ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
梁 健一
日本名、橘 健一。リーファの父。
台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している
梁 梨花
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
大人ターレン
犯罪組織、HAZEの元締め。リーファの祖父。梁に根深い恨みを持つ。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの創始者。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
その様子を見ても、ハスマイラの表情は動かない。
「さっきもお聞きしましたが、コンシェルジュは、カバーなんですか？」
「いや、パートタイムだが籍はある。国内であれば、機関に不可能はないから、どこにでも潜り込めるしね。さっきの毛唐共を成敗した件については、警察が適当に処理する。米国の二等市民が、自国の公僕に殴りかかったんだ。我々の管轄外だよ」
強いな、CIA？
「まァ、それで済むなら、面白かったしいいですケド…… どういう経緯で、ジャス子ちゃんに銃を教える事になったッスか？」
「アルテミスは、ダメ元で言っただけだが…… 私はコンシェルジュだからね。NOは言わないよ。ミズ、さっきの狙撃の判断も、喧嘩の売り方も見事だった。だからわかるだろう」
大人は、冷ややかに自分を見つめる、ローズを気にせず言った。
「戦場で『身を守る』そんな意識では死ぬ…… 怪しきは殺せ、だ」
ローズが、声を荒げた。
「マッチョ思想は、たくさん。ここは日本よ？」
「いや、ミスター…… さっきから何、寝言言ってんスか？」
ハスマイラの声が低くなり、大人の目が細まる。
「ローズさんも、銃がイヤなら、娘さんに『大人はHAZEの頭だ』って言えば済むことっしょ？ リーファちゃん、大好きのジャス子ちゃんなら、大人を撃つくらいしそうですけど」
さっきからこの二人に、イライラしてる理由を、ハスマイラが言語化してくれた。
「その通りだ。そもそも、林堂くんが銃を持った理由は、リーファを護る為…… その状況を作り出しているテメェが、何ホザいてやが……」
「いいわよ、アナタ達から、娘に伝えてくれても？ こっちは大助かりだわ」
なんの気負いもない、ローズの言葉にさすがのハスマイラも、言葉を失くす。
私もだ。
コイツ…… 何考えてやがる？
「……なんで、アンタから娘に言わねえんだよ？」
「その辞めさせ方は、フェアじゃないから。私から娘には、言わないって決めてる…… 私は好きに生きてきた。だから、基本、娘のしたいことを止める事はできない」
「それ、ネグレクトって言わんか？」
「なんとでも…… けど、私怨が混じってるとは言え、大人がやってきた事は私と同じで、祖国のためのミッションよ？ あなた達の確執を知ったのは、つい先日の事だけど」
娘より短い金髪を耳にかけ、横の大人を見た。
「私は彼を知っている。地球がひっくり返っても、自分の孫を的にかけるようなマネはしない」
「ある場所で、人形越しにそう言われたな…… はい、そうですかって、信じるのかよ、アンタなら？ 殺害予告してくれてる、野郎のセリフをよ？」
ローズは明るく笑う。
女じゃなきゃぶん殴ってるトコだ。
「彼を知らなきゃ、まずムリね。だからこそ、この状況なんでしょ？ ……でも、事実はそう」
ローズの視線が険しくなった。
「アナタ達は、こう思ってる。大人が死に、HAZEが無くなれば、林堂くんは銃を持たないで済む。そうすれば、あなたの娘さんも、ジャスミンも、危険なマネなんてしようとしない…… 勘違いもイイとこだわ。じき、分かるだろうけど」
ローズが身を乗り出す。
「仕事とも、大人とも関係なく、林堂くんの事は調べさせてもらった。カレに振られたって、プライドの高いジャスが、毎日泣いてたからよ。興味を持って当然でしょ？」
蒼い目が視界いっぱいに、広がったような錯覚。
「いい？ 彼は、水車に挑みかかる、ドンキホーテよ。あの年齢の男の子なら、当たり前の事だけど…… 不幸なことに、彼にはそれを倒せる力があった」
そうだ。
だから、彼の周りには……。
無意識だろう、懐から取り出したタバコをかざし、金髪のスパイは言った。
「結論から言うわ。彼の周りには水車が寄ってくる。倒したら…… 次の水車を探す。危険な方、危険な方へと向かっていく彼。普通の少年なら、そもそも立ち向かおうなんて、考えもしない。だから……」
白い手の中で、握りつぶされるタバコ。
「巨大な水車を倒した彼の周りには、助け出されたお姫様たちが、かしづく…… それが、今の状況。話は逸れてないわよ？
要するに、キーマンは彼。
……それと、異論はあるでしょうけど、梁、マフディ、林堂が外敵に狙われるのは、大人や公安のせいじゃない。
ソイツらを呼び込んだ、HAZE…… つまり日本政府を憎むのは当たり前だけど、それが無ければ、なんの利用価値もないあなた達は、とっくに逮捕されてたでしょうね？
カンパニーですら、極東の地に巣くう、貴方たちはマークしてるし、公安ではテロリスト扱いよ？ 東大阪の市街地に、地下射撃場を作るとか、ナメすぎだわ」
胃の腑が焼ける。
何もかもバレてるって事か。
これ程嫌な汗を、かいた記憶はない。
娘や部下たちの命が、一気にのしかかる。
真っ赤な頭。
震えそうになる足を、全集中で押さえつける。
沖縄から、船で台湾に逃げるくらいしか、頭に、浮かばねえ。
リーファが逮捕されることはねえだろうが、日本で、まともな生活は無理だ。
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします！
