言えば、近い形状。
そのドリルで、蔵人は地面を掘りだす。
かなりの轟音が響くが、幸いに砲撃音がそれを覆い隠してくれる。
平たくしたドリルは、土を穿つと共に周囲を押し固めてくれるので、崩落の恐れはなかった。
そのまま、蔵人は地面を潜航する。
航行ルートの半分ほどを掘り進めた所で、地上からの砲撃音が鳴り止む。
きっと、残して来たトリオ・ランパートが破壊されたのだろう。
会長がいつ、こちらの作戦に気付くかは分からない。
蔵人は急ぎ、ホーネットが残した軌跡を辿り、三笠の艦底を目指す。
すると、真っ暗だった視界が急に開けて、白い壁が目の前に広がった。
三笠の艦底だ。
「さぁ、一気に行くぞっ!」
蔵人は、シールド・マシンに追加で盾を合成する。
トリオ・ランパートが消えた分、盾を生成出来るようになっていた。
更に巨大になったシールドマシンを、鋭利なミラブレイクに変形させる。
今度は押し固めるのではなく、穿つことに集中するのだ。
「ミラァ・ブレイクゥ!!」
更に速く、より強い螺旋力を得たドリルで、三笠の艦底をぶち抜いた。
三笠の艦内へと侵入する、そこは、濃縮された水の隔壁が何層にも積み重なっていた。
だが、艦底程の強度は無い。
蔵人は三笠の艦内を一気に突き抜ける。
巨大なボイラー室を貫き、煙突配管をぶち抜き、食糧倉庫を素通りする。
そして、艦長公室の天井を貫いた先にあったのは、
空。
青く広がる青空が、真っ先に見えた。
白い雲、第一競技場の白い屋根。
目に映るのはそれだけ。
九鬼会長はどうした?
消えた?
ベイルアウト?
いや、違う。そうであれば、この戦艦三笠が消えている筈だ。
何処に行った?
そう、蔵人が視線を横にずらした時、
見えた。
会長が。
彼女は、蔵人が貫いた場所より数m後方で、驚愕の表情を浮かべていた。
避けた?いや違う。砲撃の反動で、船体が後ろに移動したのだ。
くそっ!そこまでは計算に入れていなかった!
蔵人はドリルを天空へと突き上げながら、歯噛みして悔しがった。
そんな蔵人に向けて、会長が笑みを浮かべる。
嘲笑ではない。侮蔑でもない。
それはきっと、賛辞の笑顔。
よくやった。上出来だ。そうとでも言うように、彼女は残忍に微笑み、蔵人に向けて刀を振り下ろす。
「全砲門回転!一斉射!」
彼女の号令で、無数の砲台が動き出す。
蔵人に向けて、一斉に。
蔵人は、拳を突き上げたままで、
歯噛みしていた口で、大きく弧を描いた。
「まだ、終わってねぇえ!」
叫ぶ蔵人。
その瞬間、右てのドリルは大きく膨れ上がり、そして、
破裂した。
「ホワイト・アウト!」
高速で回転していた盾が、その運動速度を内包したままに、凶器の弾丸となって四方八方に降り注いだ。
蔵人へと照準を合わせていた砲台は、盾の弾丸が突き刺さり、切り裂かれ、貫かれ、砲身や砲台に致命的なダメージを負った。
だが、
「はぁあああああ!!」
甲板で仁王立ちとなっていた九鬼会長は、その掲げていた秘剣、大瀑布を思い切り振り降ろした。
途端、発生する大滝の一閃。
「瀑・斬!!」
その空間すらも切り裂こうとする一撃は、迫り来る白い雪崩を真っ二つにした。
白い悪魔は、そのまま会長を避けるように過ぎ去り、会長は大瀑布を甲板に突き刺して、そのまま座り込んだ。
「はぁっ!はぁっ!うっぐ…。はぁ、はぁ」
大瀑布に縋って、荒い息を繰り返す会長。
巨大戦艦を作り上げ、無数の弾丸を連射した彼女は、既に魔力も尽きようとしている様だった。
そんな彼女が、まだ鋭さを残した眼で、蔵人を見上げてくる。
「見事だ、はぁ、はぁ、巻島、少年。いや、黒騎士選手、と、呼ぶべきか」
そう言うと、彼女は左手を持ち上げて、蔵人に肘の辺りを見せてくる。
そこには、袖口から肘にかけてをバッサリと切り裂かれた、彼女の制服が見えた。
