一日目 飴玉。
「チョイさん、本当にこれが最終兵器なのですか?」
「そうそう、それが最終兵器よ。たったの三日でこの世界を滅亡させたほどよ」
「ひっ、三日で? しかし……ほうほう、これがねぇ」
「あれれ、ミンちゃん、疑ってるの?」
「う、疑ってないですよ! いや、ほら、ただの飴玉みたいに見えるから、ちょーっと、不思議だなーって」
「それを世間では疑ってるって言うのよ」
「あ、でも、どうやって使うんです? あ、飴玉みたいだから食べる?」
「それだと自殺ね」
「え、やっぱ死ぬんだ。滅亡するような……かぁ、じゃあ、膨れ上がって押しつぶす?」
「そんな不思議機能なら、もっと他の事に使うわよ」
「じゃあじゃあ、高性能爆弾!」
「だったら無造作に扱い過ぎね」
「うーん。飴玉でどうやって……」
「もう飴玉認定しちゃってるわね」
「もう、飴玉で良くないですか?」
「じゃあ、飴玉でいいわ」
「で、実際はどうやって使うんです?」
「転がすだけよ」
「え? またまたぁ、これだけで?」
『ころころ』
「あ、だめ。転がし……。ミンちゃん、逃げるわよ」
「え、でも、どうやって滅亡するか見たくないです?」
「馬鹿ねぇ、見たら私たちも死んでるわよ」
「あ、そっか。じゃあ、車とってきますね」
「うん、荷物をまとめておくから」
「滅んだ国はね、突然起きたクーデターが最初で、何か致命的な事故が起きたらしいんだけど」
「具体的には、あの飴玉の、何が起因したんでしょう?」
「さぁね。所で、“それ”あまり弄らないでね」
「このちくわですか?」
「そうそう、そのちくわみたいなもの。最終兵器だから」