表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
786/1089

7デイズトゥダイ、日本語訳が合ってない


全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。


https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/


分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。


まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。


よろしくお願いします。(* .ˬ.))





《登場人物》




 林堂 凜


 主人公。 小6、男。


 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。


 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。




梁 梨花リャン・リーファ 




 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。




香咲 ナディア=マフディー




小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。


ジャスミン・マーカス


アメリカ人。小5。女。

スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。

紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。 



氷室 恵メグ


小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。


五代珠乃(店長)


小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。

朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き


山田


ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。

自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。






 自分の吐いた息が、顔中にまとわりつく様な暑さ。

 乾ききった体には、日に焼けほつれた布製の『氷』って書かれたのぼりですら、たまらなく魅力的だ。


 何より、入り口の上に張り出したひさしの下にある、古い教室みたいな木のスライドドア。

 閉まってる上、磨りガラスの向こうに明かりが見えるんだぜ?

 

 これ、冷房効いてるって期待してイイよな?

 だらだら流れ続ける汗が腹の傷に沁みる。


 ……ゼッタイ悪化するよね、コレ?


 山田は一言、『死にはしないし、死んでも気にしないから心配するな』


 いや、アンタの心配なんて、一ピコもしとらんわ。モチでもノドに詰まらせて、死ねばいいのに。


 ……まあ、抜糸なんか、多少遅れても大丈夫だろ。今はとにかく、目の前の事だ。


 『サザンクロス・いけだ』


 大昔の芸人か、田舎のヘアサロンみたいな名前をした、店の引き戸に、手をかけた。


 緊張する。


 地元の人が、こぞってなかったことにしたがる集落の、しかも、子供に仕事をあっせんするような、ろくでもない店。

 開発スタッフが死ぬまで、一〇年以上ずっとβ版だった、ゾンビゲーム、『7デイズトゥダイ』の商人みたいなのが待ってるに違いない。


 あれって、オッサン商人がしゃべってる汚い英語と日本語訳、ぜんぜん合ってないよな?

 英語で『piss off(失せろ)』とか言ってんのに、『お会いできてうれしいです』なんて言うわけないもんなあ。


 そんなんエエワ。

 今はなによりクーラーだ。


 思ったよりスムーズに木の引き戸は開いた。


 「うおっ!?」


 開けた途端、中からただよって来た熱気に僕はのけぞる。

 なんだコレ、店内で太陽でも飼ってんのか!?


 ……いや、そこはまだ店内じゃなかった。

 外見と同じく、古びた板張りのせまい空間。エレベーターの箱くらいしかない狭さ。


 その向かいには、打って変わって頑丈そうな鉄の扉。

 そしてなにより……。


 床に置かれた、風を吹き出す、ストーブくらいのデカイ箱。

 各家庭のベランダなんかに、備え付けられてるアレだ。


 「なんで、室外機が部屋の中にあるんだよっ!?」


 そりゃ暑いはずだワ、もうドライヤーかよって勢いで、熱風吹き出してるもん。

 

 クーラーが効いてる部屋から、ベランダに出たときに思い知らされる、あの絶望感の親玉。

 快適に冷やすために、不快な熱気を撒き散らしてるのを肌で感じ、人生ってどっかで釣り合いがとれてるんだなあ、って思い知らされた十一の夜。


 『フフ…… よく見なさい、子猫ちゃん』

 「のわあっ!?」


 突然、降ってきた、ガラガラ声に飛び上がる。


 天井か!?


 声のした方を振り仰ぐ。

 薄暗い天井の隅、蜘蛛の巣といっしょに機械の眼が、僕を見下ろしていた。

 

 あ、ワリとちゃんとしたカメラがついてるじゃん、スピーカーも。

 ますます、『7デイズトゥダイ』っぽいな? 閉店時間に、『もう店閉めるぜえ』とか放送しそう。


『そこはまだ、屋外…… じゃないと、ツラを見ただけで吐きそうになる、貧乏人どもが涼みに来るからネェ』


 うん、トレーダーそのものじゃん。

 あ、言われてみれば、室外機の反対側の壁、金網になってるワ。


 いや、それでも暑い。外の方がマシなくらい。

 えーと、どう言おう。


 子供でも…… いや、その言い方はマズイ。そうだ。


 「未成年でも、働き口を紹介してもらえるって聞いたんですが」


 間髪入れず、ガチョン、って解錠される音がした。

 遠隔操作っぽい。


 ねっとりした、笑いを含む声が降ってくる。


『そりゃ、ここに来るってことは、それしかないからねェ…… お入り』


 ……今でも思う。

 南を選ばなきゃ、よかったのかなって。



 僕の『人生最大の方向まちがい』は、こうして幕を開けた。


 

 ◇


 特集番組で見た、ヤクザの事務所か左翼の本部かよ? ってくらい頑丈そうな扉をくぐる。

 今度は冷気が吹き付けてきた。


 「おお、涼しい! しかも、キレイ!」


 テンション高く叫んじゃった。いや、無理ないって。

 店内は、思っていたのと全然違う。コーヒーショップみたいな明るさと清潔さだった。

 但し、人影はない。

 

 コンビニのイートインみたいにシンプルな椅子とテーブルが二組、奥にはカウンター。

 広さはローソンとかの半分くらいだけど。


 なるほど、イオンで見かける、旅行代理店みたいな雰囲気だ。

 かすかに、コーヒーの香りもする。


 けど。


 『サラ金とか、後ろ暗い店ほど、清潔で無個性』って父ちゃんが言ってた。


 子供に仕事をあっせんする…… この上なく後ろ暗いよな?


 でも、望んで来たのは僕だ。


 気を引き締めつつ、大声を出した。

 ナメられてたまるか。


 「すみませーん」


 返事がない。店の外、蝉の声が遠く聞こえるだけ。


 もう一度、叫ぼうと口を開いたとき。


 「いえーっす」


 カウンターの方から、気だるげなガラガラ声がした。

 地の底からわき出るようなオカマ声に、イヤな予感は、ガンガングイグイ急上昇。


 カウンターの袖からゆっくり現れたのは……。

 髪の長い白塗りのオバケだった。


 あまりの衝撃に、しびれる頭で思った。


 ……キッスか?


 

 往年の名バンドを思い出させる、どぎついメイク…… って言うか塗装。

 時代遅れのドレスと、何メートルも離れてるのに漂ってくる、トイレの芳香剤みたいな、えぐい香水。


 白い異空間に、オカマちゃんと二人きり。

 

 足が震える。

 

 初めて味わう種類の緊張で、お腹がぐるぐる鳴った。


 そいつはカウンターに手を付き僕を見据える。

 ニヤリと笑った前歯は欠けていた。


 「サザンクロス・いけだへようこそ…… 店主のエリザベスよ」






(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