「君の、勝ちだ。黒騎士選手」
蔵人の一撃が、辛うじて届いていたのだった。
「完敗であった、蔵人君。流石は、巻島流子殿の一番弟子だな」
試合終了後、蔵人は控室で関係者たちと談笑していた。
今ここに居るのは、蔵人と風紀委員のお2人。そして、九鬼会長と書記の蒼凍ちゃんであった。
やはり、彼女も生徒会の一員であった。
流子さんのお子さんという事もあり、九鬼会長から推薦を受けて書記に就任したのだとか。
本人は「私なんて、チーム戦で都大会ベスト8が精々なのに、会長が拾ってくれたから入れただけだよ」と恥ずかしそうに言っていたが、そうであれば直ぐに解雇されていただろう。きっと優秀だから、会長からの信頼も厚いのだと思う。
蔵人は九鬼会長と握手をして、彼女の賛辞に返答する。
「こちらこそ、かの九鬼家の水軍と拳を交えることができ、感無量でした」
「ほぉ。九鬼家を知っているのか」
「ええ」
九鬼の水軍は戦国時代、織田信長様の海戦部隊として大活躍した家だ。鋼鉄で覆われた鉄鋼船をいち早く取り入れ、毛利の水軍600隻を、僅か6隻で撃退したという逸話がある程に優れた水軍であった。
それを考えると、彼女の異能力が戦艦であるのは当然の事と思える。
何せ、異能力で無生物を生み出すのは…。
蔵人が思考の海に浸っている内に、会長は風紀委員長の前に進み出て、小さく頭を下げていた。
「これまでの非礼を謝罪致します。申し訳ございません、近衛風紀委員長」
「え、ええ」
これまで威圧を掛けられてきた近衛様は、九鬼会長の変わりように付いて行けない様子だった。
彼女のその様子に、九鬼会長は頭を上げて、心の内をさらけ出す。
「私は、いつの間にか周りが見えなくなっていたようです。1年生で全国に出場し、人気だけで生徒会長となった私は、いつの間にか生徒達に、大人達に認められる事だけに気持ちが急いてしまっていました。その思いが、いつの間にか周りの機嫌を取る為だけに向いてしまい、貴方達風紀委員に無茶な願い出ばかりを押し付けてしまったのだと思います」
なるほど。
周囲の要望を聞き過ぎたのね。
きっと、今まで抑えられていた鬱憤が全て、生徒会へと行ってしまったのだろう。
歴代の生徒会長がどのような人かは分からないが、きっと九鬼会長の様に強く物を言える人が居なかった。
だから余計に、一般生徒達は彼女に期待してしまい、期待しすぎて重荷となってしまったと。
「だが、蔵人君と戦って分かったよ。私の力はまだまだだと。皆の期待を全て背負えるほど、私の背中は大きくは無いのだと、理解することが出来た」
「それは、私も分かりますわ」
会長の独白に、二条様が頷いた。
「私も、1人で苦しんでいました。苦しみ藻掻いて、傷つけてはいけない人達も巻き込んでしまっていました。でも、ある人のお陰で気付けました。私は1人ではないのだと。助けてくれる人が居るのだと」
そう言って、二条様は横目で、こちらに視線を送って来た。
いやいや。そんな大層な事はしていませんよ?
蔵人は小さく首を振るが、彼女はそれを見て微笑むだけだった。
二条様の視線が、九鬼会長に戻る。
「九鬼さん。貴女も周囲に頼るべきですわ。頼る事は、決して悪い事ではありません。私も、最初は弱みを見せるのが恥ずかしくて、頼る行為が悪い事の様に思っていました。でも、誰かに頼る事はきっと、自分だけでなく、周りの人達も幸せにするのですわ」
「頼る、か。そうですね」
二条様のお話に、九鬼会長はその言葉を噛みしめるように頷いた。
二条様は、穂波嬢の件で色々とあったからね。あの時の苦しみと、会長の苦しみを重ねているのだろう。
説得力のある言葉に、九鬼会長は後ろで控えていた蒼凍ちゃんを見る。
彼女を頼ろうとしているのかな?蒼凍ちゃん、ビックリしてアワアワしているよ?
