アタイ、リンリン! パパはリビアで大佐やってたの
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
日本名、橘 健一。リーファの父。
台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの創始者。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
突然だけど、北アフリカにある『リビア』って国、知ってる?
さっき言ったかもだけど、ジャス子のパパが誘拐されてた、ヤバイ国だ。
十年以上前は、カダフィ大佐っていうジジイが仕切ってた、北朝鮮と並ぶ独裁国家なんだけど、そこの軍隊の教本に『ナイフを持った相手には抱きつけ』ってのがあるらしい。
ん? 昔、修行中に、導師から叩き込まれた知識のひとつ。
いや、特に興味があったわけじゃない。
距離をとると、さくっと刺されるからだけど、かといってとっさにそんなマネ出来るモンかなあ。
え、なんの話かって?
抱きついた後、お互いどうすんのかな、って当時ぼんやり思ってたんだ。
質問はしなかった。
前から言ってるけど、僕は自分から言い出したにも関わらず、『修行』ってヤツを心から憎んでたし、なんなら、導師――修行中は、親子の情を消すために、そう呼ばされてた―― のことも大キライだったからね。
余計な質問なんかしないで、とっとと終わらせることしか考えてなかったもん。
話それた。
その質問の答えが、目の前に広がってたもんだからさ。
人間、素手で人を殺そうとする時、超・至近距離だったら、こうなるんだなって。
「やめろ、オマエラ! 顔、顔! 紫色になってんじゃんか!?」
声も立てずに、目を血走らせ、首を絞め合う、メグとジャス。
お互い、disり合ってるうちは、全然笑えるんだって、思い知らされました、ハイ。
怒りが大きすぎると、言葉も出てこないモンなんだなあ、学びがあるッス。
それどこちゃうわ!
見開いた眼が飛び出しかけてるし、全力でノド、締め合ってるから、アゴがなくなってる!
ジャス子が狂戦士化する、コンマ何秒手前、僕は耳かきを抜くと同時に、身を沈めて脱出。
カウンターと壁に挟まれた、狭い通路で始まる、殺し合いの側面に逃れた。
こんなの、フツー、仕掛けた側が『冗談デース』とか言うトコなのに、メグは一歩も引く気配が無い。
酸欠の金魚みたいな顔で、舌をはみ出させてヨダレたらしてる、ヤンキームスメと大和撫子。
ヒキで見たら、腹抱えて笑うトコだけど、当事者の僕としては、マジで真っ青。
引きはがそうとしても、鉄腕になってる二人。
これしかない。
もう、マジでホント死にたくなるほどイヤだけど、これしかない!
自分でも、耳の腐りそうな絶叫が、メグの背後の生活道路にまで響いた。
「ヤメないと、新しい女に走るぞ!…… メグのママとかっ」
効果は絶大だった。
イヤ、絶大過ぎた。
だって、クチにした僕自身…… 心に深い傷が残ったもの。
二人を止めるため。
二人を止めるためだけだったのに。
……これって。
ナディアを止めるためなら、ナディアママ、リーファを止めるためなら、ハスマイラさん、五代を止めるためだったら…… ユリさんになるワケ?
どのバージョンでも『命の灯火』消えるがな。
そもそも、何が悲しくて、僕はこんな目に合ってるんだろう?
床に倒され、血の涙を流す鬼女達に、マウントチョークを喰らう僕。
チョークっていうか、ただ首絞めてるだけな? しかも四本の手で。
ぼんやり考えてたけど、視界が暗くなってきた。
あ…… ヤバいんじゃ。
急に体が軽くなる。
「……に、やってるのあなたたち!」
せき止められていた血流が、急に首から上に流れ込んでくる。
割れそうに痛む頭を、誰かが抱き起こし、柔らかいモノにぶち込まれた。
感想:過去イチおっきい。
「「なあにやっとんじゃああ…… へぶっ」」
鬼女達の声が中断する。
ガンガンする頭、赤く点滅する視界。
「大丈夫、林堂クン?」
見たこと無い、キレイなお姉さんが、僕を見下ろしていたケド……。
声で分かった、メグのママ。しかもバッチリ、メイクした。
息のかかる至近距離。
見上げた顔から、眼が離せない。
長いまつげ、大人っぽい輪郭。
いっつもひっつめにしてる肩までの黒髪は、ゆるく波打ってて、メグが成長したらこんな美女になるのかなって、頭のどっかでぼんやり考える。
プロのメイクアーティストだけど、自分にメイクしたらこんなにキレイになるんだ。
そこいらの女優よりキレイじゃんか。
僕を気遣わしげに見下ろしながら、潤んだ瞳で僕を見下ろす瞳。
半開きの唇からのぞく白い歯。
そうしながらも、ギャーギャー腕を振り回すジャス子の顔をわしづかみ、メグの顔なんかは、長い足の裏で押さえ込んでる、そのギャップ。
「アタシの凜にナニしてんだよ、メグのママ!?」
「ママ、車で待ってろって言ったでしょ! ナニ、そのメイク…… あーっ!」
ふっ、と微笑みつつ、僕の頬をなでる手にゾクゾクした。
「まあね、『メグのママに飼われちゃうぞ?』って聞こえたから、慌てて描いたワケだし…… ちょっと粗いカモだけど?」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします!
 





