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10話〜ちょーよゆー〜

ようやく、異能力での戦闘開始です。

本日は2話連投予定です。

こちらは1話です。21時に2話目が来ますので、少々お待ちください。


※注意点※

鍵かっこは以下のように使い分けるつもりです。

「 」 通常の発言

『 』 マイク“など”肉声を拡大した発言

【 】 日本語“以外”の発言、言葉

〈◆〉 視点が替わった時

楽しい時間は早く過ぎるもので、大会に向けた訓練の日々も2ヶ月が経ち、今日は柏レアル大会当日。

柳さんの車で慶太と慶太母を拾って、会場が見えるところまで辿り着いた。目の前には、野球ドームのように大きな建物が鎮座しており、その大きく開かれた会場の入口には、人の波が押し寄せている。

蔵人達も、今からあの人達に紛れて、選手登録を行う必要があった。


「凄い人ねぇ…」


慶太母が、会場前の広場でたむろう人々の様子に目を開く。慶太と同じ薄目が、今日は大きくキラキラしている。


「街を挙げてのお祭りですから」

「ああ、だから街中も黄色一色だったんですね!」


柳さんの答えに、慶太母は大きく頷いた。

そう。ここに来るまで、街中が黄色一色と言っていい程の出で立ちに様変わりしていた。黄色い旗やペナントが至る所に掲げられ、行きかう人は何かしらの黄色い物を身に着けていた。

そして、かなりの人が行きかっていたので、到着までに結構な時間を食った。

何せ柏に入った途端に人、車、人の混雑祭。想定よりも2倍は時間がかかった。

これが更に遅い時間となると、車では動けなくなるらしいのだから、どれだけ千葉県民がこの大会に熱を挙げているかが分かる。

現に、会場の周りはお祭り状態。人の波と防波堤と化した屋台が、会場入口まで続いていた。


「オイラ、お好み焼き食べたい!」


慶太が屋台の一角を指さして飛び跳ねる。


「慶太!全くあんたは!これから競技に出るんでしょ!」


案の定、お母さんに怒られる慶太。


「にぃちゃん!あそこ!ブレイブナイツがいるよ!」


今度は頼人だ。

彼は、お面を売っている屋台を指さして飛び跳ねている。

ブレイブナイツって、ニチアサにやっている変身ヒーロー物だったはず。頼人が必ずテレビの前で齧り付くので、蔵人も何度か目にしていた。


「慶太、頼人。屋台は、選手登録の後で頼むぞ」


早くしないと登録時間を過ぎてしまう。選手の受付会場は、観客席とは別方向なので並んだりはしないだろうが、ここに来るまでに時間が掛かったこともあり、猶予はあまり残されていない。

登録出来ませんでした、なんてなったら目も当てられないぞ。

蔵人達は、誘惑してくる屋台の群れをひたすらに突き進み、受付会場へと足を急がせた。



さて、何とか登録ブースに着いて、登録をしているのだが、


「そっちの子から。ええっと、名前は慶太君ね。魔力は…おお、Dランクか。凄いね。大会頑張るんだぞ」


受付のおじちゃんが、大きなボックスから出てきた慶太に向かって激励を贈る。

そう、受付には異能力測定用のボックスが設置されており、この人間台の大きなボックスの中に入ることで、名前と年齢等の他に、魔力量も測定された。

どうも、中には魔力を測定できる異能力を持つ人が入っていて、その人が測定をしてくれているそうだ。異能力鑑定士とか言う、国家資格らしい。


ちなみに、幼稚園や小学校にもその鑑定士が来てくれるが、特区の外ではEやDランクの鑑定士しか来てくれないので、精度はあまり期待できないのだとか。Eランクの測定士だとかなり適当であると、柳さんは言っていた。

柳さんの異能力って、もしかしてそっち寄りなのか?


