843/1091

さよならの足音

全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。

https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/

分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。

まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。

よろしくお願いします。(* .ˬ.))

《登場人物》

　林堂　凜

　主人公。　小6、男。

　幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

任天堂Switch　大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。

すもも

主人公と同居することになった。眠そうな半眼と赤髪ロングが特徴の美少女。

伽藍町

沖縄・那覇にある、家出した未成年達を受け入れる、違法な集落。

島袋（ノッポ）

伽藍町で働いている、三人のうちの一人。あとのセンゾーと定ヤンは凛に叩きのめされた。

エリザベスおじさん

伽藍集落の斡旋所、『サザンクロス・いけだ』の店主。

梁　梨花リャン・リーファ　

　小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。

香咲　ナディア=マフディー

小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。

ジャスミン・マーカス

アメリカ人。小5。女。

スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。

紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。　

氷室　恵メグ

小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。

五代珠乃（店長）

小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。

朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き

山田

ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。

自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。

　荒れ果てた店内。

　壁にはスローター１の二二口径が空けた銃痕があるし、片付けることは、みんなあきらめたみたいだ。

　のっぽのDJが背を丸めて、更衣室に消えていくのを背景に見ながら……。

　目の前に立つ、凛が言ったセリフに、凍り付くアタシ。

　……え？

　ナニソレ？

　「ちょ、待ってよ、相棒？　アタシ『フツー』になりたいなんて、一度でも言った？」

　慌てるアタシに凛は首を振る。

　「いや、これは他のみんなにも言いたいんだ……僕の役目は終わってる」

　「違う！」

　アタシは絶叫する。

　「役目とかなんとか……オマエの事そんな風に見たことなんかない！　ナー達もだよ！」

　凛は取り合わずに言った。

　「多分……僕は呪いにかかってる。トラブルが寄ってくる呪いだ」

　「……何言ってんだよ？」

　そう言いながらも……アホか、とは言えなかった。

　今までがそれを証明してるから。

　すももは、ダッフルバッグを提げたまま、長いまつげを伏せている。

　大荷物。

　多分、凛の忠告。

　ここに来る前から、今夜、こうなるのはわかってたんだ。

　この店から去る覚悟をしてたんだ。

　「ホントは、『僕にはムリ』って言えないだけだけど……それでも、やっぱりそうして来てヨカッタと思ってる……でも」

　凛が、アタシより視線を上に向ける。

　何かを思い出す様に。

　「ジャス子も、メグも……僕に引き摺られて、銃を持ちたいって言い始めた……田中さん(メグのパパ)に泣かれたよ」

　アタシの胸を、その言葉が抉る。

　アタシじゃない、コレは凛の痛みだ。

　だから、うつむかなかった。

　「相棒……ソレ、オマエのせいじゃないよね？　アイツらが自分で選んだんだ。凛がすすめたわけでも、止めなかったワケでもない。田中さん、間違ってるよ」

　「分かってる。田中さんも謝ってた。『こんな事が言いたかったワケじゃない。でも、メグが変わっていく速度について行けない。途方に暮れてるんだ』って」

　アタシは、顔をしかめる。

　「それ、アタシ達も同じだっての……アイツの事『妹キャラ』とか呼んでた、自分をぶんなぐってやりたいね」

　「それな」

　アタシ達は軽く笑いあう。

　すももは、自分の爪を見てる。

　身内ネタについて行けなくて、無表情だ。

　うつむいて、天井のLEDを反射する赤毛。

　よく見たら、バシバシになってる。

　……ははん、一度、黒か何かに戻したろ？

　髪にかなりムリさせてるな？

　こちとら、同じオンナだから見逃さないぞ？

　……それでも。

　凛の隣に立ってる、アンタが羨ましい。

　相棒とかわす、久しぶりの軽い会話。

　となりのすももを見上げて笑う、凛。

　心にガムテープを貼られて、剥がされた様な痛み。

　「コイツとも、ママを助けるまでの間だ。その後は……」

　「ベル、まず助けることが出来てから考えね、それ？」

　その先を、不機嫌な声でシャットダウンする、すもも。

　「……また、他の誰かのトラブルに巻き込まれる気がする」

　アタシもすももも、息を呑む。

　『違う』って言えるだろうか？

　アタシは、ずっと訊きたかった事を口にする。

　地雷かもしれないけど。

　「凛……ソレを望んでるの？」

　激怒するかも……って思ったけど、凛は軽く笑っただけだった。

　「まさか。ただ、あきらめてる。オマエ、ナディア、オリガ、ジャス子、メグ、店長……そして、すもも。これだけ、続けばね」

　オリガのこと、オーリャ呼びじゃないんだ。

　ホッとしたような、それどころじゃないような。

　……改めて考えると、確かに異常な数だ。

　でも。

　「冷静に考えようよ、相棒……それって、全部、アタシとナーから派生してない？　偶然とか運命とかじゃないって」

　強くかぶりを振る凛に、言葉を失う。

　「違うよ。そういう風に育てられたんだ、俺。まず、そこからなんだよ」

　アタシもすももも、凛をガン見したまま固まった。

　……そうだ。

　凛のパパ、『愛する者の為に死ぬことが、武士の本懐だ。自分が選んだ者の為に死ね』って、大時代的な教育方針で、コイツを育ててきたんだ。

　「……ソレ、アタシのせいだよね？　ずっとHAZEに狙われてるって思ってたし。オマエが『リーファを護りたい』って言ったから、辛いトレーニングが始まったんだろ？」

　すももが、眼を見開いて、アタシを見たけど……。

　嬉しくない。

　そんな、マウントとるつもりもない。

　胸が痛い。以前と同じ言葉を繰り返す。

　「ね……前も言ったけど、うれしくないよ、そこまでされても。『オマエは関係無い』って言われたときも、辛かったけど」

　視界がぼやける。

　「お願いだから、分かってよ？　アタシ達みんな、オマエが傷つくくらいなら、自分がケガする方がいいって思ってるんだ」

　アタシ達の気持ち……届いてくれるだろうか？

　たくさん、ヤキモチやいて。

　バカなコトして。

　コイツを、こんなスラムまで、追いやったアタシ達だけど。

【毎週火・木は更新お休みします】

(* .ˬ.))　今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。

毎日深夜0時過ぎ、週五更新を目標にしてます。

宜しくお願いします！