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156話~蔵人、お前に良い話がある~

新章開幕です。

8月26日。正午。

ビッグゲームの閉会式から2日が経った。

桜城の選手達は昨日、無事に東京特区へと帰宅し、今頃は短くなった夏休みを満喫している事だろう。

中には、ビッグゲームよりも苦しい時期を過ごす娘もいるみたいだ。

練習に注力するあまり、夏休みの課題に殆ど手を着けていない!という声も各所で聞こえたから。

因みに蔵人は、昨日で全ての課題を終えている。

絵画の課題が、受け取り拒否されなければという、条件付きではあるが…。


そんな中、蔵人は現在、柳さんが運転する車に乗って、巻島本家まで来ていた。

火蘭さんに伝えられてた、氷雨様主催のビッグゲーム慰労会が今日、催されるからだ。

場所は本家の別邸。

幼少期に赴いた会場の隣にある、一回り小さな建物だ。

別邸の玄関で待機していた火蘭さんからは、来客用の建物だと説明を受けたが、恐らく違うだろう。

お前ごときを本館には招かない。

そう言う、氷雨様の意図も見え隠れする。


「お気をつけて、蔵人様」


玄関まで見送ってくれた柳さんが、蔵人の手を握る。

彼女も何となく感じているのだろう、この威圧的な巻島家の構え方に。


「ありがとうございます、柳さん。行ってまいります」


蔵人は微笑み、柳さんに軽く一礼する。

そして、火蘭さんに連れられて、伏魔殿の中へと進む。


「こちらでございます」


火蘭さんに通された部屋は、別邸のかなり奥の方にある和室であった。

部屋の中央には、高級感溢れる木製の長テーブルと、6脚の椅子が設置されている。

天井や壁からは、優しい照明が部屋の中を照らす。

壁には達筆な掛け軸が掛けてあり、反対側には水龍の柄が書かれた着物が立てかけてあった。

庭に出る側の障子が開いており、そこからは整備された日本庭園を望むことが出来る。

高級料亭と言われても、遜色ない部屋である。


遜色ないのだが、誰もいないのは何故だろうか?

時間を間違えたか?と不安になるも、招待状には確かに正午と書かれていた。

入室を躊躇する蔵人。その横を、火蘭さんがすすっと通り抜ける。


「どうぞ、こちらに」


そう言って、火蘭さんが引いたのは、庭側の椅子。

所謂、お誕生日席である。

うん。流石にここで末席に座らせたら、何のために呼んだのか分からなくなる場面。

そう思いながらも、蔵人は遠慮気味に腰を下ろす。

主賓を待たせたら、末席でも上座でも関係ない気がするんだけど…?

内心、蔵人は愚痴を零す。


その途端、入口の襖が開いた。

蔵人は慌てて立ち上がり、入出者の方へと視線を向ける。

そこには、


「まぁ!蔵人君。もう来ていたのね!」


弾けんばかりの笑顔を向けてくる、瑞葉様がいらっしゃった。

その後ろからは、最近ご無沙汰していた流子さんの姿と、その後ろから、ちょこんと頼人が顔を出した。

おお、なかなか楽しそうなメンバーじゃないの。

蔵人は、少し肩の凝りが解れた気がした。


「ご無沙汰しております、瑞葉様。流子さん。少々、気が()いてしまった様です」


蔵人が戯けて言うと、瑞葉様は楽しそうに笑ってくれた。

今年で23歳になられたと聞いたが、こうして見ると、まだ幼さを残している。

彼女の所作が可愛らしい事が、そう見えてしまう原因だろうか。


「まぁ!でも、仕方ないわ。私も楽しみでしたもの。久しぶりに蔵人君に会えるって。あれだけ凄い成績を収めたのだから、盛大にお祝いしなくちゃって。全国大会3位なんて、流子おば様が学生の頃以来ではありませんか?」

