プロポーズは、おしゃまなポリネシアン・ジョーク
全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。
https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/
分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。
まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。
よろしくお願いします。(* .ˬ.))
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
ローズ・マーカス
ジャスミンの母。CIA職員。破天荒で、ちゃらんぽらんだが、娘を愛している。
ガハハと、笑う父ちゃん。
「メグちゃんのママ、オモロいな、凛? いやあ、こんなキレイな人に面倒見てもらえるんやったら、願ったり叶ったりやけど……」
プロメイクアーティストのプロポーズを、おしゃまなポリネシアン・ジョークくらいにしか思ってない、父ちゃん。
空調のせいもあって、うすら寒い。
僕は哀れみすら感じ、こう思った。
『キミは何もわかっちゃいない』……と。
もちろん、四〇男の気遣いなどまったく無視して、ぶんぶんエンジンをフカす、鬼女軍団、プラスワン。
片手を娘に突き出し、もう片方の手で、顔面に高速塗装をキめながら叫ぶ、メグのママ。
もう、こんなの大道芸じゃん。
「よこしなさい、メグ! それで丸く治るなら、パパも納得してくれます!」
「絶対イヤ! まず離婚してから、出直して来なさいよう!」
「親に離婚ススメてる自覚ある? そもそも、田中さん、納得しないよね!?」
「ガハ……ハ……」
カラ笑いも限界に来てしまった父ちゃん。
「カタカナでもいいのかしら? ペンある?」
通話を終えたローズさん。ヒジを伸ばしてアップを始める。鈴木さんが鋭くニラむ。
「……17歳の小娘が、里佳に勝てるとでも?」
イイ笑顔で前に立ちはだかる、ジャスのママ。
「……そう言うアナタは、二十歳前のお嬢ちゃんかしら?」
フフ
ウフフ
至近距離、互いをたたえる笑顔を浮かべた二人に、再度、鬼女達がツッコンだ。
「「「「キメェつってんだろーが!?」」」」
ナディアママが、首をゴキゴキ鳴らしながら、伸びをした。
追加のコーヒーでも注文する気安さで、軽く呟く。
「じゃ、ママも……」
「せんで、ええワ、パパがおるじゃろ!?」
フフッっと笑う、色白、一本三つ編みの優しそうなナディアママ。
ちゃうわ、目だけは笑ってない。
「いたかしら? 庭の倉庫にすみついてる、買春に失敗した無職なら知ってますケド」
字面ひっどいね?
「……あの、メグちゃん。その紙ちょっと返してもろてエエかな? やっぱ、ワシが間違っとったかな、って」
メガネを曇らせ、だらだら汗を流しながら、横のメグを片手で拝む父ちゃん。遅いワ。
メグはにっこり笑って、明るく言った。
もちろん、胸の谷間にツッコンだ、例の紙を取り出す気配はない。
「なら、間違って無かったことを証明すればいいんですね? じゃ、メグから」
「ヤメろ下さい! 二人の間であった、センシティブなこと言いふらすなんて、人格を疑われるヨ? ふごぺっ」
頬、腹、太もも、三カ所同時に衝撃を受け、気付いたみたら畳ナメてました。
鬼女達の史上最大の呪詛に満ちた、恨み声が頭の上から降ってきて、このままビクンビクン、ケイレンしたままでいるのが最適解かなって思いました、まる。
「……どのクチが、言っとるんじゃ、このペロ犬」
「ジャス以外の、何人にパナしてんだ、この犬野郎」
「傷口は避けといたよ、イヌの血で汚れたくないからねェ」
……コエエ。
拳や蹴りをブチ込まれた場所の感覚がないけど、それどころじゃない。
無防備にさらしてる背中から、ナニをされるのか、気が気じゃない。
けど……
どこかホッとしてる部分もある。畳を至近距離で見つめながら思った(二回目)
コイツラが怒りを、言語化じゃないけど、『暴力化』したことで、なんだか……。
許されはしなくても、まだ『拒否』はされてないのかなって。イヌ呼ばわりだけど。
だって、今でも、婚姻届け獲りあってるのは、他のヤツに使われるのがシャクなだけだろ?
僕のコトがまだ『好き』なのかどうかとは、意味が違うよ。
けど、一人になりたいって言ってみたり、コイツラ護るって言ってみたり、我ながら、頭の中どうなって……。
「んー、凛の言い分、もっともですう…… おこちゃま達にはまだ早そうだしぃ」
言い終わらない内に、強烈もイイとこなビンタの音が響き渡り、あわてて、顔を上げた。
寝たふりしてる場合じゃネエワ!
ビンタじゃなかった。
見るからに全体重をのせた、ナディアの右。
それを両掌で受け止めた父ちゃんの顔が歪んでいる。
「飽きたワ…… そろそろ殴ってええかの?」
くまの出来た、ナディアの目は完全にトんでいた。
父ちゃんが受け止めたすぐ先で、平然と微笑む、泣き腫らした目の雪女。
もう、コイツは僕らの知ってるメグじゃない。
多分、『汚い』マネをさせたら、五代より上手いだろう。
「……ムリでしょ、最強のガーディアンがいるじゃん」
「……ここまでだ」
父ちゃんの声質が変わった。
部屋の空気も一変する。
ローズさんと小声で話してた、ハスマイラさん。
ギョッとしたようにあわてて正座、ナディアママとメイクの話をしてた鈴木さんも、顔色を変えた。
父ちゃんに任せていれば大丈夫って、みんな思い込んでたから、放置だったけど……。
その結果は、コレだ。
「ナディアちゃん。今のが入ってたら、取り返しのつかないケガを負わせてたよ? そうなると、もう妻を止められないし、止める理由もなくなるが、構わないかね?」
舌まで痺れて動けない、僕。
導師が本気で怒ってる。
伊達メガネを外しながら、わずかに振り返る。
唖然としてるメグに、雰囲気の変わった四〇男は言った。
「座りなさい。口は慎むように」
蒼白になったメグ。返事も出来ず、操り人形のようにフラフラと、鬼女の横に並んで、立ち尽くす。
脅されたワケでもないのに、リーファ達、四人の顔も真っ青だ。
驚いたことに、ナディアママの目つきが険しい。白い顔に、汗さえ浮いている。
わかっちゃったんだ。彼女の豪腕でもこの場はコントロール出来ないってコトに。
残念だけど、その通り。
ここにいる全員が、武器と連携を駆使して襲いかかっても、勝ち筋がまったく見えない。
ハスマイラさんが、緊張のあまりか、おかしくなった口調で言った。
「ハスマイラより、この場、全ての人間へ…… 」
声が震えている。
部屋の空気が、極限まで張りつめた。
「いいと言うまで、口を開くな…… 私はまだ、死にたくない」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