「じゃあ、次の子…ええっと、蔵人君。中に入って。そう、そこの白い線に足を乗せて。ああ、靴で入って良いよ。そう、そのまま動かないで。………はい!良いよ。出ておいで」


蔵人も測定されて、ボックスから出る。災害復興地で仕事した時に実施した、体内被曝量を測定する機械みたいだな、と蔵人は思った。


「…うん、了解。君もDランクらしいな。それも+だな。頑張れよ!」


おじちゃんがボックスに向かって頷いた後、そう言った。

D+ということか。もうそんなに成長していたのか。

蔵人は、おじちゃんの言葉に今日一ビックリしたのと同時に、やっぱり頼人の魔力を体内に流し込んだ訓練が良かったんだろうなと、自己流訓練に自信を持った。


「すごいよ、にぃちゃん!」


感慨に耽っていた蔵人を、頼人の抱き着きタックルが呼び戻す。


「これならすぐにとっくに来られるよね!ね?」


笑顔の圧が凄い。

蔵人は頼人を引き剥がしながら、ボックスを指さす。


「そればかりは神のみぞ知るってやつだ。ほら、頼人も早く測定してもらいなさい。後ろがつっかえているよ」

「はーい」


ちなみに、後ろがどうなっているかは分からない。選手の情報漏洩防止の為か、各受付ブースはテントになっており、外からは中の様子がわからなくなっている。

まぁ、何の変哲もないテントなので、柳さんの異能力とかなら簡単に見透かされるだろうが。

と、その時、


「んなっ!Aら…ゴッホ!」


おじちゃんの切羽詰まった声が聞こえた。

見上げると、日に焼けた顔を赤黒くしたおっちゃんが、口を抑えている姿が目に入る。

何処か、焦っている様子。

頼人がAランクだから驚いた…にしては顔色がよろしくない。


「こりゃ、不味いな」

「え、ええっと、Aランクは、出場出来ないのでしょうか?」


おじちゃんの唸り声に、柳さんが心配そうに聞く。

おじちゃんはちらりと柳さんを見て、頼人を見下ろして、タオルを巻いた頭を掻く。


「いや、大丈夫なんだけどさ。大丈夫、なんだけど、あ〜…あのね。この大会は、特区の人達も見に来てるのよ」


そう切り出したおじちゃんの話では…。

早い話、特区の人、特に女性が青田買いをしに来場しているらしい。

有能な人材を確保する為に。それが男性なら、早めに手篭めにして、将来自分か親族の伴侶にする為に、こういう大会で目を光らせているのだとか。

特区では圧倒的に男性の数が足りず、Dランクでも良いから有能な男性に唾を付けに来ているらしい。


「この子は不味いんだよ。Aランクってだけで、大会の後で家まで押し掛けてくるかもしれない。勿論、個人情報は守るが、名前も素顔も放送されちまうとなぁ…」


なんと、それは不味い。

聞くと、競技開始前には名前と魔力量、簡単なプロフィールを放送するらしい。大人数の、それも婚活中の女性達にアピールしてしまうのだ。

幾ら巻島家の人間だからとて、特区外ではその力も弱まる。心無い人間に拉致でもされたとあっては堪らない。

これは、頼人の出場は無理か…?

