大キライで大スキだった
全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。
https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/
分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。
まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。
よろしくお願いします。(* .ˬ.))
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
ローズ・マーカス
ジャスミンの母。CIA職員。破天荒で、ちゃらんぽらんだが、娘を愛している。
僕は信じられない思いで、スマホの小さな画面を見つめていた。
……ナニ言ってんだ、メグ?
マジで、頭おかしくなったのか?
『そのとおりじゃけんど…… 道具つこうて、つぶし合うほどじゃ、なかったの』
iPhoneのカメラは、かなりの引きで横から撮ってる。
だから、全員が映ってはいるけど、全員の表情までは分からない。
それでも、そう言ったナディアが目を伏せたのは分かった。
ナディアまで、そんな事言うのかよ?
ナニ、あのケンカしながらつるんでた時間…… 僕の知らない場所では、ずっといがみあってたワケ?
呆然としてる僕を置き去りに、メグが吐き捨てる。
『みんなのこと、ずっと大キライで、大スキでしたよ? ……こうなるのは、時間の問題だったでしょ?』
……あ。
以前、HAZEに襲われた後、コイツラ鬼女軍団からかくまってくれた、スマブラ・ヲタクの一号と二号。
二人に言われた事を思い出した。
『もう無理だぞ?……誰かを選ばないと……マジで誰もいなくなるぞ?』
『そもそも無理ゲーなんだ、自分に好意を持った連中、みんなと仲良くするなんて』
僕は画面を眺めたまま、思わず呻いた。
「だから…… 僕はオリガを……」
換気扇を回して、タバコを携帯灰皿に放り込んだローズさんは、疲れ切った顔で僕の前に戻って来た。
「そうね、ソニー…… でも、そのカワイイ熊ちゃん(ロシア人への愛称)は、もういないの。だから、あなたの奪い合いも続いてる」
……なんだよ、ソレ。
誰も頼んでねえよ。
「なんでだよ…… ケンカしながらも、仲良くやってきたじゃんかよ……」
だから、僕にはまだ、さっきメグの言った事が信じられない。
なだめるように、そっと僕に手を重ねる。
真っ白で細い手。左手薬指で、金色に光るリング。
「女ってそう言う生き物なの。好きな人のためなら何でもするし、誰でも裏切る…… フェミBBAがどう言おうと、女には恋が全てだから」
僕は目の前が真っ暗になった。
目をきつく閉じて、拳を握ったから。
……だって。
「全く理解できないです…… 正直…… 怖い」
ホントは、キモいって言いたかった。
「そうね、男の子には……」
笑ってそう言おうとしたローズさんの言葉が途切れ、立ち上がる気配に、僕は画面を見た。
凍り付いた。
壁にすがって立ち上がったジャス子が、例のおもちゃみたいな銃を、メグに向けていたから。
『ねえね、下がって…… もう、妹じゃないだろうけど。まだ、アタシ生きてるぜ、ロリ専女優?』
メグは平然と、ジャス子に目を向ける。
『そりゃ殺してないし…… ちゃんとリロードしてたんだ、エライじゃん、ボンクラにしちゃ』
『コーチが最高だから…… さっき見た、オマエの汚ネエケツに、一生、うなされそうだワ…… 耳くらいいいよな?』
メグは、ニッコリ笑って言った。
『感謝しなよう…… 凛のアソコも見れたんだから』
終わりだ。
なにもかも。
やっぱ、無理だ。
僕は立ち上がり、ローズさんも、和室につづくドアへと走る。
五代さん、アンタ使えねえワ。
背中で聞くiPhoneの音声と、ローズさんが手を掛けた、扉から聞こえてくる、冷静なジャスの声。
撃つ気だ。
「……じゃあな、メグ」
「No……」
「やめ……」
「そこまでじゃ、ボケども」
五代さんのうんざりした声に重なって、メグとジャス子の悲鳴があがる。
ほんの少しだけ、ドアを開けてしまったローズさん。
中の様子を一瞬だけ確認してから、そっと閉めた。
ジャス子を大人にしたような、白くてキレイな顔が、今は真っ青だ。
険しい顔で、僕に顎をしゃくる。
僕は一瞬だけ、閉められたドアを見てから、ローズさんに続く。
二人の悲鳴が聞こえたって事は、無事だってことだ。
お腹と、太ももの痛みに気付き、顔をしかめた。
急に立ち上がったから、傷口開いたかも。
ローズさんはドッカリ椅子に倒れ込み、顔を覆った。
吐く息が震えてる。
英語で何か呟き、顔を覆ってる手を握りしめる。
「サイテーね…… サイテーな母親。そばにいて、もっと子供らしい生活をさせてあげてれば」
ファックって吐き捨てる呟きも、震えてる。
痛むお腹の傷をさすりながら、僕は思わず訊いた。
アッチの部屋が気になるけど、この人だって、放っておけない。
「ジャスのパパはどうしてるんですか?」
意外な事を聞かれて、一瞬だけ、潤んだ目で僕を見た。
充血した目を伏せ、吐息と共に吐き捨てる。
「ステイツで、ずっとあのコの帰りを待ってるわ…… アナタなら分かるかしら? イラン系のアメリカ人が、ゴリゴリのイスラム国家でどんな目に合わされるか…… 私達に生きて会うことを支えに、あの人は生き延びたの」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





