家庭の事情で、北朝鮮に狙われています
全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。
https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/
分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。
まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。
よろしくお願いします。(* .ˬ.))
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
ローズ・マーカス
ジャスミンの母。CIA職員。破天荒で、ちゃらんぽらんだが、娘を愛している。
陽の暮れた和室。凍結した世界。
時間が動き出す。
口許を押さえて、えづいたリーファが、トイレの方に駆け出す。
ナディアが同じように、口を覆ってその後に続きそうになって、引き返す。僕をはじき飛ばし、台所の流しにとびついた。
ジャス子は唇を噛んで震えている。
きっと、とっくに吐ききったんだろう。
背後でナディアがえづく声を聞きながら、さっきまでのふざけた気分が、跡形もなく消え去るのを感じていた。
だよな。
フケツだよな、僕。
なんだか、『キモい』って言われてるみたいで、この世から消えたくなる。
光の消えた、どよんとした眼でローズさんを見ている、メグ。
明るく横ピースしてた、おバカな妹キャラ。
なんでこうなってしまったんだろう。
「……満足かしら?」
「……ハ?」
静かに問いかけるローズさん、険しい顔で聞き返す雪女。
思わず見上げると、ローズさんは、陰の無い顔で微笑む。
「アメリカ人は、マッチョ思想の男だらけでね…… アナタみたいな考えのヤツ…… ごめんなさい、あなたたちみたいな考え方の男ばかりだったわ」
メグは無表情のまま呟く。
「メグ、まわりくどいのキライなんです…… ハッキリしたトコ、アメリカ人みたいでしょ?」
ローズさんは気が抜けた様に笑う。
「なら、遠慮無く…… 『ファックしたら、俺の女だ』 ハートは、おいてけぼり。今のアナタと何かちがうかしら?」
うずくまって、悲痛な声で泣いていた、メグが落ち着くまで、5分かかった。
けど、みんな同じ様なモンだ。
壁にもたれて三角座りのリーファ、横座りでうつむいているナディア。ジャス子も壁際、しゃがみこんで頭を抱えてる。
僕はローズさんの隣でそれを眺めて、立ち尽くすだけ。
逃げ出したい。さっきよりも遥かに転校したい。
心がきしむ。
結局、僕の優柔不断がこんな結果を招いたんだ。
一号達の言うとおりだった。
『自分に好意を持ってるヤツラ全員と、仲良くするなんて無理』
ちょっと考えなくても、わかる事じゃんか。
じゃあなんで?
……もういい。
その質問には飽きた。
「落ち着いたか……? じゃあ、時間もないから、大事な事言うで? 実は林堂くん、この事とは関係なく、転校する」
「え?」
思わず声をあげたのは僕だ。
女子たちも全員、時間差はあるけど顔を上げた。
「……どういう事ですか?」
質問する僕と、座り込んだまま、100円玉を弾いてる、スーツ姿の五代さん。
「梁と話し合って、君の父親が決めた。キミ、北の特殊部隊に狙われとる。珠乃が半グレにさらわれたやろ? あれもその差し金や」
部屋中がどよめいた。
僕もあまりの意外な展開で、一気にブルーが吹き飛んだ。
「え、ちょ、ちょっと待って! HAZEなんですか?」
「いや、HAZEは完全に消滅や。関係ない」
「じゃ、何で凛が狙われるんじゃ!?」
「林堂君ちの、家庭の事情や…… リーファちゃん、ナディアちゃんと同じでな」
二人が眼を見開く。
「うそだろ、凛!? オマエんちって、フツーの……」
「……フツーだったら、あんな訓練しないって」
リーファに向けた、僕の声はのろくて暗かった。
相棒には、昔、軍隊にいた、としか言ってない。
どうしてかって言うと、父さんは、僕にもそれ以上は話してくれないからだ。
母さんとは、イラクで出会ったって聞いてるけど。
「なんで黙ってたんじゃ!?」
詰るナディアを、五代さんが、叱りつけてくれた。
「察しろや。息子にも言えんワ、そんなもん。アリ…… オマエの父ちゃん、どないやねん? 経歴どこまで知っとる? 人には言うなって言われんかったか?」
「……そうじゃけんど」
悔しそうにうつむくナディアから、皆に眼を向ける五代さん。
「オマエラ、もう気付いたやろ? 抜け駆けしあってて、メグちゃんがたまたまイチバン乗りやった。お互いを責める資格なんざあるかい。『エロい事させたげるから、家においで』…… アホやろ全員。単にヤリ捨てされるだけやど、そんな考え方やったら?」
「だったら、どうすればよかったのよ!」
やっと顔をあげた、メグの絶叫に、五代さんはしれっと答える。
「メグちゃん、今までフッたヤツにそう言われたら、どう答えんねん? そのみてくれや、何人もお断りしてきたよな?」
悔しそうに顔を歪め、べそをかくメグ。みんなもだ。
僕は不思議で仕方ない。
なんでこうなった? 僕みたいなチビのどこがいいんだよ?
五代さんが立ち上がる。
「そろそろ、去ぬわ…… もとHAZEとしては、ここでこうやってるだけで、しんどいしな」
そうだ、HAZEのメンバーだった五代さん、メグやその両親を、半グレたちに襲わせたんだ。
……鈴木さんに顔会わせるの、ツライに決まってる。
見上げる、女子達に、長身の元工作員は言った。
「いがみあっとる場合か? 珠乃が攫われたんで、分かるやろ…… 多分、オマエラも北のマトやで?」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