そう蔵人が諦め始めた時、おじちゃんが自分の太ももをバシンッと叩いて立ち上がる。


「うん、よっしゃ!ちょっと待ってろ、坊主達」


そう言って、おじちゃんはテントから出ていってしまった。

そして、直ぐに帰ってきたおじちゃんの顔には、満面の笑みが。


「坊主達、条件次第では大会に出られるぞ」

「条件、とは?」


蔵人の問に、おじちゃんは頷く。


「こういう時だけの特例なんだが、名前と素顔を隠して貰うぞ」


その提案に、何故か頼人と慶太の2人は顔を輝かせていた。




『本日も快晴!見事な春晴れの空の下、柏レアル大会アンリミテッド杯2日目が、今まさに始まろうとしています!!』


大音量で響くアナウンスが、会場の内外を駆け巡る。

その声を追って、観客の声なのか、足音なのか、地鳴りの様な振動が控え室まで響き、蔵人達を揺らす。


「凄い盛り上がりみたいだな」


蔵人は、外の様子を控え室のモニターから見て、一言零す。

だが、それに2人は答えない。ちょっと離れた所で、2人して踊っている。


「踊りじゃないよ!決めポーズの練習だよ!」


頼人がポーズを決めながら、訴えかける。

蔵人は、ノリノリな頼人の言葉に、苦笑いを返した。

2人の表情は、お祭りのお面で隠れてしまっているので分からないが、眩しいくらいに輝いているだろう。見なくても分かる。


「はっ、とうっ!ブレイブブルー参上!」

「よっと、それ!クマだクマ〜!」


2人は揃って決めポーズを決める。

1人はニチアサ戦隊モノの青色戦闘員のお面。そして、もう1人は可愛いデフォルメされたクマのお面。

多分何かのキャラクターなのだろうが、蔵人も頼人も知らなかった。

そして、蔵人は七福神の恵比寿様のお面だ。

蔵人だけ余り物だったのだから仕方がない。そのお陰で、よりカオスな集団となってしまった。


「ねぇ、にぃちゃん、にぃちゃんの番だよ!早くポーズしてよぉ!」


頼人の言葉に、蔵人は反射的に周囲を見た。

こちらを見て笑っている人や、生暖か目で見守っている人がいっぱいだ。

彼女達の声が聞こえる。


「ねぇねぇ、見て、あの子たち」

「可愛い〜。小学生かな?」

「クマちゃ〜ん!お菓子あげるからこっちおいで〜」


参加者は女性が圧倒的に多いからか、蔵人達の周りも女性ばかりだ。お陰で、お姉様方から愛玩動物として見られている蔵人達だった。

こんな中では、ポージングは勘弁してくれ。

あと、慶太、お菓子貰いに行くんじゃない。

蔵人は頼人達に目線を戻し、腕を組んだ。


「ブルー、にぃちゃんはやめなさい。ちゃんと恵比寿って名前があるんだから。あとクマ!そっち行くな!さっきお好み焼き食ったろうが!」


蔵人は2人を呼び寄せて、試合前の最後のミーティングを行う。


「連携については都度指示を俺から出す。が、絶対じゃない。各々何かやりたい事があったら好きにやりな。お祭りだ。楽しもうじゃないか」

「分かったよにぃ…えびす。練習どおりちゃんとやる!」

「オイラはえーちゃんの言う通りにするよ。それよりチーム名はどうする?」


えーちゃんってのは恵比寿の事か?もうあだ名を付けとるのか…。

慶太の問に、蔵人は少し考え、適当な名前をあげる。


「お面…仮面として…ペルソナスリーとか。マスク三兄弟?後は…オメンジャーズとか」

「オメンジャーズ良いね!正義のヒーロー、オメンジャーズ!どう?けい…クマ」

「うーん…マスク三兄弟もかわいいけど、オメンジャーズも良いね」


という事で、あまり捻らずにオメンジャーズに決まった。

隊員はブルー、クマ、そして恵比寿様。今大会1番のカオスチームが爆誕し、そして今、初戦へと歩みを進める。


「行きますよ、2人とも」

「行くぞ!変身!」

「クマ〜!」


〈◆〉


『さぁ、続いての1回戦第三試合は、チーム戦、61チームの中でも最年少のチームだ!』

「「「おおお!!」」」


『先ずはチーム名を教えて貰いましょう。えっと、リーダーはブルー君?あ、そっちの恵比寿君ね。チーム名は…オメンジャーズ?オメンジャーズだそうです!ありがとう!拍手!』

パチパチパチッ!

「頑張れよ!坊主達!」

「ヒグマる~!こっち向いて〜!」


『対するは、こちらも年少チーム。柏南小学校の桜ちゃん、緑ちゃん。そして特区の清廉女学院付属小学校の如月ちゃんです!』

「「「わぁあああ!」」」


『前大会で、ベスト16位まで勝ち残った彼女達が、今回は何処まで行けるか!?チーム名は、前回と同じでチーム春風です!』

「美咲ぃ!お父さん見に来たぞぉお!」

「あんた、バカ!本名出すんじゃないよ!」


『ああっと、熱い声援が既に飛び交っている模様。これは直ぐに試合に移りましょう!両チーム所定の位置へ。主審が中央へ歩み寄ります。審判の合図で試合開始です。両チームやる気満々の模様。果たして、栄光はどちらの手に…』

