変わった事
あれから、またリーゼロッテは学校に通うようになった。だけど、変わったこともちゃんとある。
「リーゼちゃん、一緒にお昼ご飯食べよ」
「うん」
『勉強』に、前より囚われなくなった。勿論、努力するのは変わらない。だけど、もっと自分の為に頑張ろうと思ったのだ。好きな人のために女神様を捨てたエリネティーシャのように。
『わたくし、好きな方がいるの』
思い出して、チクリと心臓が刺されたような気がした。息苦しくなって一瞬呼吸が止まる。
信者という肩書がなくなって気付いてしまったこの感情。リーゼロッテにはあまりにも不相応で、たまに泣きたくなる。『女神様』だからとかではないのだ。生き物としての何かが違うのだ。
そんなブラックな事を考えながらご飯を黙々と食べていると、一緒に食べてる子達に「ねぇ」と声をかけられた。
「どうかした?」
「女神様って、本当にいなくなっちゃうのかな」
この子達は特に信者という訳ではなかったが、学園の象徴であった彼女が辞めるということは気になるのだろう。
「うん、エリネティーシャ様はもう女神様にはならないって」
「へぇ、そうなんだ。てかリーゼちゃん絶対駄々こねるかと思ってたのになんだか大人だね」
駄々こねるって子供か。そう突っ込んでやりたくなったが、今までの行動を振り返ると否定も出来ないので、リーゼロッテは潔く黙った。それに、今まで『女神様大好き』みたいだったリーゼロッテを心配もしていたのだろう。
「私は、もう大丈夫。私が好きなのは、エリネティーシャ様だから」
「……強くなったね」
その言葉に、笑みを返す。それに友人も笑みを返してから、「あぁ」と唐突に声を上げた。
「そういえばあの辞めます発言があった時、すごい荒れている人いたよね」
「そうなの?」
「うん、何時もは落ち着いている人だっただけに皆驚いてた。えっと、確か名前は」
ーーリュート先輩、だったかな。