「九鬼生徒会長。それで?警備の件なのですが」
近衛様の問いかけに、九鬼会長は振り返って、小さく頭を下げた。
「はい。警備員に中等部生の力を借りるというお話でしたが、生徒会としても、その案に賛成致します」
そう言うと、自虐的に笑う会長。
「これだけの実力を見せつけられたのです。寧ろ、こちらから頼み込みに行かねばなりませんね。中等部のファランクス部に」
そう言って、九鬼会長はこちらを見てくる。
うん。正式に申請してもらえた方が、鹿島部長としても動きやすいだろうね。
蔵人は、九鬼会長の申し出に、力強く頷いた。
そうして、高等部の文化祭の問題点が解消したので、蔵人達は中等部への帰り道を歩いていた。
蔵人の前には、九条様と西園寺先輩が並んで歩いており、後ろには近衛先輩と二条様が付いて来られていた。
蔵人達を見送ると言ってくれたお2人だったが、委員長と副委員長にご足労頂くのはとても忍びない。
だが仕方ない。お2人が「功労者を労いもせずに、帰す訳にはいきませんわ」と言われるのだから、それに甘えるしかなかった。
「それでは、近衛様。二条様。ごきげんよう」
中等部へと続く庭園の前で、九条様が別れの挨拶をされて、西園寺先輩が小さくカーテシーを行う。
蔵人もそれに習い、庭園へと入っていく2人の背中に付いて行く。
付いて行こうとしたところ、
「巻島君。少しよろしくて?」
近衛様に引き留められてしまった。
蔵人は独り、お2人の前に戻る。すると、近衛様が腕を組み、少し難しめの顔で蔵人を見据えた。
「貴方、少々前に出過ぎですわ。あの九鬼さんと渡り合える力を持っているのだから、思い上がる気持ちも理解は出来ます。ですが、英雄と蛮勇は違う物。我々の問題に、貴方のような地位も後ろ盾も無い人間が首を出せば、何時かその首が刎ねられてしまいますよ?」
彼女の言っているのは、生徒会室で九鬼会長と対峙した時の事を言っているのだろう。九鬼会長が威圧を飛ばして来た時に、お2人を庇うように前へ出てしまった時の事を。
蔵人は中等部生で、貴族でもなければ他家と婚姻を結んでいる訳でもない。そんな状態で割って入れば、人によっては権力によって報復して来る。そう言われているのだ。
今回は、舞台に上がった人達が全員優しい人達だから、丸く収まったのであって、どちらかの勢力に理性的に考えない者が居たら、もっと面倒な事になっただろう。
例えば、炎上事件を再燃させたりとかね。
それを態々教えてくれる近衛様に、蔵人は深く頭を下げる。
「ご忠告、誠にありがとうございます、近衛様。今後は、身の丈に合った対応をするように、心がけていきたいと存じます」
「そう。分かっているのなら良いのです」
蔵人が頭を上げると、腕組みを解かれて、若干表情が優しくなった近衛様が見えた。
薄っすらと微笑まれていた口元を扇子で隠し、柔らかい口調で続けた。
「とは言え。そのお陰で私達は救われましたわ。貴方の勇気ある行動が、桜城の文化祭を正常なものに導いてくれたのです。生徒会と私達の関係も、ね。そのことに、深く感謝致しますわ」
そう言うと、彼女は小さく頭を下げた。
下げられた蔵人はヒヤヒヤものだ。このような場面、他の誰かに見られたら大事になってしまう。
「近衛様。勿体ないお言葉です。そのお気持ちだけで充分ですので」
「そうも参りません。品格を重んじるのが華族という者です。貴方の功績に、何らかの形で報いねば、礼儀知らずと謗られますわ。貴方の勇気ある行動に報いる褒章…」
そう言って、近衛様は扇子を一旦閉じて、扇子の先を口元に軽く押し当てる。
何が良いのか、思案されているのだろう。
そして、何かを思いついた表情をされて、扇子を再び開いた。
「近衛家が、貴方の後ろ盾になるのは如何でしょう?」
「そ、それは…」
それって、ただ守ってやるという事ではないですよね?絶対、婚姻とか、恐ろしい言葉が付いてきますよね?
蔵人が顔を引きつらせていると、二条様からも苦言が飛ぶ。
「瑞姫様。それでしたら、私からも声を上げさせて頂きます。黒騎士様には、是非とも私の妹にお会いして頂きたく…」
「煉様の妹君は確か、イギリスに留学されているのでは?帰国は当分先と聞き及んでおりますよ?」
「あら?瑞姫様だって、すぐ下の妹君でも、初等部に入ったばかりとお聞きしておりますが?」
お2人の会話で、確実にヤバい方向に暴走されているのが分かる。
これは、何としてでも止めねば。
「お2人とも。少々よろしいでしょうか?大変ありがたいお申し出ではありますが…」
蔵人が冷や汗をたらたら垂らしていると、お2人は顔を見合わせて、「ぷふっ」と小さく吹き出していた。
あっ、からかわれていたのか。
分かり辛いな。流石はお貴族様だ。
蔵人が肩の荷を下ろしていると、
「ですが、何か後ろ盾が必要なのは事実ですわ」
そう言って、近衛様は蔵人のすぐ近くまでいらして、右手をゆっくりとこちらに差し出された。
何でしょうか?手で何かを包み込んでいるご様子。その中身を受け取れと?
