上陸!時間の無駄使い!
陸を目指して飛び続けること、約5分。
ふたりは陸に到着していた。
白く美しい砂浜に降り立ったふたりは、ぐるりと辺りを見渡した。
「さってと、とりあえずお城を探そうか……と思ったんだけど」
少女が見上げた先には、おとぎ話そのままに大きなお城が建っていた。
海の目と鼻の先に。
「探す必要もなかったな」
「うん。人魚姫ちゃんはもうお城かな?」
スキップでもしそうな程上機嫌に城に向かって行く少女に、青年はふと気になっていたことをたずねた。
「今回はどこが気に入らなかったんだ?」
「王子死ね」
青年は、即座に返ってきた答えにポカリと口を開けた。
「……………は?」
「命の恩人すらわからない馬鹿は死ね」
「……………へ?」
「人魚姫ちゃんを説得して王子を刺させる」
少女の言葉に返す言葉が見つからずに口を閉ざした青年をしり目に、少女はつらつらと自分の意見を述べていく。
「……いや、無理じゃないか?王子を刺せなかったからこそ泡になったわけだし」
「じゃあ、私が殺る」
はっきりと言った少女の言葉に、青年はピシリと固まり、ダラダラと冷や汗を流す。
その後、青年の必死の説得により王子の殺害は阻止。
王子に恩人は人魚姫だと気付かせる方向で話はまとまった。
だが、この時点で時刻は既に深夜になっており行動は明日からと言うことになった。
そして青年は知らない。
この必死の説得も少女には余り意味をなしていないことを。




