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第13話 対決!児啼=ストーン・ビースト

リリィは色々と思考し賢い子なのですが父親の影響で急に脳筋化することもありますね。

いや、あの家の子みんな脳筋か……

◇リリィ視点◇


 ヨウカイとやらをサイドバスターで投げたはいいけど思ったより重くて肩が痛い。

 これは肩の筋肉をほぐさなくてはいけない。

 2回、3回と回し……


「よし、いい感じ」


「いや、何でだよ。治るの早いわ!!」


 後ろからツッコミを入れてくる男がいるが本当にこれで調子が良くなるのだから仕方がない。

 筋肉のコリをほぐすことはとても重要だ。


「ていうかこいつ、よく見たらストーン・ビーストじゃない」

 

 あっちの世界ではよく見る初級モンスターだ。

 まあ、個体によっては中級に分類されるものもいるけれどまさかこっちにも生息していたとは……

 まあ、道理で重いわけだ。


 ゆっくりと起き上がりこちらを敵と認識したヨウカイに対しけん制の為、私は魔力を楔型にして連射する。

 無属性攻撃、その名もビームウェッジ。


 魔法っぽい攻撃だが魔法ではない。

 父様から受けついだ謎の攻撃属性『ビーム』だ。

 そう言うわけでマジックバリアなどには阻まれないし魔法防御も関係ないのだが…


 カンッl

 中々に良い音を立ててヨウカイが張ったバリアに弾かれた。


「これは『電磁シールド』!?こざかしい真似を!」


 電磁シールドならば属性は関係なく攻撃を防ぐことが出来る。

 ただ、それだけ高等なスキルであり野生のストーン・ビーストごときが持っているとは珍しい。

 環境の変化が要因?

 生態の変化に着目し考察するのも一興ね。

 いや、それよりも今はあのシールドを何とかしなければビームなどは通らない。


「こいつスキル持ちなんだ!気をつけろ!!」


「い、言われなくたって……」


 そんなやりとりをしているとストーン・ビーストのタックルが来る。

 私は攻撃に合わせフライングヘッドシザースで絡みつくと身体を回転させ前のめりに倒させると脇固めを極めた。


 どう?接近戦なら電磁シールドも役に立たない……


「うわっ!?」


 なんてことは無かった。

 至近距離で電磁シールドを張られ、私の身体が弾き飛ばされる。

 なるほど、接触しても弾くのか。中々に万能だ。


「リリちゃん!!」


 ミカが叫ぶ声が聞こえた。

 あーもう。格好悪いところを見せてしまった。

 着地した私に向かって電磁シールドを張りながらタックルをかけてくるストーン・ビースト。

 思ったよりも頭が回る様だが……本当にうっとおしい。

 

 動き自体は比較的緩慢であるので回避に専念すれば避けることは容易い。

 とは言え攻撃が通らないのは……下手をすれば変なところでエネルギーが切れかねない


「あのバリアを打ち消す手段があればいいのだけれど……」


 そんな事を考えているとマジックポーチが淡く光り出す。

 そして、中からこの間手に入れたカッパーゴブリンの腕とクサビ様から貰ったキューブが飛び出し空中で融合。


「これは……」


 一振りの双剣へと変化し私の手に収まった。

 左右それぞれ魚のひれを思わせるデザインとなっている。


「そういう事ね、こんなの出てきたら滾って来るじゃない!」

 

 ストーン・ビーストから距離を取ると刃にエネルギーを溜める。


「レッキングウェーブ!!」


 振り抜くと虹色の波動が放たれ電磁シールドを粉砕する。


「まだよ、これで終わりじゃない!!」


 足元にスプリングを錬成して高く飛び上がると双剣を大きく振りかぶり落下の勢いのままストーン・ビースト目掛け一撃をぶち込む。

 これぞ乾坤一擲のフィニッシュアーツ……


「ピスケス・スライサーッ!!」


 双剣の刃がストーン・ビーストの身体を引き裂いていく。

 そして避けた肉体から血が噴き出し雨の様に周囲へと降り注いでいった。


「ギャガァァァッーーー!」


 ストーン・ビーストが咆哮を上げ仰向けに倒れ込んだ。

 その目から光が失われていき完全に動きを停止させた。

 即ち、私の勝利。


 私は地面に双剣を刺して片膝をつくと右腕を胸に当て左腕を斜め前に高く挙げた。

 そして挙げた腕の先を向くと勝利のポーズを取った。

 視線の先では私をここまで連れて来てくれたヤヨイさんが割れんばかりの拍手を贈ってくれているのが見えた。


読んでくださりありがとうございます。

河童の時は決めポーズ忘れていたなぁ……


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