「高校時代の話でしょ?あれは全国に行っただけよ。シングルで2回戦敗退だから、ベスト32位くらい。とても蔵人と同列に語れないわ」


話を振られて、扇子で口元を隠す流子さん。

そんな彼女に、蔵人は手を振り、首を振る。


「とんでもありません。その成績はファランクスであるから成し得た事です。桜城の先輩方のお陰と言うもので」

「蔵人。謙遜もそこまでよ」


いつの間にか、流子さんが扇子を下げて、少し厳しい目でこちらを見ていた。


「テレビで流れた試合。あれを見れば、誰もが貴方の実力を思い知るでしょう。AランクをCランクが倒す。それも殆ど一対一で。そんな事、今まで誰も出来なかったわ」

「そうです!蔵人君は凄い事をしたんですよ?もっと誇って良いんです!」


瑞葉様にまで力説されて、蔵人は気恥ずかしさを感じる。

こうも面と向かって言われたら、ちょっとね。

その後も、瑞葉様と流子さんは試合の様子について語り合い、合間で頼人も参戦した。

蔵人は、その間に運ばれる料理の数々を目で追いながら、早く氷雨様が来ないものかと待ち焦がれていた。


と、そんな蔵人の願いが通じたのか、久しぶりに入口の戸が開く。

少しお疲れの様子で、氷雨様が入って来た。


「済まない。会議が長引いてしまった。先に始めていても良かったのだがな」

「何を言っているの、姉さん。貴女が蔵人を呼んだんじゃない」


流子さんは笑って言うが、目がちょっと怖い。

このやり取りを見るだけでも、氷雨様の本心が、蔵人を労う事に必要性を感じていない事が分かる。

それでも、


「そうだったな。蔵人、大会で活躍したと聞いた。おめでとう」


簡素でも、そう祝福する氷雨様の様子や、こうして会を開く所を見るに、誰かからの圧力があったのではと考えられる。

では、一体誰だろうか?

蔵人が考えていると、氷雨様が話を振ってきた。


「蔵人、お前に良い話がある」

「私にですか?何でございましょう」


相変わらずこちらの目を見ない氷雨様に、蔵人は営業スマイルを貼り付けて対応する。

すると、


「良い話と言えば、縁談の話に決まっているだろう」


冷たく言い放つ氷雨様に、蔵人は箸で掴んでいた刺身を取り落とした。

ナニ?縁談?

おいおい。こちとら中一だぞ?小学生に毛が生えたガキンチョだぞ?

非難がましい瞳を瞼の奥に隠して、蔵人は営業スマイルを継続する。


「それは随分と、気の早いお話ですね」

「平民のお前からしたら、そうだろうがな。由緒正しき家柄の男子であれば、婚約の1つや2つ決まっていても可笑しくない時期だ」


そうだったかな?

蔵人は、異世界の貴族社会を思い出す。

うん、確かに、産まれた瞬間に婚約という人も居たな。親同士の繋がりがあったり、余程身分が高い大貴族の子供の中には、そういう子もいた。

だが、氷雨様も言う通り、自分は一般家庭の人間だ。ただの子供に縁談の話が来るか?


蔵人が疑問に眉を寄せていると、氷雨様がこちらを見ずに話を続ける。


「お前は先日、地方の大会に参加したのだろう?そこでお前を見かけた物好きな令嬢が、保険にとでも思って出してきたのだろう」

「お母様!地方大会などではありません!ファランクスの全国大会です!」

「開催は大阪なのだろ?ならば地方だ。それに、異能力はシングル戦でないと実力は図れない」

「そんなことはありません!それに、蔵人君はその大会で凄く活躍したんです。だから、相手も本命で縁談の話を持ち掛けていますよ!」


必死になって弁護してくれている瑞葉様には申し訳ないが、正直保険(キープ)で話を出してくれた方が助かる。

蔵人は頭痛を覚えながら、2人の口論に割って入る。


「お話は分かりました。それで、何方(どなた)からの縁談なのでしょうか?」

「今、来ているのは2家だ」


2つも。

ま、まぁ、まだ何とかなる数…。


「その2家が、島津家と広幡家だ」

「なんと!」


おっと、つい驚きが飛び出してしまった。


「大変失礼致しました」

「いや、私も同じ思いだ。まさかお前を相手に、こんな大物から話が来るとはな」


そう言う氷雨様は、初めて蔵人の方を、手元辺りに視線を寄越した。

まさか、この会に遅れた原因も、こいつのせいか?


