184話~…これ、後で頂くことは出来るかしら?~
開会式の後、試合が執り行われた。
蔵人の相手は、葛西臨海中学の3年生。
背丈は蔵人と同じくらいあって、女性としては大柄な方だ。
審判が入場し、お互いに挨拶するようにと指示が出る。
「宜しくお願いします」
「うぇ!男の子!?」
声を掛けたら、相手が凄い驚いている。目をまん丸にして、信じられないと小さく首を振る。
「ボロボロじゃん、君。そんな装備で大丈夫なの?ウチの学校で余ってる装備を貸そうか?なんならあたしの…」
「ご心配頂きありがとうございます。でも大丈夫です。問題ありません。どうぞ、心置きなく試合に臨んで下さい」
手甲を脱ぎだした彼女を制して、蔵人は軽く頭を下げる。
やはり東日本において、ファランクスは認知度が低いようだ。
一般の方などは、テレビや雑誌などで黒騎士の名前を知っているのだろうが、選手となると別。
彼女達は、強化合宿や遠征と忙しく、なかなかメディアに触れられなかったのだろう。
中学生だから、バラエティーとかは見るけれど、ニュースとかは見ないのかな?
蔵人はそう思いながら、相手選手と握手する。
すると、
「黒騎士様!ご武運を!」
観客席の最前列で、円さんが精一杯の声援を送ってくれている。
まばらな観客席でそんなことをするから、彼女は凄い注目を集めてしまっている。
恥ずかしいだろうに、そんな事は一切表情に出さず、こちらに手を振ってくれていた。
有難いものだ。
蔵人も手を振り返す。
そんな蔵人達を見て、相手選手は更に驚愕の表情となった。
「えっ!あれって、九州の鮮血選手じゃ…。なんで、こんな小さな大会に来てるの?」
そんな独り言を零して、円さんを穴が開く程見詰めていた。
なるほど。ファランクスの情報は疎くても、シングルの情報は聡い模様。
史実に当てはめて考えてみると、野球部員がサッカー天皇杯の勝敗を知らないのと同じように、分野が違えば興味を持たないのが人間であって、不思議な事ではない。
そう言う自分だって、シングルCランクの強者は紫電と剣聖くらいしか知らない。
…剣聖は高校生か。
このシングルにおいては、己が無名であることを再確認しながら、蔵人は対戦の初期位置に立つ。
相手との距離は5m程。
審判が右手を真っ直ぐに上げ、そして、
「始め!」
試合開始の合図。それと同時に、相手選手が突っ込んできた。
「先手必勝!ごめんね!」
重そうなプロテクターを着ているのに、随分と素早い動きだ。
恐らく、ブースト系。
彼女は、手のひらを押し付けるように、こちらへ突き出してきた。
まるで、相撲のツッパリだ。
「せりゃ!」
躊躇ない攻撃。全力でもって攻めてきている。
良いぞ。
蔵人はそれを、水晶盾で受ける。
受けた瞬間、盾がグッと押されるが、宙に浮いているのでこちらへのダメージは無い。
「なっ!」
攻撃を防がれたことで、相手は再び驚き顔を晒す。
隙だらけである。
蔵人は、そんな相手のわき腹に、中段の回し蹴りを放つ。
ジャストミート。
相手は一回転、二回転と地面を転がり、蹴られたわき腹を抑えながら、地面に座り込んだ。
「うっ…、何?なにが、どうなって?」
座り込みながら、顔を歪める相手。何が起きたのか理解できていないみたいで、こちらを見る目が不安げに揺れていた。
ただ蹴っただけなのだが、相手は何か、特殊な異能力を使ったとでも思っているみたいだ。
最初の勢いが完全に死んで、なかなか立ち上がらない相手選手。
そんな彼女に、
「先輩!立って!立ち上がって攻撃して!」
「ただの蹴りです!相手はただのシールダーです!」
応援席から、そんな声が彼女に降りかかる。
見ると、彼女と同じようなプロテクターを付けた女の子達が、観客席で必死になって声を上げていた。
そんな後輩たちの声援を受けて、相手選手はゆっくりと、ゆっくりと立ち上がった。
