父のイイトコは、youtubeプレミアムに入ってるわかりみなセンスです
全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。
https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/
分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。
まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。
よろしくお願いします。(* .ˬ.))
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵メグ
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
五代珠乃(店長)
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き
山田
ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。
自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。
数十分使って、道なき道を駆け降りた。
いや、お腹と太ももの傷に悪いのはわかってるんだけどさ?
上から見下ろす限り、くねくねした道に沿って歩いたら、一時間はかかりそうだもん。
藪や原生林を突っ切り、今考えたら、ハブに咬まれたらアウトだったよな、ってヒヤリとしながら集落の入り口に立つ。
吹き抜ける一陣の風。
小さい頃、父ちゃんと見た西部劇の決闘シーンみたいに、コロコロと草っぽいものが転がっていく。
土色やねずみ色の、上から押しつぶされたような平屋の群れが立ち並んで、迷路みたいになってる。
ホッとしたのは、海沿いの道路が集落の向こうにあったこと。
単にバスがそっちの道路を巡回してないって事だけみたいだ。
……言ってて気付いたけど、それってワリと深刻だよね?
どんだけ見捨てられてんだよ、ココ?
ググっても、もよりのコンビニは、ここから二キロ離れてる。
なんつーか、ここに住んでる連中、どうやって生きてるんだ? ネットとか通って無さそうだぞ?
そこで重大すぎる事実に思い当たり、稲妻に全身を貫かれる。
……携帯代、どうなるんだろう?
足が震えた。
え、ウソ? 父ちゃんのイイトコをあげろって言われたら、真っ先に「youtubeプレミアムに入ってるわかりみなセンスです」って答えるくらい重要なポイントなんだぞ?
なのに、スマホが繋がらなくなったら……。
ムリだよ、ムリ! 配信観ないでどうやって生きて行けってのさ!?
『ようつべ禁止』なんて、女子に『他人の悪口禁止』って言うくらい、現実味ないワ!
やめてよ、パパのイイトコの八割を奪わないでよう!
白目で灼けるような日差しを浴びてると、一瞬めまいがした。
影と日なたのくっきりし過ぎたコントラスト。
一体どれだけ放置されたままなのか、道端にすてられたペットボトルのラベルが強烈な日差しで、色あせてる。
そりゃ、人っ子一人見かけないはずだワ、気温、何度あるんだよ。
……あかん、日陰に入ろう。
ネットの事はその後だ。
イザとなったら、那覇まで戻って無料wifi目当てにマクドで暮らしてやる。
コンビニの無料wifiはダメだ。まともに繋がったためしがない。
日焼け止めは塗ってるけど、2Lの水も半分になってるし、なんとかしなきゃ。
車一台分ちょっとの幅。舗装されてない道の両側に沿って、一階しかない古びた家屋がならんでる。
大阪でも、時々取り壊されそこねた昭和の家をみかけるけど、あればっかりが並んでる感じだ。
大半が空き屋、その内の一つ、ボロボロのスレートの屋根が張り出してる、庭の駐車スペースを見つけた。
勝手に侵入、うん、いくらか暑さがマシ。
水分をとり、雑草にいる虫に刺されないよう、ヘンなステップを踏みながら、周囲を眺める。
ほとんどの空き屋は、玄関のドアが壊され、家の中にガラスの破片や雑誌が散乱している。悪臭はしないのが、せめてもの救いだ。
通りも犬のフンこそないけど、お菓子の包装紙やちり紙の玉が平べったくつぶれていて、お世辞にも衛生的とは言えない。
それを見てると、決意も脳みそも溶けていくような疲れが体にのしかかる。
……なんか。
もう、マジで那覇のマクドでいいかな、って気がしてきた。
泊まるところ?
だから、南を選んだんだっての。
野宿でもなんでも……。
っていいたいとこなんだけど……。
沖縄って、『G』が多いんだよな。
海岸で寝てたら補導されるだろうし。
大阪へ強制送還されたら、無理矢理登校させられて、
『一泊二日の沖縄旅行だったんですけどぉ、これがけっこう冒険の連続でェ』
とか羞恥プレイをさせられる未来しか見えない。
女子達に『冒険王』ってdisられるトコを想像して、沖縄の青い空へ絶叫しそうになった。
ダメだ!
石にかじりついてでも、沖縄にしがみつくんだ!
テキトーなとこでこっそりへ大阪帰って、パックンフラワーみたいに土管で暮らせばエエワって思ったけど……。
よく考えたらムリ。
見つかる。
相棒なら、あっという間に僕の隠れ場所なんか、見つけ出すに決まってる。
『戦わなきゃ、現実と』
ネットで見かける、ドラえもんのセリフに背中を押され、トボトボと歩き出す。
進むにつれ、道幅は狭くなっていき、迷路みたいなカンジになってきた。
しかし、人の気配が全くない。
『千と千尋の神隠し』の人がいない屋台村を思い出す。
ホントにだれか住んでんのかな。
そう思いながら、曲がり角を曲がると、通りの半ばに『氷』って書かれたのれんが見えた。
砂漠のオアシスを見つけた遭難者の気持ちで思わず叫ぶ。
「おお!……あ、ここだ」
もっと、総合案内所っぽい建物だと思い込んでた。
山田に言われた仕事を斡旋してくれる、冒険者ギルドみたいな店。
その名が、軒先に張り出したテントに、でっかく描かれてあった。
『サザンクロス・いけだ』
板張りの壁、店の前に置かれた木のベンチと骨董品みたいな扇風機。
微かに漂う蚊取り線香のニオイ。
僕は汗まみれの顔をぬぐいながら半眼でツッコむ。
「……駄菓子屋やんけ」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





