今度は、本当ッス
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
梁 健一
日本名、橘 健一。リーファの父。
台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している
梁 梨花
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
大人ターレン
犯罪組織、HAZEの元締め。リーファの祖父。梁に根深い恨みを持つ。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの創始者。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
ご機嫌なローズに連れられ、ジャスミンの待つ部屋へと、向かったリーファ。
遮光された大窓で、弱められた夕陽が差し込む十七時前のラウンジに、私とハスマイラ、そして大人が取り残された。
急に老け込んだ様に、見える義父。
テーブルを挟んだ対面で、額を押さえながら、私に恨みがましい視線を向ける。
「……貴様の差し金か」
「アホウか。そんなにヒマじゃねえんだよ。娘がジャスミンに誘われたって言うから、心配で付いて来ただけだ…… 後、聞きたい事もある。俺達を襲ってきた奴は、北朝鮮の特殊部隊で間違い無い。隊員が聞いたんだが、中にローティーンらしき少女が混じっていた」
どうでもよさそうに聞いていた義父。
少女という単語に反応した。
「……誘拐か?」
「部下が言うには、命令する側だったそうだ。『ダークベルを決して許すな』…… 何か心当たり……」
私は言葉を途切れさせた。
義父が、『やはりか』という顔で盛大に顔を顰め、背もたれに身を預けたからだ。
私は自分の声が、険しくなるのを押さえられなかった。
「知ってたんなら、何故情報を隠した? こっちは死ぬとこだったんだぞ?」
「……知ったことか。全て自業自得だろうが」
斜め上をぼんやり見つめながら呟く義父に、なおも言い募ろうとしたが、ハスマイラが口を挟む。
「どこまで知ってたんスか? 正直に答えないと、またリーファちゃんに叱って貰いますよ…… あ、ちょうど来た」
大人の背後に、手を振るハスマイラ。
身を固くして、振り向かない義父。
「まあ、ウソなんですが」
「……死にたいのか?」
本物の殺意を送ってくる大人をものともせず、ポニーテールのパンツスーツは、しれっとした顔で言った。
「さっき、リーファちゃんが言ったっしょ? 説明をめんどくさがるのは、災厄の元凶ッスよ」
刑事でも眼を逸らしそうな、ガンを飛ばす義父、平気な顔で紅茶を啜るハスマイラ。
効果無しと見たのか、忌々しげに吐き捨てた。
「情報は全て伝えた。北の特殊部隊などしらん…… ただし、『ダーク・ベル』に関しては知っている」
私は俄然、興味を惹かれた。
「誰なんだ、ソイツは?」
「……誰かだと? 人じゃない。言うなれば……」
痛みを堪える様に、眼を閉じ歯を食いしばる、大人。
私とハスマイラは、大人しくヤツが口を開くのを待った。
「……作戦行動だ。思い出したくもない。ヤツのせいで、どれだけ火消しに追われたか……」
私がピンと来る前に、ハスマイラが訊ねた。
「まさか……」
大人が、ため息と共に吐き捨てた。
「そうだ…… 『顔無し』が北を本気で怒らせ、隊を離れざるを得なくなった原因だ」
「あ、リーファちゃん」
話の途中で、また大人の背後に手を振るハスマイラ。
「……いい加減に」
「ハス達、まだ、話してたんだ?」
「コー…… 山田さーん」
手を振って歩いて来るリーファとジャスミンの声に、唸り声を中断して、身を固くする義父。
今回は、遠慮無く嗤ってやった。
「今度は、本当ッス」
「わっ」
後ろから、首っ玉へかじり付いて来たジャスミンを、厳しく叱りつける、大人。
「アルテミス! 私は……」
「アルテミス?」
リーファのきょとんとした声、ジャスミンの素早い囁き。
まだ内緒、そう聞こえた。
「……いえ、何でもありません。さ、ミズ、淑女がそんなことをするのは、感心しませんよ?」
あっという間にコンシェルジュに早変わりする、大人。
立ち上がって振り向く、180センチに届く長身。
恭しく、リーファに向かってお辞儀した。
「ご挨拶が遅れました。当ホテルのコンシェルジュ、山田です…… お噂は、ミズ・ジャスミンからかねがね」
それを見上げるリーファ。
160近くあり、小六としては背の高い方だが、大人の前では小さく見える。
「さっきは失礼しました。改めまして、梁 梨花です。よろしく」
手を差し出すリーファに驚く私。
顔には、微笑みさえ浮かべている。
驚いた、あのリーファが。
初対面の人間に対して、考えられない。
大人は、そのほっそりした手を暫く見つめ、再度、頭を下げる。
「痛み入ります…… ですが、スタッフ故、ゲストに触れることは戒められております。失礼を」
「そうでしたか」
気にした様子もなく、手をひっこめる娘。
私はほっとした。
あんなのに触ったら、老害が感染る。
ヘンな顔で、首を傾げるワンピースのジャスミン。下はレギンスにスニーカー。
それに気付かず、リーファは明るい顔で言った。
「お会いできて良かった…… ジャス子から色々聞いてるせいもあって、昔から知ってる様な気分なんです」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!