「広幡家は本家ではなく、分家から話が来ているから、断る事も出来るだろう。だが島津家が厄介だ。家としてはそこまで大きくないが、歴史のある家だ。それに何故か、婚儀まで話を進めようとしていてな」


広幡はもしや、小学校の宿泊学習でお会いした広幡朝陽様か?

凄く懐かしいけど、こう言う再会は勘弁願いたい。

島津は間違いなく、円さんだろう。13歳になるかどうかで結婚しようとするとは、島津家は戦国時代に生きているのか?

蔵人は頭痛が酷くなった気がして、顔を(しか)める。


「氷雨様。無理を承知でご相談致します。この話、少々お時間を頂くことは可能でしょうか?」

「話を先延ばしにすると言うのか?出来なくはないが、なかなか難しい話だ」


氷雨様の難しそうな顔に、蔵人は静かにため息を零す。

それはそうだろう。巻島家は財閥の中では立場が弱い。格上の家に、歯向かってくれと言っているようなものだ。氷雨様たち巻島家の重鎮に、それだけの負担を負ってくれとは言いにくい。

ここはいっそ、島津家に輿入れするべきなのかもしれん。

だが、そうなると自由が利かなくなるだろう。

それに、桜城から彩雲に移れと言われる可能性もある…いや、非常に高い。

どうするべきか。


そう、蔵人が悩んでいると、


「なに、難しいというのは、現状のままではというだけだ」


一転。氷雨様が、明るくそう言った。


「蔵人、来週に開かれるサマーパーティーに、頼人の護衛として出席しろ」

「ほぉ、護衛ですか」


蔵人は、少し眉を上げる。

この話は、実は頼人からも聞いていた。

ビッグゲームが終わってすぐ、頼人からお願いされたのだ。

蔵人宛にもパーティーの招待状が来ているので、自分と一緒に出てくれないかと。


その時は、パーティーの参加者として出てくれと言われたので、考えさせてくれと答えを保留にした。

何せ、参加者であればダンスを強要される恐れがあり、そうでなくても、キラキラの衣装に袖を通すのはご免被りたかったからね。


だが、護衛ならば話は別。

ダンスはしなくて良いだろうし、服装もスーツで良いだろう。

寧ろ最高だ。

蔵人が、「是非に」と返答しようとしたところ、


「ええっ!ごえい!?」

「お母様!それはあんまりですわ!」


頼人と瑞葉様の上げた悲鳴の前に、何も言えなくなってしまった。

氷雨様が、2人に視線を向ける。


「私は蔵人の事を思って言っているのだぞ?頼人の護衛としての任があるから、今は婚姻を考えられない。そう断るのならば、向こうも待ってくれるだろう」

「そんなの、全然考えていません!頼人君はキレイな服を着て、パーティの中心に居られるのに、その弟の蔵人君は地味な格好で、煌びやかな会場で立ってなくちゃいけない。そんなの…」


そう言って、瑞葉様は視線を外す。

そこには、部屋の端に立つ火蘭さんが居た。

姉と、蔵人を重ねているのだろう。

彼女は、悔しそうに唇を噛む。


何と優しい方なのだろうか、瑞葉様。

巻島家の将来は安泰だな。

ですがね、瑞葉様。俺は一向に構わんのですよ。

寧ろ、放置して頂けないでしょうか?


