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そんなの、メグとスパイダーマンだけ


全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。


https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/


分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。


まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。


よろしくお願いします。(* .ˬ.))





《登場人物》


 林堂 凜

 主人公。 小6、男。

 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。


 ジャスミン・マーカス


アメリカ人。小5。女。


スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。

紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。 



氷室 メグ


小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。


ローズ・マーカス


ジャスミンの母。CIA職員。破天荒で、ちゃらんぽらんだが、娘を愛している。






 すっかり陽の暮れた、メグんちの和室。


 鬼女たちは、新規のデラプレイヤーを見つけた古参勢のような……。

 わかりにくいよな、ゴメン。


 近づいて来た野生のリスを、脅さないような陣形でじわじわと包囲。


 とっくに正気に返ったママ達は、身動きもせず、一言も発さない。

 

 事態の重さは、僕と同じくらい理解してるみたいだ。

 さすがは鬼女のママ達…… 伊達に鬼女のママを一〇年以上やってない。あ、ハスマイラさんは違うか。


『今、納得したばかりでしょ、本人の気持ちはどうなるの!?』


 なんていう、正論をふりかざす左翼チックな理想主義者は一人もいない。

 

 娘の考えている事が分かるんだ。

 だって、僕ですら、手にとるようにわかるんだから。


『あの婚姻届け…… 他の連中に渡すワケにはいかない。何をされるかわからない』


 が、先ずイチバン。


 次に……。

 考えを中断させたのは、メグだった。


 「わ、見れば見るほどカワイイ…… おしゃれな婚姻届けってのもいいけど、あえて、『定型通り』ってのも、二人の愛が感じられて素敵…… ちょっとだけ、見せてもらってもイイデスか?」


 衝撃に眼が開く。


『イイデスか?』


 そのあまりにさりげないイントネーションに、メグが積み重ねてきた演技の『功夫』…… 修行の成果を震えるほど感じたから。


 ……みんなさ。


『演技なんて簡単じゃん。普段通りにすればいいだけだろ?』


 とか思ってない?


 出来ないよ、やってみ?


 それが出来れば、非声優を起用してるジブリ映画、あんな悲惨な事になってねーよっ!

 鬼女達ですら怯んでいるのをみりゃ、誰でも分かるだろ?


「……メグ。あなた、極まってるじゃない」


 メグのママのガクゼンとした呟きも、全集中で『さりげない演技』をしてるメグの耳には届いてない。


 「ん? ああ、モチロンやで? 興味もつ年頃やもんな」


 ンモオオオ!?


 アンタ、危機意識とかそういうの、どこに置き忘れて来たんデスカ!?

 ひっかかってんじゃん、メグの演技に、しれっとさ?


 僕には昔から、『闘う時は徹底的に疑え。ボクシングやってるって言うヤツは、そう言ってタックルが来ると予測しろ』


 とか、夢枕獏の『餓狼伝』みたいな教育してきたクセに!


 ちなみに、いませんでした-。

 

 小坊のケンカで、『俺、カポエラ歴、二〇年だし!』とか頭の悪いフカしかたするアホはいても、言葉でフェイントかけてくる、プロ喧嘩師みたいなヤツ、一人も……。


 おったワ、ごめん、六人くらい。

 しかも全員美少女。


 いや、そんなのどうでもエエ。

 

 だって。

 

 僕は見てしまった。

 父ちゃんの許しが出た瞬間、笑顔の筋肉は固定したまま、メグの眼が一瞬どう猛に光るのを。


 「わ、うれしー! ……離せよ、脱色オンナ……ゲフンゲフン…… ジャスミン、離して下さるぅ? さっきから『てのひらガマガエルかよ』ってくらい、手汗じっとりだしぃ。握手券とか、NGなのウチの事務所ぉ」


 立ち上がろうとするメグを、座り込んだまま明らかに引っ張ってるジャス子が、フフッって青筋立てつつ微笑む。


 「いや、手から粘液出せるとことか、マジ、ジュニア・アイドルの鑑だよな? 離したいけど、貼り付いて離れないんだよね。こんなキモいマネ出来んの、メグとスパイダーマンだけだぜ?」


 オホホ


 ウフフ


 二人の白くて華奢な腕に、鋼の様な筋が浮かび、互いの掌から負のオーラとめりめりって音が漂う。

 さすがのKY(父ちゃん)も顔色を変えた。遅いワ。


 ママ達は、部屋の隅に退避、ナディアママを筆頭に、うまい棒をかじって外野に徹しているのを見て、絶望する。


 つまり、助けはあてに出来ない。


 僕と父ちゃんが何らかの連携を起こしかけたとき、絶妙のタイミングでリーファが口を挟み、ナディアがよいしょと立ち上がる。


「全く、しゃーないね、ガキンチョどもは」

「ほんにのう…… ここはウチが」


 事態は動き出す。


 突如、蹴られた畳が、焦げるようなダッシュを見せるナディア。それを斜め後ろから、ラガーマンの如くリーファがタックルでインターセプト。


 「タックルは腰から下ァァ!」

 「なにしよるんじゃ、リー!? ウチ、プリントされちょる、あじさいの花びらを数えよう思うただけじゃ!」


 「それ、その眼! ナディアン・シチュー作ってた時と同じくまが出来てるって!?」


 全力でツッコム僕。ココまで来たら、息をひそめてる理由もない。

 イタタ、お腹の傷痛むし。


 「いい加減にしろって、オマエラ!? ハスマイラさんたちも止めて下さいよ!」


 うまい棒をかじる手を止め、褐色ポニテは、一瞬で据わった眼に変わる。


 「グル…… 林堂くんのパパのなさることに、間違いがあろうはず無いッス」


 頭が吹っ飛ばされた様な衝撃。


 「グル!? 今、導師(グル)っつった!?」


 この人…… まさか、僕と同じで、父ちゃんに鍛えられたクチ!?

 

 ウソだろ、世界せますぎだろ……って、橘さんの部隊の人だもんな、可能性あるワ!





(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


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