だが、攻撃しようと構えることは無く、蹴られたわき腹を抑えて背中を丸めるだけだった。
仕切りに首を振り、小声で訴えかける。
「ただの、蹴り?シールド?そんな訳ないじゃん。今の喰らってないから、そんな事言えるんだよ…」
これは…精神的にもダメージを負ってしまったか。
彼女の足には、もうフィールドを踏み出す気力がない。
そう思って、蔵人から彼女に近づこうと一歩踏み出した。
だが、その途端、彼女も一歩下がってしまった。
うん。完全に折れているな。
そう思ったのは、蔵人だけではなかった。
「試合終了!」
審判が声を上げた。
そして、挙げた手をこちらへと下ろした。
「勝者!桜坂聖城学園、96番!」
試合続行不可能と判断したのだろう。
相手選手も、その声を聴いて安堵のため息を吐いている。
「ありがとうございました」
試合後に、相手選手と握手する蔵人。
「いやぁ〜、強いね君。偉そうな事言っていたのに、なんも出来なかったよ、あたし」
明るく言い放つ彼女だが、頬が若干引きつっている。
無理して空元気を出しているのが丸分かりだ。
蔵人は彼女に向けて、自身の兜に刻まれた傷を示して言う。
「気に病まないで下さい。こう見えて僕、結構強いんです。あの紫電ともやり合った事もあって、この傷は彼に付けられた物なんですよ」
「ええっ!そうなの!?」
驚いた彼女は、蔵人の体中に付けられた傷をしげしげと見詰める。
「なるほどねぇ。あの紫電と…。そりゃ、強い訳だぁ…」
納得した様に頷く彼女。
引きつっていた笑顔も、すっかり消えて、背筋も真っすぐに伸びている。
もう、大丈夫そうだ。
この試合のせいで、再起不能なんかになったら大変だから。
観客席に戻ると、円さんが出迎えてくれた。
「お見事でした、黒騎士様。流れるような攻防の切り替え。流石としか言いようが御座いません」
「ありがとうございます。円さんの応援が効きました」
「そんなっ。勿体ないお言葉です」
そう言いながらも、頬に朱色が差す円さん。
美人さんが、そんな顔をするのは反則ですよ?
蔵人が、円さんの美貌に打ちのめされていると、すぐ近くで「カシャ」という音が聞こえた。
そちらを見ると、ニンマリと笑みを浮かべる敏腕記者の姿が。
「ベストショット!」
「撮影許可もちゃんと取りなさい」
蔵人は若葉さんの前に立ち、腕を組んで彼女を見下ろす。
すると、困惑気味に円さんが聞いてくる。
「黒騎士様。この無粋な者は?」
「この娘は僕の親友です。色々と情報を集めてくれるので、とても頼りになるのですが…」
時折、デリカシーとプライバシーが無くなるのが玉に瑕なんだよな。
蔵人がため息を着いていると、円さんは鋭い視線を若葉さんに送る。
ああ、別に困らされている訳じゃありませんよ?だから、片倉さん達みたいに追っ払ったりしないで下さいね?大事な戦友ですから。
「望月若葉です。貴女が彩雲の円さんですね?被写体が良いから、凄くいい絵が撮れました!」
「…ちょっと、見せて貰える?」
凄い満足そうに言う若葉さんに不安を覚えたのか、円さんは彼女に詰め寄る。
若葉さんは「良いですよ!」とデジカメを操作して、画面側を彼女に向けた。
その数秒後、
「…これ、後で頂くことは出来るかしら?」
「構いませんよ?メールアドレスを教えてくれれば」
こそこそと、2人で何かやっている。
何はともあれ、一触即発な雰囲気が無くなったので安心だ。
若葉さんと合流した蔵人は、観客席で円さんの試合観戦をすることにした。
先ほどは、円さんが応援してくれたからね。そのお礼という事で、今度は円さんの試合を応援する。
そう言うと、円さんは「そんなっ。黒騎士様のお手を煩わせてしまいます」と拒否しようとしていたが、顔がニヤケていたので迷惑ではないのだろう。