蔵人は、睨み合う親子を見ながら、心の中で願う。

すると、氷雨様が鋭い視線をこちらに向ける。


「お前は、どうしたい?」

「是非とも、護衛の任をお受けしたく思います」


ノータイムで返答する蔵人。

それを、悲しそうな顔で見る瑞葉様。


申し訳ありません、瑞葉様。

でも、キラキラ衣装&ダンス、VS、黒服&護衛任務では、後者にしか魅力を感じないのです。


勇んで答えた蔵人に、氷雨様は満足そうに頷き、浮かしていた背中を背もたれにかけ直す。


「それでいい。今回のパーティーは、招待状を持たねば護衛すら入れないものだったからな。そうでなくとも、男の護衛は何かと利便性が良い。今後も、お前が護衛として付くのなら、多少は頼人の行動範囲を広げることも考えよう」


それは、頼人がある程度自由に行動できるという事か。

確かに、異性の護衛では、どうしても同行出来ない場面と言うのが出てきてしまう。

それ故に氷雨様は、頼人が外に出る機会を減らしていたのか。


「ありがとうございます。氷雨様」


蔵人が座りながら頭を下げると、しかし、氷雨様は首を振る。


「早とちりするな。本当にお前がそれだけの力があるのか、試してからの話だ」


なん、だと?

まさか、氷雨様と勝負させてくれるという事かな?