蔵人は両手を近衛様の手の下に差し出して、皿の様に受けを作って”それ”を受け取る。
コロンと、手の中に転がり込んできたのは、花の絵が描かれた小さなブローチ。
百合の模様!?…じゃないな?何だろう?桜…でもないし…。
「黒騎士様。それはツツジですわ」
蔵人が不思議そうに見詰めていると、二条様が教えてくれた。
ほぉ。ツツジか。小学生の時に、帰り道で斎藤君が蜜を吸っている姿を偶に見かけた事があったなぁ。
蔵人は少し懐かしくなり、顔を綻ばせて近衛様に顔を向けた。
「ツツジでしたか。ありがとうございます。大切に保管し、次のパーティーにでも付けさせて頂きます」
庶民的な花で丁度良い。そこまで派手な飾りでもないので、黒スーツにも似合うだろう。
蔵人が微笑みながらお礼を言うと、しかし、お2人は微妙な顔をされる。
うん?なんでしょう?物凄く高価な代物だったとか?
「黒騎士様。その花の意味を、ご存じありませんか?」
「ツツジの花言葉、ですか?申し訳ありません。勉強不足な者で、存じておりません」
「いえ、そうではなく…」
うん?どういうこと?
困り顔の二条様を見て、蔵人は更に困惑する。
すると、隣の近衛様が、若干呆れたような顔で教えてくれる。
「巻島君。このブローチの意味は、私達風紀委員が、貴方を認めたという意味を持つです。言わば、貴方の立場を我々が保証し、庇護するという物です」
おお!それは何と有難い物なのだろう。
詰り、これがあれば面倒事に巻き込まれ難くなるという事だね?
素晴らしい。
「そして、それを持つことは即ち、ゆくゆくは高等部でも風紀委員になれる資格を有するという証明にもなります」
なっ、何だと!?
「い、いい、頂けません!こんな」
「こんな?」
おっと、余りの衝撃に口が滑ってしまった。
眉が寄った近衛様に頭を下げて、蔵人は言い直す。
「私は一般人でございます。高貴な方々が集う風紀委員の皆さまと肩を並べようものなら、それこそ身分不相応かと」
「確かに、貴方が言うように、風紀委員は上位貴族の子女しか受け入れていませんわ」
そうでしょう?
蔵人が「助かった」という表情で笑みを作ると、近衛様は小さく首を振った。
「ですが、今回の件で分かりましたの。いつまでも血にばかり重きを置いては、何時か取り返しのつかないしっぺ返しを受ける時が来ると。一般でも優秀な者も招かねば、風紀委員が古く、風化してしまうかもしれないと」
確かに、それはある。
広く門扉を広げねば、どんな世界も先細りしてしまいもの。
それは分かるんだがね…。
蔵人が困っていると、二条様が蔵人の手を取る。
「大丈夫ですわ、黒騎士様。この花を持つ者が必ず、風紀委員に入ると決まっている訳ではありません。資格の一つを持っている事に過ぎず、最後は本人の意思に寄るのです」
う~ん…それなら、入らなくてもいいという事なのかな?
蔵人が悩んでいる内に、お2人は蔵人にカーテシーをされて、別れの挨拶をされる。
「それでは、巻島君。ごきげんよう」
「ごきげんよう、黒騎士様。また会館でお待ちしております」
そう言って去って行くお2人の背を見て、蔵人は肩を落とした。
このまま会館に通ったりしたら、確実に風紀委員に入れられるだろう。
絶対に、会館に行くのは必要最低限に抑え、このブローチを使うのも極力避けるぞ!
固い信念を心に抱き、胸には恐ろしいブローチを抱き、蔵人は夕日に誓った。
無事に、生徒会長との対話(物理)が終わりました。
「だが、風紀委員にまで目を付けられてしまったぞ?」
だ、大丈夫ですよ。二条様達も、必ずしも成るものじゃないって言っていましたし。
「イノセスよ。それが建前と言うものだ」
ぐっ…。
イノセスメモ:
・シールド工法…シールドと呼ばれる機械を使用し、前方の土砂を削り、後方に土を送り、崩れないように押し固めて進む工法である。軟弱地盤でも掘り進めることが出来るので、水底トンネルの掘削などで活躍した。