『National』って、どこの国のメーカーですか?
全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。
https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/
分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。
まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。
よろしくお願いします。(* .ˬ.))
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
すもも
主人公と同居することになった。眠そうな半眼と赤髪ロングが特徴の美少女。
エリザベスおじさん
伽藍集落の斡旋所、『サザンクロス・いけだ』の店主。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵メグ
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
五代珠乃(店長)
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き
山田
ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。
自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。
貴重品の入ったリュックを枕に、仮眠。
電波を切ったiphoneから、オーイシマサヨシの曲が流れて眼が覚めた。
見慣れない黒ずんだ天井にぶら下がった、LEDかどうかも怪しい電灯。
ここがどこかを思い出すまでに、十秒近くかかった様に思う。
部屋を分ける黄ばんだふすまに、夕陽が差していた。
僕が廊下側、すももさんは奥の窓側。ベランダ代わりの窓に下着なんかが干してあるから、自然とそうなった。
風が通るように、両端だけふすまを開けている。
那覇のホームセンターで買った、三枚いくらの無地のTシャツは汗でぐっしょり。
まあ、寝る前に水分とっときゃ、脱水症状にはならんだろ。
「すももさーん。十七時半です、起きてます?」
耳を澄ませても、聞こえてくるのは蝉のシャウトと、網戸を吹き抜ける潮風だけ。
海岸から大分離れてるから、いくらか塩っ気はマシだけど、やっぱ部屋の色々なものが錆びて劣化してる。
天井、崩れてこないだろうな?
扇風機だけは、疲れ知らずで、くくりつけられたボロボロのリボンを鯉のぼりみたいに泳がせている。
強いな、『National』? どこの国のメーカーか知らんけど。
ペットボトルから水を飲み、シャツを脱ぎながら声のボリュームを上げた。
『なかなか起きないから、頑張って起こしてくれ』
って予め言われてたからな。
「十八時半に迎えが来るから、支度始めなきゃ! 起きて!」
身じろぎする気配。
あ、やっぱり、部屋にはいた。
口を開こうとした途端。
ぶりっ
蝉と風の騒音に混じって、確かに重低音が聞こえた。
……。
ふすま越し、ガラガラの掠れ声が、ムリな裏声を作る。
「ヤダ、聞こえちゃったあん? すもも、恥ずかしぃん」
僕は額に四つ辻を作りながら、大事なコトを訊ねる。
「……中身とか、出てないよな? 一緒に洗濯すんのヤダぞ?」
ぬははは
足をバタバタさせる音。
コイツの馬鹿笑い初めて聞いた。
思わず僕も、口許だけ笑ってしまう。
なんだか、テストに受かったような気分だ。
「……あー、笑った。やっぱ、君…… ベル、いいよ。なんか、年上と一緒にいるみたい」
「んなこといいから、着替えろって。女子ってなんでも、時間が掛かるだろ?」
「あー、性差別だぁ。ポリコレとコンセンサスと、えーと…… 鮫島事件に反するんだぞぉ」
寝起きの女の子特有の、甘えた響きにドキッとする。
しかし、鮫島事件を知ってるとは、なかなか……やる。
え、知んない?
映画にもなったらしいぜ、二チャンネル発の与太話。
「最後のヤツは草。永田町が動くから、それは口にしちゃダメ」
「うっわ、『草』はヲタでしょ? ……パンツの事『パンティー』って言ったら追い出す」
「……じゃ、スキャンティ」
ヒィィ!
すももの ――呼び捨てでエエワ、こんなヤツ―― ぞわわっ、てカンジの悲鳴に手応えを感じた僕。
フフ、スマ勢達の早口トークで鍛えられた僕だぞ?
女子をドン引きさせるくらいワケないわ!
なんせ、僕がドン引きする様なヤツラだからな!
「キショいって…… 死んで?」
それでも、ヤッパ、女子の『キショイ』は刺さるよね?
笑顔がこわばった。
◇
僕らに割り当てられたのは、『赤エリア・C棟・八号室』
例のオカマちゃんがいた『サザンクロス・いけだ』から歩いて五分程度だ。
赤エリアは、この伽藍集落の中の未成年エリア。
C棟ってのは平屋の内の一軒。
その平屋、父ちゃんにしつこくオヌヌメされて読んだ、『めぞん一刻』みたいなアパートになってる。
外からは分かんなかったけど、廊下を挟んで、四部屋分の扉があった。
その内の一室は、管理人部屋になってるんだけど、そこと僕らの八号室以外は空き屋だった。
管理人、それぞれの棟にいるみたいだけど、姿は見てない。
まさか、C練の管理人…… エリザベスおじさんじゃないだろうな?
◇
残照って言うの?
オレンジ色の光が、防風林の遠い向こう、沖縄の海に乱反射している。
バス乗り場は只の小さな広場だ。
吹き付けてくる突風。横に立ってるすももが、肩より長いウェーブの赤髪を、後ろで縛っている。
豪風に砂煙が巻き上がる。口許を覆って、顔を背けた。
『外国人パーマ』とも言うらしいけど、美人で小顔じゃないと似合わない。すももは余裕でセーフだ。
時刻は十八時二十五分。
どこからか、ゾンビの様にずらずらと集まってくる未成年たち。
男女合わせて、十二、三人くらいか?
比率は圧倒的に女子が多い。
男は三,四人か?
うん、分かってた事だけど、男も女も、まともそうなのいないね?
黒髪のヤツ僕だけだし、服装もオマエラ、ジプシーかよ? ってくらい装飾品だらけだ。
全員、寝起きのダルそうな顔をしてるのも共通。
なんか……。
『人のフリみて、我がふりなおせ』って言うけど、やっぱ、夜更かしアカンよね?
覇気とか元気とか、若さがないワ。
固まっていたヤンキー男子どもが、僕らの方を見て、薄笑いを浮かべる。
横を見ると、歓迎するよな笑顔の、すもも。
ワカル。
パイセンとは、上手くやっていかなくちゃならないもんな。
でも。
近づいてくるソイツらに、会話の内容を悟られない様、笑顔で横の同居者を見上げる。
「……アイツら、目ェ、エロ過ぎ。僕は舐められてるし…… どこでライン引く?」
つまり、どこまで踏み込んで来た時点で『殺るか』を訊いた。
すももは、微笑んだまま、ノールックで囁く。
「おさわりしても、金払わなさそうだし…… でも、ベルがボコられたら、あっちにつかなきゃなんないからなあ…… 私は無関係の方向で」
要約すると、『おさわりしてきたら、ヤッテよし。でも、アンタが負けたら、見捨てるよ?』
って事だ。
冷たいとは思わない。
何も武器を持たない未成年の女子。
生き抜くには政治力しかないしな?
二人してイジメられるなら、ゼッタイすももを巻き込みたくない。
こっちに肩を揺すりながら近づいてくる、アホ共。
仲良く出来そうな雰囲気じゃない。
心臓が音を立てて暴れ始める。
僕は……。
ドキドキわくわくを隠すため、頭半分高い小顔を、見上げたまま笑う。
「りょ…… その代わり、ゼッタイ止めんなよ?」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