蔵人が期待の籠った瞳を上げると、


「火蘭、相手をしろ」

「はい。ご当主様」


氷雨様は火蘭さんを呼び、彼女は深々と頭を下げる。

なるほど。普段護衛の任についている人と競えという事か。

Aランクの氷雨様と戦いたいところであったが…普段護衛も務める火蘭さんと戦えるのも貴重な経験だ。

是非、胸を借りたい。

蔵人は、火蘭さんの後を勇み足でついて行き、慰労会会場を後にした。



連れてこられたのは、本館の中庭。

2歳の頃に、流子さんが宴会芸という名の異能力戦を披露し、氷雨様と達様が氷龍の演武を実演した会場だ。

広々とした土のグラウンドは見通しが良く、ファランクス戦すら出来そうなくらいに広い。

その中心で、蔵人と火蘭さんは5m程離れて対峙する。

そこから少し離れた所で、氷雨様達が観覧している。


蔵人達の間には、審判役の流子さんが立ち、厳しい目付きでこちらを見た。


「蔵人、本当にシングル戦のルールで良いのね?」


念押しするような聞き方。

流子さんは初め、色々とハンデを付けて勝負しないかと聞いて来た。

貴族同士の戦いには、そうやってハンデを付けるシングル戦の亜種ルールもあるのだとか。

火蘭さんはBランクのパイロキネシス。年も25歳と人体の最盛期である。

そこを加味して、ハンデを付けようと提案してくれたのだ。

蔵人はそれを、


「ご心配頂き、ありがとうございます。ですが、私が何処まで出来るのかを、試させていただきたく思います」


丁重に断る。

ハンデを付けては、氷雨様のお眼鏡に叶わないだろう。

折角、頼人の自由が掛かっているのだ。全力でぶつかり合おう。


蔵人の意思を確認し、流子さんは小さくため息を吐く。

そして、再び鋭くなった目を両者に向けて、上空に水球を作り出す。


「試合時間10分!公式戦と同様のルールとする。但し、危険だと判断した場合のみ、審判が介入する。両者、異存は無いか?」

「ありません」

「ございません」


2人がしっかりと頷くと、流子さんは数歩下がり、声を張り上げる。


「試合、開始!」


その途端、上空の水球が霧状に弾け、周囲のグラウンドを湿らせる。

なるほど、粉塵対策で湿潤化させたのね。

蔵人が納得している所に、


「ファイアボール!」


火蘭さんの攻撃が飛来した。

Cランク級の火球が10発程。広範囲に広がって迫ってくる。

中々に素早い攻撃だ。


それを、蔵人は水晶盾3枚を並べて防ぐ。

水晶盾の表面が少々溶けてしまった。

流石火蘭さん。下村先輩よりも威力が高い。


「ファイアランス!」


今度はBランク級の攻撃だ。

これには、蔵人も水晶盾のクルセイダーで対応する。

1枚目の水晶盾が完全に貫通されてしまった。

秋山先輩のファイアランスであったら、5発は絶えてくれるのに。

やはり異能力と言うのは、そこに込めた魔力だけでなく、その練度によっても威力が変わってくるのだろう。


蔵人が考察している間にも、火蘭さんがこちらに接近して来た。

執事服とは思えない速さだ。とは言っても、異能力は使って無さそう。

我が家の元母親と違い、しっかりと鍛錬はしているのだろう。


「ファイアランス!」


蔵人との距離が2mを切った辺りで、再び攻撃を繰り出して来た。

なるほど、近づいたことで着弾までの時間を削ったのか。

その一撃をクルセイダーで受けるも、一瞬で盾が消し飛び、炎の槍が迫って来た。

蔵人は、体に纏った盾を総動員して、体を横にスライドさせて逃げる。

すると、それを見越していたかのように、火蘭さんがこちらに手を突き出す。


「ファイア…」


そう言って、手に魔力が集中しだす。

その前に、蔵人はその手を蹴り上げた。


「くっ!」


痛みと悔しさで、顔を(しか)める火蘭さん。腕を上空へと蹴られたことで、大きな隙が生まれている。

蔵人は、そんな彼女のお腹に、蹴りを一発入れる。

態勢を崩していた火蘭さんは、溜まらずに湿った地面を転がり、3m程転がって止まった。

蔵人は2歩下がり、彼女との距離を更に開ける。

ほぼ、最初の位置だ。

さぁ、仕切り直しとしましょうや。


そう思って構える蔵人だったが、


「そこまで!」


流子さんの無慈悲な声が、2人の間に割って入った。


「試合終了!勝者、蔵人!」


なんだとっ!これで試合終了?まだ1分も経ってないのだが?

蔵人は驚き、流子さんを見て、火蘭さんの方を見る。

火蘭さんは、蹴られたお腹を押さえながらゆっくりと立ち上がり、ジッと地面に視線を落としていた。

う~ん…。まだ戦えそうに見えるのだが?


不完全燃焼である蔵人は、懇願するように流子さんを見る。

だが、彼女は首を横に振った。


「蔵人。この試合の意味を考えなさい」


そう言われて、蔵人はハッとなる。

そう、この試合は護衛の適性を示すための物。

火蘭さんを倒すことが目的ではないし、ましてや、自分が満足することを求めてしまってはいけない。

これ以上の戦闘は、火蘭さんのこの後のお仕事にも影響する。

蔵人は、反省した。


そんな蔵人の肩に、手が乗る。


「やるではないか、蔵人」


その手は、氷雨様の物であった。

彼女の冷徹な目が、初めて蔵人の目を直視していた。


「これだけの力があれば、護衛としても十分だろう。サマーパーティーでも、しっかりと頼人を守り、お前の力を周囲に知らしめるのだ。男の護衛だ、欲しがる家は幾らでもいるぞ」


そう言ってほほ笑む氷雨様の目は、自分ではない何処か別の世界を見ている様に思えた。

頼人君の護衛として、サマーパーティーに参加することになりました。

が、随分とあっさり勝ってしまいましたね。火蘭さんとの模擬戦。


「激闘の夏を乗り越えたからな。成長したのだろう」


色々な技を実践投入しましたからね。


「それもあるが、一番は心構えだろう。上位ランクに対して、夏前は慎重な様子を見せていたからな」


ああ、なるほど。

足立中戦の頃は、Aランク相手に逃げようとしましたものね。


「今では嬉々として立ち向かうがな」


…どちらが良かったのでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[一言]  ……結局、氷雨氏は蔵人を”巻島家のために使えそうな手駒”になった、くらいにしか思ってないのでしょうねぇ。  まぁそれでも、蔵人からすれば兄弟で一緒に行動できることに喜びを感じているでしょう…
[一言] ランク主義の社会を変えたいとか言いながら護衛の方がいいやとか言ってる蔵人君(あの状況では駄々を捏ねても仕方ありませんが) 身体の件もそうだけどやってる事が完全に舐めプですよね 目的に対して全…
[一言] >「やるではないか、蔵人」 おや、意外。極度の魔力絶対主義者と評される氷雨がシンプルに褒めるとは思わなんだ まぁ、Bランク相当に勝てるCランク程度ならってことで、これがAランクやSランク相…
感想一覧
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