コノウラミ、ハラサデオクベキカ
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
日本名、橘 健一。リーファの父。
台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの創始者。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
二十代後半にしか見えない、サマーセーターに、デニムの姿。うっとりと細めた目。
自分で言ってて、キモいかもだけど、大人の女性の色気って、こういうのをいうのかな。
それにしても……。
僕が『メグのママに走るぞ！？』って叫んでから、メイクしたって事は……。
三十秒弱で、ココまでパーフェクトに仕上げてきたワケ？
HAHAHA、驚きませんよ…… プロですし？
いや、驚くわ！
どんな速度さ、マスクでもかぶってんのかよ！？
だが。
野生の鬼女達が、そんなシチュを許すわけなかった。
ジャス子は手で、メグなんかスニーカーの裏で、顔の真ん中を押さえられながらも、捕らえられたゴブリンさながら、キーキー喚く。
「ザケンジャネー！ 閉経寸前のオバチャンが、ショタなマネ…… サーセン、マジ、サーセン！ イダイダイ頭蓋骨ミシミシ言ってんスけど！？」
「ち、ちょっと、塗装が上手いからって、身内は誤魔化せないんだからねっ！？ 普段、ババシャツ着て、鼻にトイレットペーパー突っ込んだまま、ホッピーと、よっちゃんイカばばば」
笑顔のまま、ジャス子にアイアンクロー、メグに足で往復ビンタをかまし続ける、美女に背筋ピーン。
天女みたいな笑顔で、僕の髪を払うと、おでこにキスしてくれて……。
ドキドキしちゃった。
恐怖で。
あかんがな、金属バット握ったユリさんと、おんなじニオイがするヨ！？
チクショウ、なんてヤバイ人を、当てウマに使っちゃったんだ、僕のばかばか！
これならマダ『橘さんに走るぞ！？』って言った方が、マダまし……。
なワケネェだろが！？
言うに事欠いて、ナニ考えてんだ、殺すゾ、僕！？
ソッ、ソウダ！
誤解だって言うんだ。女子小学生二人が、『首絞めあって心中』って言う、斬新スギな展開になるのを『小粋なとんちで乗り切っただけ』…… そう伝えるんだ、手遅れになる前に、ってもう遅いカンジだけど！
「す、鈴木サン！」
「里佳でいいわ」
こっちが良くねーんダヨ！？
オロロオン オロローン
ヒィィィ！
昔のホラー漫画みたく、ミイラ化した顔の黒い穴から、血の涙を流す亡者たち。
僕は鈴木さんにしがみつく。
「んっ…… コラッ！ 顔うごかしちゃダメ…… ノーブラなのよ？」
照明で明るいはずの店内が、いつの間にか闇一色に。
ヤメテ？
アレクサ、電気付けてから、コイツラ全員つまみだしてッ！
「ママ…… ミンナニハ『ジャス子は遠くで働いてる』ッテ、伝エテネ」
「コノウラミ…… ハラサデ・オクベキカ……」
塀の向こうに行く、決意を固めたヤンキー。
黒縁メガネにワカメ頭。藤子不二雄Aの怪作『魔太郎がくる！！』の主人公と化してる、大和撫子。
もう、イヤ！
アタイが今、どんだけ絶望してるかワカル！？
いつの間にか、ホッケーマスク被って、斧握ってるジャス子、バラ柄のシャツ、黒マントで『ウラミ念法』を発動しようとしてる、メグ。
そして、ナニヨリも……。
「凜クン、手…… 恋人つなぎしてイイ？」
エエワケないわ！
助けて、誰かアタイをタスケテ！
でも。
鈴木サンは。
至近距離で僕を見つめ、鼻の頭にキス。
咆吼をあげた鬼女たちに向き直ると、ため息一つ。
カウンターのイスに腰掛け、いつもの伊達メガネを装着した。
「……さ、冗談は終わりよ？ 全員クビに、手形つけて…… 」
鈴木サンは、カウンターをぶっ叩くと、怒声を上げた。
「里佳がッ…… ママが止めなかったら、どうなってたと思うの！？」
僕は感動した。
鈴木さんの言うことはもっともで、大人なら当然の説教。
僕も、言った内容と、タイミングが悪かったとは言え、あの後どうなっていたかを考えたら、ゾッとする。
……けど、里佳って何スか？
まさかだけど、JSの輪ン中に、同レベルで混ざろうとしてる？
違うって言って？
言って言って、言ってよう！
鈴木さんじゃなく、五年二人が、しれっと言った。
「どんなに頭に来ても、殺したりなんかするわけないでしょ？ ジャスにとって、命より大事なんだよ？」
「そうえ？ ダンナはんに何かあったら、うち三途の川まで追いかけますよって…… ゲジゲジどすか？」
あざとく京都弁を使われ、牙と角を生やして、業火につつまれてる金髪美少女。
ケド、いっつも煽られる側のメグには、一片の慈悲もない。
ここぞとばかり、タコの様にくちびるを尖らせ白目を剥き、ぽかぽかと鈴木サンをぶちつつ、ジャス子の口まね、ブっこいた。
「んもぉう…… 『行くな』言うてェ？ 言うて、言うて…… 言うてよおぅ…… 痛ッ」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします！
