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レイバンでは隠せない

《登場人物》


 林堂 凜

 主人公。 小6、男。

 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。


 梁 健一

 日本名、橘 健一。リーファの父。

 台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している


 梁 梨花リャン・リーファ 

 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。


 大人ターレン

 犯罪組織、HAZEの元締め。リーファの祖父。梁に根深い恨みを持つ。


 五代珠乃

小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。



エディ・田中

五代珠乃の、血の繋がらない父。

犯罪組織、HAZEの創始者。

ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。

梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。






 「で、珠乃は偶然襲われたワケじゃねえよな? 和歌山で撃ち合った、北の連中…… その顔はなんだ?」


 ネジやゴミの散らばった、油だらけの地面。

 とっくに終わった点滴を、繋がれたままの4つの死体。明日の朝、業者が引き取りに来るらしい。


 そんな場所にそぐわない、コマの付いた汚いイスに座っていたエディが、痛みを堪える様な顔をする。


 「……って、思うわな? タマのあのカッコ、見てへんから」


 私は自分の顔が、険しくなっていくのが分かった。

 林堂くんが、この場にいたってのがミソだ。

 

 「……何があった? 聞きたくねえが」


 突っ込まれるかと思ったが、エディは新しいタバコを咥えて火を付け、掠れた声で呟いた。


 「肩出した超ミニのタイトで、近所うろついてたんや…… あんな超絶美少女が、キャバ嬢みたいなカッコで彷徨ってたら、バチカンの聖職者でも攫いに来よるわな」


 いや、ロリコンの巣窟じゃねえか? しかも男女おかまいなしの。


 私は、数秒経ってからこの上なく嫌な顔で訊いた。


 「……小六だぞ? なにやってんだ、()()()? 」

 

 親である、オマエの責任だろうが?

 バチカンはともかく、悔しいが、エディの言うとおり。


 エディの店の辺りは、治安が悪い。

 珠乃みたいな綺麗どころが、夕方そんなカッコで歩いてたから、偶然、タチの悪いのに捕まっただけ、って可能性が出てくる。

 マジな話、北の差し金って線が揺らいで来るぞ?

 

 だが、青バイのカッコをしたエディは、タバコをフカしつつ、ジロリと嫌な視線を向けてきた。

 

 「おう、娘、小六や。()()()()()


 何だ、何が言いたい?

 互いに逸らさない視線。


 突然、頭に出現した、脳内カラスの兄弟。


 何故だか知らんが、ウェスタンボーイ、ウェスタンガールガールな姿。

 イタいポーズでウィンク、コッチに銃を向けている。


 その地方チャンネルのCMみたいな煽りで、あることに思い当たる。


 ……お互い小六。


 エディの揺るぎない視線。


 カラス共の銃が、火を噴いた。

 顔が熱くなり、心臓が爆発。

 

 視界がグラリと揺れる。

 実際、よろめいたかも知れない。


 内ポケットからレイバンを取り出し、震える手で掛けた。


 呼吸が浅い。

 慣れてきて、忘れていた首の傷が痛み出す。


 そうだ、安静にしてなきゃなんねえ身体だった。いや、それどころじゃねえ。

 まさか……。


 まさか、リーファまで!?


 脳内に、でっぷり太って油ギッシュになった林堂くんが、膝に珠乃とリーファを乗せ、葉巻をフカしているイメージが浮かぶ。

 たぶん白目になってる私の眼前に、勢いよく画面を破って飛び出してきた、カラス共が横ピース。


 『真実はひとォつ!』


 「うがあああ!」


 「ボス!?」


 鉄扉を開け、慌てて飛び込んで来たボーンに、エディの冷たい声。


 「……今、娘ら、林堂のエロガキと、どんな付き合い方してんねや、って話しとるけど…… なんか知っとる?」


 言い終わらない内に、ボーンは身を翻し、音高くドアが閉められた。


 それどころじゃねえ。

 心臓が激しく波打ち、傷と脳が真っ赤に鼓動する。


 ……ふざけんなよ。

 娘がそんな、初期の峰不二子みたいなカッコを、するわけがねえだろうがッ!


『……だけだと思ってるみたいだぞ、カラ次郎?』

『だけだったら、どんなに良かったろうね、カラ太郎兄ちゃん!』


「……ンだ、その耳と尻尾わァ!?」


 そこか?

 それとも、その梁の裏かッ!?


 「どこに向けてんねん。チャカ、しまえや…… 耳と尻尾て…… やめえ、ガキは殺しとないんや」


 工作機械の裸電球に、輪郭を照らされてるエディ。

 タバコを持つ手が、震えている。


 俺は、腹立ち紛れに、点滴スタンドを蹴っ飛ばす。

 僅かな明かりに照らされた闇の中、彼方まで吹っ飛んだそれは、林立する工作機械の影に消えた。


 なんてこった、一大事もいいとこじゃねえか!?

 あの、エロガキ、今日という今日は赦さねえ!





(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


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