「試合始め!」
円さんの相手は、上野学院中等部の3年生。
聞いたことない学校だが、結構強い学校だと若葉さんが教えてくれた。
それでも、試合は開始直後から円さんのペースだ。
相手は、円さんの剣技の前に成す術がない。
あれでも、円さんは相当手を抜いているだろうに。
蔵人は、自分の後ろに座っている人の邪魔にならないのを確認してから席を立ち、口の周りに盾を設置する。
ドラゴニック・ロア。準備完了。
『フレー!フレー!マ・ド・カ!』
声を張り上げた瞬間、詰めかけている観客達の視線が一挙にこちらへ集中する。
恥ずかしいが、先ほどの円さんも同じ思いをしていたのだ。耐えねば。
そう思っていると、ひと際鋭い視線がフィールドの方から降り注ぐ。
そこには、こちらをガン見している円さんの姿が。
彼女は、輝かんばかりの微笑を浮かべて、次の瞬間には鋭い視線を相手に向けて、目にも止まらぬ抜刀術を繰り出した。
相手は、その刀身が降り注ぐ前に、ベイルアウトしてしまった。
当たっていたら、多分、体が真っ二つだったろうからね。
「勝者!彩雲中学、島津円選手!」
観客席中から拍手が巻き起こる。
みんながこの試合に注目していたのだ。
それもそうか。全国選手が来ているのだから。
蔵人も、円さんに拍手を送る。すると、彼女が凄いスピードでこちらに走り出した。
観客席のフェンスを飛び越え、その勢いのままこちらへ突っ込んでくる。
あっ、これはヤバい。
蔵人がクッション付きの水晶盾を前面に展開すると、彼女はその盾に取りついた。
「黒騎士様!今、いま私の名前を呼び捨てにしていただけましたね!これはもう、実質婚儀を上げたのも同義!そうでしょう!?」
「そうじゃないでしょう!ちょっと落ち着いてください」
水晶盾を食い破りそうな勢いで迫って来る円さんに、蔵人は困惑を隠せない。
応援のリズム的に呼び捨ててしまったが、彼女相手にそれは悪手であった。反省せねば。
若葉さんにも協力してもらい、何とか円さんを拘束して、落ち着くまで縛り上げる。
そして、彼女が落ち着いたのを確認してから、蔵人の2回戦会場へと移動した。
2回戦の相手は、なんと足立中の3年生だった。
シングル部の娘だからか、初めて顔を合わせたはずなのに、相手の娘も、相手の応援席からも悲鳴に近い声で迎えられてしまった。
「うわぁ…桜城の96番って、黒騎士かよぉ…」
「柴田さんが言ってた人じゃん。テレポーターか!ってくらい速く動くんでしょ?」
「ファランクス部全員を、たった1人で倒したって聞いてるよ?」
「Cランクの皮を被ったAランクらしいよ。良く分かんないけど」
なんだか、誤情報もたんまり入っているが、相当警戒されているという事は分かった。
やはり、直接戦った事のある学校では、蔵人の名前もある程度噂になっているみたいだ。
「始め!」
試合開始。
蔵人は、全身に纏った鉄盾を総動員して、相手に接近する。
相手は、遠距離系の異能力者みたいで、開始早々にこちらに両手を構えていた。
「エアロシュート!」
風の弾丸。それを、蔵人は鉄盾に角度を付けて受け流す。
そう、今回の大会で、蔵人は鉄盾をメインに使って行こうと考えた。
1回戦では水晶盾を使っていたが、Cランク相手には過剰であった。なので、攻撃力も積載量も少ない鉄盾であれば、いい勝負が出来るのではないかと考えた。
だが、
「そこまで!」
試合終了。
相手は鳩尾を突かれて蹲っている。
まだまだ、魔力過剰だったのかも知れない。
かといって、全てをアクリル板に置換することは出来ない。アクリル板だと、簡単に壊れてしまうから。
これは、攻撃の時だけアクリル板を混ぜるようにするか。
そんな事を考えながら観客席に戻ると、そこでは若葉さんと円さんが、楽しそうに顔を寄せ合ってカメラを覗き込んでいた。
何しているの?