「柏レアル大会、チーム戦、第一回戦…開始!!」


『始まりました第三試合!実況は引き続きこの私、足立響。解説は現マスターDランク3位の長谷川乱舞さんです。乱舞さん、この試合どう見ますか?』

『年少同士の試合という所は、是非両チームとも善戦し、次に繋いで欲しいと思う。だが、実際は春風の有利と見るのが妥当だろう。経験とは、時にランクを覆す要素になる』

『なるほど。ですがオメンジャーズには…おおっと!?オメンジャーズのブルー選手が大量のアイスニードルをぶち込んだ!春風の桜選手、緑選手が戦闘不能!如月選手も足をやられたか!ブルー選手はAランク相当の魔力持ちとの情報でしたが、それは本当だったようだ!』


「「「ええぇええー!!!」」」

「Aランクですって!」

「どの子?どの子がAランク!?」

「名前は!?ブルーちゃんの本名は何て言うの!?!」


『これは、なかなかの練度だな。発動速度も早いし、命中率も良い。何より集団戦向きのクリオキネシスでAランクは、私達マスタークラスですら脅威だ』

「Aランクってだけじゃなくて、クリオキネシスなんて…」

「男の子で最上位種なんて、奇跡の子よ!」


『それ程強力なんですね。おっと、今脱落した桜選手と緑選手がサポーターによりテレポートされました。まだ意識が戻れば戦えそうに見えましたが?』

『我々にはそう見えたが、恐らく、深手を負うことを未来予知したのだろう。特に年少の部では、大事になる前に離脱させる事は良くある事だ。未来が先になればなるほど幾つもの未来が見える未来予知の異能力だが、仮令(たとえ)不確定な未来予知でも、可能性があるだけで戦闘を止める。それだけ幼少期の戦は繊細に扱うのが、異能力運営の鉄則だ』


『なるほど〜!勉強になります。しかし、今大会にはAランクのヒーラーさんも、貴重なクロノキネシスの異能力者さんもいらっしゃいます。深手どころか死んでも時間を巻き戻して、傷1つない状態に出来ますから、用心しすぎではないでしょうか?』

『心の傷までは治せないからな。幼い時に戦いの恐怖を味わってしまうと、より恐怖が残ってしまって、戦えなくなることも珍しくない。いい大人ですら、有り得る事だから』


『なんと、私はサポート向きの異能力なので知りませんでしたが、厳しい世界ですね。おっと、如月選手の傍にもサポーターが現れました。これで試合終了です!蓋を開けてみれば一方的な試合となりました!オメンジャーズ、この大会で台風の目となるか!?』

『Aランクは他のチームにもいるみたいだから、彼女達と何処まで戦えるかで、オメンジャーズの活躍も期待できるだろう。まぁ、連戦だから、何処まで魔力と、あと体力が持つかも重要かな。彼らは見たところ、小学生低学年よりも小さいから』


『是非とも最後まで戦い抜いて欲しいですね!この放送は、ちゅばテレビとラジオに乗せて放送しております。ここまでの提供は日本ビール、朝日自動車、大山製薬、他。実況はこの私、足立響と』

『解説の長谷川乱舞でした』

『乱舞さん、ありがとうございました!また2回戦でもよろしくお願いいたします!』

『よろしくお願いします』


〈◆〉


ふぅ、何とか初戦は勝てた。

途中で、頼人の本名を聞き出そうと暴れ出した観客を見て肝を冷やしたが、何とか無事にここまで帰って来たぞ。これでもし、素顔のまま大会出場していたら、血の雨を見ていたのかもしれない。

蔵人は、控え室ではしゃぎ回る2人を尻目に、肩の荷を下ろしてパイプ椅子に座る。机に置いてあったお茶を啜っていると、にぃちゃんだけ狡いと、頼人が蔵人の座っているパイプ椅子によじ登って来た。

