表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/39

第22話 転移の真相

◇イシダ視点◇


 危なかった。

 もう少し遅かったらリリアーナを連中に、破界の眷属に取られる所だった。

 

 あの子が呪いの能力者だと気づいたのは5歳の時。

 予め感染させておいた特殊細菌による観察をしていて気づいた。

 文献を調べ、データと照らし合わせた結果『シトリーの天秤』という呪いが浮上した。


 あの子が常に平均点であるのも『天秤』の能力によるものだった。

 どの集団に属していてもその中の平均点に能力が変化する。

 ぶっちゃけ特性を理解していたらとんでもないチート能力だけど理解が及ばなければコンプレックスの原因となる。

 

 あの子を小さい頃から見守ってきた。

 七枝の、そして友人であったメイシーの娘だ。

 

 リリアーナは元々内向的で人見知りな子で学校ではいじめられていた。

 呪いは少しずつ悪い方向へ作用していきデメリットが大きくなっていった。

 

 何かのきっかけで爆発し悪い方向へ天秤が傾き切るのは目に見えていた。

 そうすれば彼女は破界の眷属側に堕ちてしまう。


 両親に教えてやろうか?

 いや、そうしたところで対処できるとは限らない。

 却って悪い方向に進む可能性すらある。

 だが私ならどうだろう?


 そう、私なら出来るはずだ。

 そう考え準備を進めていった。


 そして準備が整った私はまず彼女をコンプレックスの原因となる家族から離すことにした。

 同級生のバカそうな男の子の意識をジャックしてユリウスというバカを焚きつけてリリアーナの姉、ケイトをコケにするよう仕向けた。


 更にはその計画がリリアーナの耳に入る様に場所を考えそこへ誘導した。

 リリアーナが勉強熱心な事を逆手に取り、予め家に侵入しておき予備のノートを盗んでおいた。

 あの子の事だから自分で買いに行くだろう。

 何処の店に買いに行くかも調べがついている。

 だから、そのルートで待ちユリウスの悪行が耳に入るようにしてやった。


「なあ、お前本当にレムシスターズのケイトとデートするのかよ」


 わざと聞こえる様に大声で、言ってやった。

 後はバカな悪ガキどもが調子に乗って頭の悪そうなことを言いリリアーナがキレて暴れた。

 予想以上に呪いが進行しており本当にボコボコにした時は焦った。

 もしユリウスを死なせてしまえばややこしいことになる。

 まあ、何とかそうはならなかったが……


 その後、予想通り姉と喧嘩して感情が爆発したリリアーナは家を飛び出した。

 どうせ行く場所もわかっていた。

 あの子は気持ちが塞ぎ込むと学校の裏山に行く。


 そこで私は転生時に出会った神様、クサビに話を通し彼女を地球へ転移させてもらった。

 え?神器を盗み出した輩?

 そんなの…………神様の『嘘』よ。

 あの神様、結構冗談好きなのよね。

 私がする事面白いからって色々協力してくれているの。


 転移先が七枝の母親が暮らす街だったのも此方のシナリオ通り。

 あの子の呪いを解消するにあたって用意した配役は2名。

 ひとりは祖母に当たる立花弥生。かつて七枝弥生と名乗っていた女性。

 

 もうひとりは東雲龍琉。

 本当は兄である龍一郎の方が良かったけど死んでいるなら仕方がない。

 あの男もまた困っている人を放っておけないおせっかい男だった。

 結果、私が抱えていた端末のひとりとのリンクは切られてしまったわけだが……その話はいずれ。


 龍一郎はおせっかいだが同時に独善的な所もあった。

 相手の地雷を綺麗に踏み抜くこともよくあり観察対象としては面白かった。


 それでも色々な実績を残す完璧超人の兄。

 そんな彼にコンプレックスを抱き彼の死によって超えることのできない壁にブチあったた弟。


 コンプレックスを抱く者同士、リリアーナと龍琉を当ててみたが最初はうまくいかず焦った。

 ラッキースケベみたいなことをしてリリアーナに嫌われていくスタイルには失望したものだ。


 だが祖母との交流や、龍琉の妹との交流などであの子は少しずつ自分らしさを取り戻しつつあった。


 そして龍琉に少しだが心を開いてくれた。

 ただ、男性恐怖症が災いして不味い方向へ行きそうだったので仕方なく姿を見せて少しネタ晴らしをしてやる。


 するとどうだろう。

 あの子は持ち前の認知能力を生かしはじめ呪いとそれをリンクさせ私の本心に気づこうとしている。

 ここまでくれば恐らくはもう大丈夫。

 この子は自分を取り戻し、呪いを克服できるはず。

 だって、あなたは七枝の娘だから……

 やだ、私ったら他人の娘にこんな愛着を持っちゃって……楽しいじゃない。


「かつてあなたの父親が倒したモンスターで相手してあげる!!」


 さあ、かわいいリリアーナ。

 目覚めたその力で私を倒してごらんなさい。


かなり歪んでいるけどイシダはリリィに対し母性を抱いており大規模な大芝居を打ったという感じですね。

まあ、その過程で色々な人を傷つけているのでやっぱり悪ですけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