「あっ!蔵人君お帰り!」
「はっ!黒騎士様!お出迎えも出来ず、申し訳ありません。今回もお見事なご活躍でした」
「とんでもない。何を見ていたんですか?」
蔵人の問いに、若葉さんがデジカメを見せてくれた。
そこには、先ほどの試合写真が収められており、蔵人の姿が何枚も撮られていた。
どうも若葉さんは、撮れた写真を円さんに見せていて、欲しい物があったら送るよ?というやり取りをしていたらしい。
それで、円さんは熱心に選んでいたという事か。
「どの写真も素晴らしく、ついつい魅入ってしまいました」
「そう言ってもらえると、私も嬉しいよ」
本当に嬉しそうに、ちょっと照れて笑う若葉さんに、円さんも微笑み返す。
「黒騎士様が言われていた通り、若葉はとても優秀な子ですね。可能なら、私の妹として迎えたいくらいです」
「ええっ!島津みたいなガチガチの武家に、私じゃ付いていけないよ」
「何を言ってますの。先ほど私を拘束した技、とても見事でしたよ」
そう言って、若葉さんに抱き着く円さん。
なんと。円さんが若葉さんを狙い始めたぞ?
このままでは不味い。親友を取られてなるものか!
「円さん。若葉さんが欲しければ、先ずは私を倒してからにして下さい」
「はい。黒騎士様に認めて貰い、お2人とも私のものに致します」
しまった!こちらにも飛び火してしまった。
円さんに手を握られた蔵人と若葉さんは、互いに見つめ合って、どうした物かと困り顔を突き合わせた。
その後、円さんの応援に行き、彼女は難なく勝利を重ねていった。
蔵人も、今度こそしっかりと応援したのだが、帰って来た円さんに凄く感謝されてしまう。
もしかしたら、男子に応援されるという事自体が、レアな事だからかも知れないな。
そして、蔵人の3回戦となったのだが、相手である白銀の中衛装備に身を包んだ少女が、こちらを不満そうに見ていた。
「えっ?お兄さん、どうやってここまで来たんですか?3回戦ですよ?お兄さん、シールドでしょ?」
そう言うのは片倉さんの取り巻き、その1人であった。
彼女も他のシングル部員と同様、若葉さんの校内新聞を都合のいい解釈で見ている口みたいだ。
もしくは、シングル部中心に広まっている噂、黒騎士はお飾りのエース説を信じているのか。
エースじゃないから、間違いじゃないんだけどね。
「始め!」
審判の合図。
だが、相手の取り巻きさんは構えない。
困ったように、肩をすぼめる。
「お兄さん。申し訳ないんだけど、先輩の目もあるから負けてあげる事は出来ないの。いくら頼人様の身内だったとしてもね。だから、素直に降参してくれたら嬉しいんだけど?」
彼女の様子は、挑発している風には見えない。
頼人の親族に手を挙げる事に本気で困っていて、本心から棄権を促しているのだろう。
彼女達シングル部の中では、今でも蔵人の評価は、夏前の門前払いを食らわせた時と一緒の様だ。
それを理解して、蔵人は構える。
「お気遣いありがとうございます。ですが、棄権はしません。どうぞ全力で戦って下さい」
そう言う蔵人に、しかし、少女は大きく首を振った。
「やれやれだぜ」とでも聞こえてきそうだ。
「お兄さん、少しは考えて下さい。大好きな頼人様のお兄さんに、手を上げるなんて出来っこないでしょ?だから、こうして優しく教えてあげてるのに」
聞き分けの分からない子供を見る様に、少女が嘆く。
なるほど。そう言う足枷があるのね。
であるなら、
「でしたら、こういうのは如何でしょう?私が、貴女をテストします。私に勝てれば、貴女を頼人の護衛に強く推しましょう」
「いや、Cランクのお兄さんが推したところで、何が出来…」
「私は、巻島当主から頼人の護衛を任されています。舞踏会での護衛等の、重要な役割をね」
畳み掛ける様に言い放つと、少女の目の色が変わる。
「それ、本当なの?」
「ええ、本当です。ですので、貴女が私に勝つことが出来れば…」
護衛の件を考えましょうと、蔵人が言い切る前に、少女から弱い電撃が放たれた。
蔵人の体に貼った鉄盾で十分受けきれたので、Dランク程度の攻撃だ。
だが、
「どう?動けないでしょ?」
攻撃が直撃したと勘違いした少女が、勝利の笑みを浮かべている。
電気ショックで動けなくしたと思っているのだろうか?