別に、飲み物はこれだけじゃないんだから、好きなやつを取ってくれよ。


「魔力の消費具合はどうだ?ブルー」

「しょーひ?」

「…あー…さっきの試合、疲れたか?」

「ううん、全然!ちょーよゆー!」


うん、余裕だったらしい。

開幕そうそう、異能力フルバーストで決めてしまった頼人は、その時はちょっと疲れた顔をしていたはずだ。だが、今は慶太と遊び回っている。疲れよりも勝った嬉しさで舞い上がっているのかもしれない。


「それでも、次の試合は少し休んでくれ」


そう言うと、頼人は途端にふくれっ面をする。


「やだ、僕も戦う!」


普段文句もワガママも言わない頼人が、こんな顔をするとは。

蔵人は自然と、口角を少し上げる。それだけこの大会を、この催しを楽しんでくれているのだと感じた。

それでも、


「別に手を出すなとは言わん。だが、やるとしても最後の留めだけだ。さっきみたいな全力は、3回戦に取っておいてくれ」

「なんで?」


頼人はまだ不満そうにしている。

蔵人は人差し指を立てて、彼に見せる。


「まず1つは、ブルーの魔力温存だ」


次の相手はDランク2人とCランクだ。年齢も中学生くらいに見えたし、1回戦を見た限りあまり強そうではなかった。これなら頼人が頑張らなくても勝てると、蔵人は踏んでいた。


それに、魔力の消費量についても、ランクによって回復する時間が違うらしい。

簡単に言うと、Eランクは魔力が枯渇しても、数秒で復活する人が殆どだが、Aランクだと2日近く異能力が使えなくなるのだとか。

どこかの医学書に書いてあった、確かアーガスとかいう名前の法則だ。そういう面では、高ランクの方が不利になるらしい。


なので、もしも頼人の魔力が尽きてしまったら、この大会での回復は絶望的だろう。少しでも、魔力の温存を図るのが重要だ。

ちなみに、蔵人のDランクは2分半くらいで復活するらしい。試合での2分はなかなか長いが、試合の合間で十分に回復できる。蔵人と慶太を主軸に戦った方が、長く戦えるのだ。


「もう1つは、俺達にも楽しませろ」


蔵人は2本目の指を立てて、ニヤリと笑う。

今度は蔵人と慶太の番である。楽しみは皆で共有しようと蔵人は言う。

すると、頼人の顔は萎んでいく。


「うん、そうだね。僕ばかり楽しんじゃった。ごめんなさい」

「いいや、ブルー。謝る必要はない。さっきの試合、俺達も楽しませて貰った。そうだろ?クマ」

「楽しかったクマー!!」


慶太は飛び跳ねて、嬉しさを表現している。

何と言っても、異能力戦で初の勝ち星だ。蔵人だって嬉しかった。


「だが、次の試合は俺達の異能力も使っておきたい。初の試合だからな。何処まで通用するか試したいんだ」


恐らく、3回戦以降はCランク以上の異能力者ばかりだろう。そうなってからでは、異能力の調整なんてしている暇がない。次の試合では、蔵人と慶太の試運転をする必要があった。


「勿論、俺達では火力が足りない。足止めと崩しは俺達がやるから、ブルーは最後の一撃を頼む」

「…うん!分かった!」


蔵人達のブリーフィングは、次試合の具体的な動きについて煮詰まっていった。

イノセスメモ:

・特区外でも、大規模な大会には特区の人間が来場している。

・魔力が0から完全回復するまでの時間は、ランクで差がある。Eでは数秒、Dでは2分弱、Aでは48時間。←では、Sでは?

・Aランク男子の人気は凄まじいものがあり、変装と偽名を使用せず出場すると、犯罪の標的にされる恐れが極めて高い。←おっそろしい世界ですね…。

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― 新着の感想 ―
魔力の最大値と回復の仕様はソシャゲのスタミナみたいなイメージなのかな?
[一言] >もう1人は可愛いデフォルメされたクマのお面 可愛いって書いてあるのに… 自分の頭のなかでは、なぜか某あくまのくまさんのイメージで固定されてしまった… 幼稚園児泣くぞw
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