思い切りの良さは、まぁまぁかな。
勝ったと思って、攻撃を止めてしまったのは減点だが。
まぁ、総じて評価すると、
不合格だ。
蔵人はゆっくりと歩き出す。
それを見て、慌てて少女が構えなおし、雷撃を放ってくる。
だが、弱い。
小さな鉄盾を生成し、それで全て受け切れてしまう。
すると、今度は少し強めの雷撃を放ち始める少女。
だが、放つまでの時間が遅い。蔵人はそれを受けずに、全て躱してしまった。
「なっ!うそっ!」
少女は驚き、急いで距離を開けようと蔵人に背を向ける。
それを見て、蔵人は少女の方に飛び込み、飛び込んだ勢いのまま、少女の背中を蹴りつける。
「がぁっ!」
アヒルの様な声を出しながら転がり倒れる少女。だが、すぐに立ち上がろうとする。
なるほど。アクリル板を貼り付けた蹴りであれば、ベイルアウトしない威力で攻撃できるみたいだ。
僥倖。
蔵人は、四つん這いになった少女の腕を蹴りで軽く払い、支えを失った少女は仰向けで転がる。
引きつった顔で、こちらを見上げる少女に、微笑みかける。
「何を寝ているのかな?それで護衛が務まると思っているのかい?」
そう言うと、ちょっとムカッとした顔になる少女。
こちらに向かって手を上げ、雷撃を放とうとする。
だが、遅い。そして隙だらけだ。
蔵人はその手を、アクリル板の蹴りで弾き飛ばす。
「いたっ!」
「痛がっている場合ではないよ。自分の事よりも、先ずは護衛対象を守る事を優先させるべきだからね。感情的になってはダメなんだよ。護衛という仕事はさ」
蔵人はそう言うと、水晶盾で拳を覆い、少女に向けて振り下ろした。
拳は、少女の顔の真横に突き刺さり、コンクリートをぶち抜いていた。
それを見た少女の顔が、一気に青くなる。
「あっ、ああ…」
「どんな強者が現れようと、身を呈して対象を守る。それが護衛であり、君達が思い描く様な甘いものでは決してない」
蔵人は拳をコンクリートから引き抜き、立ち上がる。
震えて見上げてくる少女に、冷たい視線を降らせる。
「頼人の護衛を、水無瀬さん達を、あまり舐めてくれるな」
「試合終了!勝者、桜坂聖城学園、96番!」
試合が本格的に始まりましたが…。
圧倒的ですね。
「Cランクではそうであろう。それ故の制限だ」
それでも余裕そうですね。
試合前に絡まれた、片倉さんの一派も難なく轟沈させました。
「護衛の任務を軽んじられて、少々頭に来ていたな」
普段に比べたら、ちょっとやり過ぎな気もしますが、その方が良い薬になったと思います。